レポート第8回 回答集

熊本大学・遺伝子実験施設
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2002年 3月19日

平成13年度 生命科学G レポ−ト 第8回(2001年12月5日実施) 回答集

[ 質問 ]

動物実験は必要か必要でないか、または賛成か反対か

[ 回答 ](25人)


・ビデオの内容が、とても惨たらしかったので、動物実験が良い方法とは思えなかったが、これからの医学などの発達にとっては必要不可欠だと思う。よく、動物愛護団体みたいなのが街中で反対運動をしているのをみかけるが、動物実験のお陰で完成した薬などを使用して我々は病気になっても回復することができている。実験によって生まれた動物を自然界に放つなら生態系が崩れる可能性があるので反対だが、実験室の中だけなので動物実験には賛成である。(工学部)

・動物実験は必要だと思う。しかし、できれば最小限におさえてほしいと思う。人体実験はできないので仕方ない、というのはわかる。しかし、動物は人間が生きるための糧になるのは当然という考えのもとでは行ってほしくない。だから、賛成か反対かはわからない。(工学部)

・私は動物実験をするのは仕方がないと思います。人体に関するあらゆることを研究する時に人体実験を行なうわけにはいかない。そこで仕方なく動物実験に踏み切るしかないと思う。私は個人的には動物が好きなほうで可哀相という気持ちはあります。けど、今は動物の力を借りることでしか解決できない問題であるなら、私は動物実験をおこなわるざるを得ないと思う。(工学部)

・私は動物実験に対して反対だとはいえません。地球上に存在する生物は、お互いに助け合いながら生命維持に努めています。動物実験もその助け合いの一部だと考えていいのではないかと思います。ただ、講義の中で出た意見と重なりますが、実験に使う動物たちの生命を軽視することはあってはいけないと思います。人間の生命を救うための一過程の中で、重要な部分であるという認識を忘れてはいけないと思います。(教育学部)

・動物実験は率直に言って惨いと感じている。マウスだってちゃんとした生き物だし、命を持っている。それを人間のためだけに実験に使い殺していくのは・・・。実験のためだけに生まれてきたのだろうか。同じ命を持つものとして心が痛むのは私だけでしょうか。人間が生きていく上である意味しょうがない事かもしれない。しかし、ヒトゲノムを解読したり、クローンを作ったり、すばらしい頭脳を持つ人間なのだから、動物を犠牲にしないでいい、すばらしい方法を考える事が出来るのではないでしょうか。みんながひとりの人間として考えてみるべき問題だと思いました。(教育学部)

・何人かの人や先生も言われましたが、私も、実験する動物の命の重さを感じているならば、動物実験はしていいし、また、必要だと思います。私たちはすでにいろいろな形で動物の命を奪っています。そうしなければ、私たちは生きていけないのです。もし『動物の命が奪われるから動物実験には反対だ』などと言ってる人がいるなら、その人に『じゃああなたは肉や魚は食べないの?』と聞きたいです。現代人でベジタリアンはまずいないでしょう。(いたらすみません。)自分が食べてるのに『反対』などという人は 、矛盾以外の何者でもありません。私は前回の講義で改めて、私たち人間は動物に感謝しなければならないと感じました。(教育学部)

・あのビデオを見て思ったことはラットがとてもいたいたしかったことです。生物の実験は人のためになるかもしれませんが、動物の命が奪われるとゆうことも忘れてはいけないと思います。人には他の動物にはない知恵とゆうものがあります。しかし同時に人は、かわいそうであると思う感情を持っています。私はどうも感情が先に出て生物実験には否定的になってしまいます。遺伝性の病気に苦しむ人の立場に立てばそんなことはいってられませんが…私は人が他の動物の命を征服しているという状態がとても嫌です。人は偉いわけじゃないですからね。(工学部)

・動物実験について、必要であると思います。なぜなら、動物の命を無駄にするような扱いはしていないと思うし、何か少しでも結果を残して、何かの役に立てられていると思うからです。(工学部)

・私は動物実験に反対ではありません。人間はあらゆる場面で他の動物を犠牲にしていると思いますし、それは動物実験に限ったことではないと思います。私は日々の食事の中で動物の肉や魚を食べていますし、菜食主義の人も生きていくために植物の命を犠牲にしています。人間は生きていくために常に何かを犠牲にしなければならない動物だと思います。ただ、動物実験をする上でその実験動物の命が軽んじられるようなことがあってはならないと思います。この間のビデオを見ているとなれている手つきのせいだと思いますが、マウスをまるでもののように扱ってるように感じました。たとえ実験のために生み出した命であっても大切に扱ってほしいと思いました。(法学部)

