2002年度 レポート第6回 回答集

熊本大学・遺伝子実験施設
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2003年 1月 3日

2002年度 生命科学G レポ−ト第6回(2002年11月13日実施)回答集

[ テーマ ]DNAの実物を見た感想

[ 回答 ](23人)

・今回の講義で初めてDNAの実物を目にしました。蜘蛛の糸が集まったような感じですこし螺旋を描いているDNAをみて、「これがネズミの素で自分のDNAも見た目は変わらないんだよなぁ。」と感じました。また、このDNAを使って何か変わった動物を作ってみたくなりました。これまでは教科書や参考書でお馴染みの「2重螺旋の構造図」かみたことが無かったのでとてもよい経験になったと思います。DNA精製の具体的な方法も初めて知りました。マウスの尻尾を溶液に溶かし込むところを想像したら少し気持ち悪くなりました。動物を使う実験に慣れるまでは結構辛いのでしょう。(工学部)

・乾燥したDNAは以前に見たことがあったのですが、実際にDNAを沈殿させるところを見たのは初めてで、とてもわくわくしました。あの糸くずのようなかたまりに生命にとって重要な情報が詰まっていると思うと、逆に命というものが今まで以上にもろく儚いものに思えてきて、それだからこそ大切にしなければならないと感じました。(法学部)

・私は初めてDNAを見ました。もっと気持悪いものを予想していたので、意外でした。本当に繊維状で、「こんなのが私の体内にも入ってるのか…」と思い、目で見ていることに不思議な気がしました。(法学部)

・体をつくる全ての遺伝情報を含むDNAが意外と簡単に見えたなという感想だった。あのDNAから複雑な過程を通ってタンパク質が形成されるということがすごく不思議に思えた。(工学部)

・今日、授業中にDNAの実物を見ました。そんな白いものはDNAですが、信じられない。資料を調べてから,分かってきました。DNAとは デオキシリボ核酸(Deoxyribo Nucleic Acid)。アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という4種類の塩基と、デオキシリボースという糖と、リン酸の化合物で鎖状の巨大な分子を構成します。一般的には2本のDNA分子の間でAとT、又はGとCが相補的塩基対を形成して、2重螺旋を構成します。相補的構造によって自己の複製が作れるようになっています。このDNAの塩基配列に蛋白質などの遺伝情報が含まれています 。DNA塩基配列は遺伝暗号によってアミノ酸配列になり、それが折畳まれてタンパク質になります。塩基配列の違いは、それに基づいて作られるタンパク質の違いを生みます。生殖細胞のDNAを通じて、遺伝(タンパク)情報は親から子に伝わります。遺伝子とは、より正確にはRNAやイントロンも含めた転写産物を作るために使われるDNA配列であり、広くはプロモーターやオペレーターといった、転写されて機能を持つものではなく、塩基配列自身が機能を持つ配列も指します。ヒトのDNAは約30億の塩基対からできており、この中におよそ10万種の遺伝子があると言われています。(理学部)

・DNAの実物を初めて見て、マウスのしっぽ一センチの十本分の中に、あれだけたくさんのDNAがはいっていることにおどろきました。そして、DNAの抽出の方法を聞いて意外に簡単に抽出できるのだなあと思いました。最初のほうの過程はよくわかりませんが、エタ沈は実際授業でできたくらいだし、試薬もそんなに複雑なものはつかっていないのに、遺伝情報のつまったDNAを実際目にすることができてすごい体験ができたような気がしました。(薬学部)

・わたしが今まで見てきたDNAは紫色をしていて細胞の中で核だったり、染色体だったりしていたので今回見たDNAを見てもピンとこなった。しかし、こんな白いモヤモヤのなかにねすみを構成する情報がしかも10匹分も入っていると思うとこの白いモヤモヤがとても貴重なものに思えてくる。それから今回、DNAの抽出法を知ることができてよかった。これまではそういったことを知らないまま高校生物にでてくるDNAを勉強していたのでむりやり理解はしてきたがあまり現実みがなかった。これからはDNAと聞いたら白いモヤモヤを先に思い浮かべると思う。(教育学部)

