利用の手引き

熊本大学・遺伝子実験施設

熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2004年 9月 2日 更新

【2】主な機器の紹介

[2.9]フローサイトメーター

設置場所:細胞分離室(605)・前室
品  名:FACScan1台 及び FACSCalibur 1台
     ベクトン・ディッキンソン
性  能:
  細胞1個1個について、その大きさ(前方散乱光:FSC)と内部構造(側方散乱光:SSC)、及び 発現している抗原たんぱく質に結合した標識抗体に基づくシグナル(FL1, FL2, FL3)を検出し、 1万〜100万細胞分のデータを統計処理して解析する装置です。FACScanは蛍光3色まで、 FACSCaliburは蛍光4色まで解析できます。デリケートな機械ですので、利用者は下記メンテナンス・ メニューを参考にして下さい。室内に置いてある"FACSCalibur Training Manual"も参考にして下さい。

利用者負担金:
  平成16年 9月30日まで
     使用時間1時間につき200円。
  平成16年10月 1日から
     使用時間1時間につき500円。

☆☆☆ FACScan メンテナンス・メニュ− ☆☆☆

(1)FACScan スタートアップ手順

  1. トランスのパワーをONにする。
  2. シースタンクにシース液を補充する。【MAX=3/4】
  3. 廃液タンクを空にした後、必要であれば漂白剤を添加する。
    【ハイター10倍希釈液、または1%次亜塩素酸ナトリウム溶液 400 ml を入れる。】
  4. VENT VALVE をOFFにする(上側にセット)。
  5. FACScan 本体の電源をONにする。
  6. シースタンクに圧がかかっていることと、シースフィルターに気泡が入っていないことを確認する。
  7. プリンタの電源をONにする。
  8. コンピューターの電源をONにする。
  9. SIP (Sample Injection Port) から蒸留水が入った試験管を取り外す。
  10. 光学系カバーを開ける。
  11. フローセルを見ながら、中の液が全て排出されるまで流路調節つまみをDRAIN にする。
  12. 流路調節つまみを FILL に回し、フローセル内にシース液が満たされていくのを確認する。
  13. フローセル内にシース液を満たしたときに気泡が見えなくなるまでDRAINとFILLを繰り返す。 【最低3回】
  14. 光学系カバーを閉じる。
  15. 蒸留水が入った試験管を SIP にセットし、チューブサポートアームをSIT (Sample Injection Tube) の下(中央の位置)にセットする。
  16. 流路調節つまみを RUN にして、2〜3分間動かす。
  17. サンプル測定までの時間が長ければ、流路調節つまみを STAND BY にしておく。
  18. FACSComp または CELLQuest を立ち上げる。

(2)FACScan シャットダウン手順

  1. 流路調節つまみを RUN にし、サポートアームを右又は左にした状態で、2 ml の10%ハイターを 入れた試験管を SIP (Sample Injection Port) にセットする。
  2. サンプル流量はHIにし、1分間そのままで漂白剤を吸引させる。
  3. サポートアームを中央に戻して、5分間 RUN。足りなくなったら漂白剤を追加する。
  4. 漂白剤が入った試験管を外し、同時に蒸留水が入った試験管を SIPにセットする。
  5. サンプル流量はHIにし、1分間そのままで蒸留水を吸引させる。
  6. サポートアームを中央に戻して、5分間 RUN。足りなくなったら蒸留水を追加する。
  7. 蒸留水が 1 ml 入った試験管を SIP にセットし、流路調節つまみをSTAND BY にする。
  8. VENT VALVE をONにする(下側にセット)。
  9. 廃液タンクを空にする。
  10. FACScan 本体の電源をOFFにする。
  11. コンピューター及びプリンタの電源をOFFにする。
  12. トランスのパワーをOFFにする。

(3)ライン洗浄

  1. 流路調節つまみを "STANDBY" にし、ベントバルブスイッチを下げてシ−スタンク内の空気圧を 下げる。
  2. シ−ス液フィルタ−の上下にあるプラスチックコネクタ−を、金属製のクリップを押しながら外 す。
  3. シ−スチュ−ブ(白)とエア−チュ−ブ(青)のプラスチックコネクタ−を、金属製のクリップ を押しながらはずす。液量センサ−のプラスチックコネクタ−をつまみながら同時に引っぱって 外す。
  4. シ−スタンクを取りだし、キャップを外して、ブリ−チ(10%キッチンハイタ−)タンクに取 付ける。
  5. ブリ−チタンクをセットし、エア−チュ−ブ(青)を、元の位置(青)に取付ける。
  6. シ−スチュ−ブ(白)を、シ−ス液フィルタ−の上側が接続されていたプラスチックコネクタ− (白)に取付ける。こうすることにより、ブリ−チ液が、シ−ス液フィルタ−をバイパスされて、 直接フロ−セルへ流れるようになる。
  7. 液量センサ−を取付ける。
  8. ベントバルブスイッチを上げてシ−スタンク内の空気圧を上げる。
  9. 流路調節つまみを "RUN" にし、サンプルインジェクションポ−トにも10%ハイタ−をセット し、20分間流す。
  10. 同様にしてブリ−チタンクを水タンクに替えてセットし、サンプルインジェクションポ−トにも水 をセットして、"RUN" で20分間流す。
  11. 水タンクをシ−スタンクに替え、シ−スチュ−ブ(白)とエア−チュ−ブ(青)をそれぞれ元の位 置にセットする。シ−ス液フィルタ−をセットして最初の状態に戻す。"RUN" で5分間流す。この 後、キャリブレ−ション、測定作業または通常の終了操作を行う。

(4)キャリブレ−ション

  1. CaliBRITE ビ−ズ(実習室の冷蔵ショ−ケ−ス保存)を調製する。
    白チュ−ブ・・・シ−ス液 500 ml にビ−ズ(白)1滴添加
    Mix チュ−ブ・・・シ−ス液 1 ml にビ−ズ(白・赤・緑)各1滴添加
  2. FACSComp ソフトウェアを立ち上げる。
  3. "FACScan & FACSort Training Manual FACStation ver 1.0" のPage 3-5 から 3-17 までに従い、キャ リブレ−ションを行う。
  4. サマリ−をプリントアウトし、 "FACSComp Report" にファイルする。
  5. サンプルインジェクションポ−トに水をセットし、 "RUN" で5分間流す。この後、測定作業また は通常の終了操作を行う。


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