・動物実験はやむを得ないことだと思う。ある技術が人間に応用できるかどうか確かめるために、事前に動物を使って実験することは必要であると思うし、いきなり人間にその技術を適用して危険性が表出すれば、その方が人間(たとえば被験者本人やその家族)にとって悲しむべき事態であると言える。もちろん、このような考え方は人間中心の考え方であり、人間のために他の動物のいのちを犠牲にしてはならないという批判もあって当然であると思う。しかしながら、たとえば人間は動物や植物を食べることなくしては生きてゆけないように、生命は、他の生命の犠牲の上にのみ成り立っているのではないだろうか。科学技術の進歩が動物実験の事実を加速させていることは間違いない。そして科学技術は人間の欲求によって進歩を続けてきた。動物実験をストップするということは技術の進歩を停止する、すなわち私たち自身の欲求を抑制することなのではないだろうか。それが実質的に不可能であるという事実ゆえに動物実験などの「他の生命の利用」もまた、決してなくなることはないのではないだろうか。(教育学部)

・私は生物を専攻してる以上動物実験は避けられないと思います。しかし私はその事が悪いとは思いません。実験として用いる側もただおもちゃのように軽く扱っているわけでは無いと思うからです。ちゃんと命の重さや意味を理解しての動物実験なら私は良いと思います。実験している人の動物実験に対する考え次第だと思います。(理学部)

・私は動物実験に賛成である。たしかに動物を殺すのはかわいそうだが、かわいそうだから実験はできないといっていては、これ以上の研究の発展は望めないだろう。ただ意味もなく動物が殺されるのにはもちろん反対だが、動物を実験に使うことで今の悪い状況をよいよい方にかえることができるのなら、その実験というのは必要なことだと思う。けれど、授業で何人かの方がいっていたように、当たり前のように動物を殺すようになってしまってはいけないと思った。(教育学部)

・動物実験については必要なことと思います。しかし、授業のビデオで扱われていたマウスを見ていても思うのですが、内蔵をどろりと出したマウスはなにかぞんざいに扱われているようでなりませんでした。手際の良いことが悪いことだとは思いませんが、どうしても実験動物の扱いに関して疑問を感じてしまいます。実験に使われた動物はそのあとどうなっているのかすごく気になります。例えば、ビデオででていたブチブチと腹を切開され卵巣を取り出されたマウスはそのあとどう処理されるのでしょう。人を扱うのとは違って動物を扱うことは案外簡単におこなえるでしょう。対象の動物が小さければ小さいほど、下等であればあるほど命の重さはさほど気になら無くなっていく。獣医学部では毎日のように動物を解剖するのだといいます。しかし、悲しいかな、実験に使用した動物で遊ぶ学生もいるそうです。大学側も実験されバラバラとなった動物たちを火葬することは費用がかかることであり認めていません。そのままゴミとなります。動物を救うために学んでいる者でさえそうなのです。命の重さが一緒だということをいいたいのではありません。ただ真摯な気持ちで研究を行っているのか疑問に思います。命をいくつも奪っている。それだけの価値が本当にその実験にあるのか。実験という呼び名であればなにをしてもいいのか。学びたいことを学んでいるのか。そういう意味で動物実験を危険視はしています。(法学部)

・動物実験についてだが、そもそも他の動物種は種差別的に生きていて、人間だけが他の種を意識しながら生きている。よってこれに反対はしないが、人間の場合、他の種への影響力が強いのでそこのバランスはしっかり考えなければならないと思う。そして理性あるものとして命の尊さも考慮すべきである。(工学部)

・私は動物実験に賛成です。なぜならば、私達の生活のために彼等は力を貸してくれているのであって、彼等がいなかったら、私達自身で薬の人体実験をしなければいけなくなるからだ。もちろん私達は命をもって力を貸してくれる動物に感謝しなければならないことは言うまでもない。(工学部)

・僕は動物実験は必要でありなおかつ賛成です。人間の代わりに動物を使って実験することは人間の命よりも動物の命を軽く見てることになるかもしれません。また、僕自身動物が好きで実験に使うのはかわいそうです。ですが、動物実験をせずに薬品などを使うのは人体実験をするのようなものですから動物実験は必要でありそれに賛成です。すごく自分かってなことばかり述べましたがこれが僕の考えです。また、授業中に女の子が命の重さを研究者は強く意識して実験することが絶対に必要なのに、現状はあまり意識せずに実験をしている人がいるようなきがすると言っていました。僕もそれに同感です。命重さを考えずに実験していくことはとても危険な状態に思えます。自分が命をあつかう立場になったらしっかりと意識しようと思いました。(工学部)

・動物実験について、私は心情的には反対をしたい。しかし、かといって動物実験を否定するということは人間自体を実験台として使うということと同義である。私も人間である以上、それは受け入れられないことだし、また許されることでもないだろう。ならば、「仕方なく」というニュアンスを含むかもしれないが、賛成をする。(文学部)

