******** GTC On Line News No.442*******
2003年10月24日
***********************************
医学薬学研究部 田中英明教授から、下記セミナーの案内がありましたのでお知らせします。
========= COEセミナーのご案内 ===========
「神経堤形成制御メカニズムの解析」
若松義雄
東北大学大学院医学系研究科器官構築学分野
要旨
神経堤細胞は、脊椎動物において表皮外胚葉と神経板の境界部に形成され、脱上皮化
の後、胚体内を広範囲に移動して多様な細胞種に分化する。神経堤の形成には表皮外
胚葉と神経板の相互作用が重要で、表皮側からの誘導シグナルとしてBMPが必要であ
る。我々は、神経堤特異的に発現して脱上皮化やその後の移動を制御する転写因子で
あるSlugの発現制御の解析を中心に、神経堤が外胚葉の特定の領域に限局して形成さ
れるメカニズムについて、研究を進めてきた。今回のセミナーでは、鳥類胚を用いた
最近の我々の研究成果を中心にして、Notch、Wnt、BMPといったシグナル伝達経路と
SlugやSox2、Sox9といった転写制御因子群の協調的作用による神経堤の形成制御シ
ステムについて紹介する。
参考文献
(1)若松義雄:発生過程に見る神経堤細胞のふるまいとその制御 「脳神経研究の
フロンティア」実験医学増刊 20(5), 715-722, 2002
(2)若松義雄、大隅典子:神経堤細胞のボディプラン 「ボディープランと器官形
成」現代化学増刊号 39、28-38, 2001
(3)Aybar MJ, Mayor R. Early induction of neural crest cells: lessons
learned from frog, fish and chick. Curr. Opin. Genet. Dev. 12, 452-458,
2002.
日時:2003年10月29日(水)
12時00分〜13時00分
場所:熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設 6階 講義室
================================
<GTC On Line News>
<GTC On Line News-401-450>
熊本大学・遺伝子実験施設; E-mail:www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp