Gene Technology Center News No.3

熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2ー2ー1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
1996年 9月 5日


<Radiation Hybrid Panel についてのお知らせ>

  遺伝子実験施設では、市販されている各種ゲノム DNA などを購入し、少量ずつ分注して実費で利用者に提供することを計画しています。その第1段として、Gene Bridge 4 Radiation Hybrid Panel (Research Genetics, Inc.) を購入しました。このパネルは、X-ray処理したヒト細胞とハムスター細胞のハイブリドーマ 93 種類のゲノム DNA と、コントロールのヒト細胞およびハムスター細胞のゲノム DNA から構成されており、それぞれ PCR 200 回分の DNA が入っています。目的とする遺伝子を特異的に検出することが出来るプライマーを用いて PCR を行ない、どのハイブリドーマのゲノムDNAをテンプレートとして用いた時に PCR product が検出されたかで、ヒトゲノムマッピング (1000 kb resolution) を行なうことが出来ます。
  目的とする遺伝子が染色体上のどの位置に在るかを調べる方法として、FISH (fluorescence in situ hybridization) 法が近年良く用いられています。しかしながら、この方法は熟練を要し、時間や手間もかなりかかります。これに対し、最近実用化されてきた Somatic Cell Hybrid PanelやRadiation Hybrid Panelを用いる方法は、PCRを利用することにより、誰でも短時間にゲノムのマッピングが行なえる画期的な方法です。しかしながら、このような商品は高額であり、納期も長くかかり、しかもひとつの遺伝子に必要な量の10 ~ 100倍が最低梱包単位になっています。従って、目的とする遺伝子の数が少ない研究室では、まだまだ気軽には利用できない方法であると言えます。
  遺伝子実験施設では、この Gene Bridge 4 Radiation Hybrid Panel の分注作業が終了し、希望者への配付が可能になりました。各ゲノム DNA (25 ナノグラム/マイクロリットル) 20 マイクロリットルずつ分注しており、標準的なプロトコールでの PCR 20 回分になります。価格は1セット 13,300 円です。DNA 合成機やシークエンサーと同様に、利用者負担金として年2回移算措置を行なう予定です。配付を希望される方は、遺伝子実験施設まで御連絡下さい。
  なお、Radiation Hybrid Panelについての詳しい情報は、Stanford大学のホームページおよび Data Entry Formをご覧下さい。

  また、このようなパネルは他にもいくつか市販されており、複数のパネルを併用することによりマッピングの精度も向上するので、利用者の目的に応じて選択可能なように、数種のパネルを整備していく予定です。遺伝子実験施設で購入して欲しいゲノム DNA などの情報が在りましたら、下記まで御連絡下さい。

熊本大学・遺伝子実験施設  荒木(あらき)又は吉信(よしのぶ)
  Tel : (096) 373-5437  FAX : (096) 373-5438
  E-mail : www@gtc.medic.kumamoto-u.ac.jp


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