・生命は原則として尊ぶものである。しかし口ではなんと言っていても、医療の実践の面から考えると、ヒトと動物との生命に差異を認めざるを得ないのは事実である。試験段階にある薬剤に対して、臨床試験(ヒトに投与する段階)に進む前に、非臨床試験(動物に投与する段階)が行われる。ひとつの薬剤の開発には多種類・多数の動物が用いられるが、それらの動物は研究と実験結果確保のために全て解剖されるという。
 痛ましいことかもしれない。だが、ここでしっかりとしたデータを出さないと、次の臨床試験に進むことは危険極まりない。私は大学に入ってこれらの事実を学ぶまでは、動物実験という響きに、人の側を悪とし、むやみとその行為を否定するようなマイナスのイメージしか持っていなかった。しかし今では動物実験は現代医療に必要不可欠であるということに疑いをもたない。ほとんどのヒトという種が、蛋白源とするために他の種を食すということと同等に、必要不可欠なことであると考える。
 要は、私たちがいったいどういう欠くことのできない理由でもって、他の種族の命を絶つか、ということをよく理解しておくことだろう。それさえわきまえていれば、動物実験には賛成の立場である。(薬学部)

・私は動物実験について賛成です。人は生きる為に他の動物を食べています。それと同じで、動物実験は人が生きる為に行っていると思うからです。(工学部)

・動物実験を遺伝子研究等の研究で行うことは、仕方のないことであると思う。それを否定しては、現代の医学等はあり得なかったわけで、認めざるを得ない。しかし、戦時中の731部隊において行われたとされる、人体実験を研究者は反省せねばならないと思う。人間をマルタと呼び、人としては扱わなかった731部隊。現代の動物実験においても、ただの研究物として動物をみるのではなく、生き物としてみることを忘れてはいけないと思う(教育学部)

・個人的には動物実験がそれほど悪いものだとは思わない。少なくとも人体を用いるよりは遥かに人道的だと思っている。確かに、動物たちも人間と同じように生きている存在ではある。しかしそれらを天秤にかけた場合は、やはり人間の生命のほうが重いと判断するべきだろう。実際のところ動物実験がどれほど有用であるかは別にして、それが多少なりとも科学の進歩に貢献するなら決して無駄ではない、と思う。
 そもそも(ベジタリアンでもなければ)普通の食生活として動物性蛋白も摂取しているのだし、食べるために殺すのがOKで実験目的で殺すのが駄目だという態度には疑問を感じる。良心が痛むというのなら分からないこともないが、それは個人の問題であって他人に動物実験の禁止を強制する理由にはならないのではないだろうか。(理学部)

・動物実験について賛成である。確かに生き物を実験に利用するのはとんでもない事であると思う。しかし、実験が禁止されると、安全性が確認されないまま使用しなくてはならなくなる。それはとても危険な事である。私は動物は好きだしラットが実験になっている映像を見ただけでも心が痛む。だが、自分や、身内の人が病気になったりした時を考えると、やはり安全な薬のために動物が犠牲になる事に反対はできない。人間は自分勝手な生き物であるから仕方ない事だと思う。(文学部)

・私は動物実験は必要だと思います。しかし、この前見たビデオの中で先生は実験動物をどこか物のように扱っている印象を受けました。人体実験をするわけにはいかないし、安全性が確認されていないものを人間に使うわけにはいかないから動物で試すというのはどこか矛盾していて人間のおごりであるような気がしますが、その一方でほかに方法がないのなら仕方がないと考えてしまいます。私は薬学部なので動物を使った実験をすることになります。そのときに一番おそろしいのは慣れだと思いました。命のある生き物を使っているのだということ忘れないようにすると同時に感謝しなければならないのだと感じました。(薬学部)

・薬を創る段階で、副作用を調べたりする為に動物実験は欠かせないことだと思う。薬の安全性を問うために動物実験を行わない場合、人体実験をすることになってしまうのではないか。いたずらに動物を殺生するというわけでなければ動物実験に頼らざるを得ないと思う。(薬学部)

・動物実験は必要です。でも、以前は動物実験なんて恐ろしいと思っていました。初めてラットの喘息の実験を見た時にはぞっとしたのを鮮明に覚えています。しかし、今は医療の向上には動物実験がどうしても必要であることを否めません。人間の都合で動物の命を犠牲にしてしまうのですが、結局人間は人間を実験台にすることはできないし、だからといって実験をしなければ今ある貴重な薬や治療法の数々は存在しえないのです。私たちは動物実験の貴重な価値を認識し犠牲を最小限に抑える事が大切だと思います。(薬学部)

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