・僕は生物科なんで、DNAについては結構学んできたつもりだったんですけど、実物を見たのは今回が初めてでした。率直な感想としては、あんな小さな物質によって僕らは形や運命を決定させられてると考えると何だか不思議な感じです。(理学部)

・初めてDNAというものを見ました。あんなふうに肉眼で見ることができると思ってなかったので、驚きました。また、あんな白いもやのようなものが、私たちの生命を維持しているのかと思うと、とてもすごいことだと思います。(薬学部)

・DNAというのは、目に見えないミクロな世界のものだと思い込んでいたけど、エタノールを用いることによって、ミクロどころか誰もが確認できるように抽出でき、驚きを隠せなかった。あの中に遺伝情報が含まれているなんて信じられない。それから、たった数十秒で抽出できたことにも感心した。  ところで、今回実際にみたDNAはマウスの尻尾から採取したものらしいが、ヒトのDNAも採取・抽出したら、同じように現れるのだろうか。もし現れるのならば、自分のDNAを自分の目で見てみたいと思うと同時に、他人に見られることに嫌悪感を抱くはずだ。(理学部)

・プリントに「繊維状のかたまり」と書いてあったけれども、実際に見るまでどんなものかよくわからなかった。試験管の中のDNAはクラゲのようだった。他のコアで糸くずのようなDNAを見たときと同じように、「これがDNA??」とあまり実感がなかった。  DNAもその実験の過程も見ていて楽しかったです。ありがとうございました。(教育学部)

・前回の授業でDNAの実物を見て、それを持ち帰ってこのレポートを書きながら再びまじまじと見てますが、DNAとは何とも不思議なものです! 実際、最初に「これがDNAです」みたいに見せられたときは正直パッとしませんでした。こんな繊維みたいなものの中に生物に関するさまざまな遺伝情報が入ってるのかと思いました。自分たちの中にもこのようなものが含まれているのかぁ〜と改めて不思議に思いつつ、実感が湧かないでいます。実際に人のDNAもあんな感じなのでしょうか? DNAにも個性みたいのがあるんでしょうか?(理学部)

・私の学科では生物は勉強しているが、最近はDNAの分野においては全くノータッチで ある。なのでコアでとったこの授業にてDNAを初めて見てびっくりした。肉眼で見れ ることにまず驚いた。エタノール沈澱という言葉も初めてきいた。ますますDNAに興 味をもった。(工学部)

・DNAの実物を初めて見た。意外と簡単に実態化出来たので驚いた。また、あの状態でずっと保つ事ができ、本当にDNAは安定な物質であるのだということが分かった。マウスのDNAを取り出すために、尻尾の先を切る事を想像するとむず痒くなった。痛そうだ。私のDNAも見てみたいと思った。(工学部)

・DNAを実際に見るのは初めてでとってもわくわくした。資料集などで見てても実際みるのとでは大違いだった。エタ沈だったからか、たくさんのDNAが絡まったからか、結構太かった。あれは、DNAだけじゃなくたんぱく質もついていたのかな? あの白いものに形質を決める「遺伝子」が詰まっているなんて。。。 すごいと思った反面すこし悲しくもなった。  友達には生物科学科なんだから遠慮しろよ!って、いわれたけどマウスDNAもらちゃいました(笑) 家に帰って大人気なかったと反省したけど、興味あるから仕方ないって納得しました♪ (理学部)

・思ったよりもろそうだというのが率直な感想だ。水に解けやすいというのも意外だった。DNAと聞くとよく教科書などに載っているモデルを連想していた。あんなひょろっとした中に私たちの身体のいろいろな情報が詰め込まれているとは驚きだ。話を聞くだけでなく実験を実際に見るというのも代わり映えがしてよかったと思う。(教育学部)

・はじめDNAは人間にとって大切で色々な情報がつまっている高度なコンピューターのようなものを想像していました。しかし先週の授業で見た実際のDNAは色が白くドロッとした単純なものでした。本当にこのようなものに物凄い量の情報が正確に含まれているとは信じられなかった。またDNAだけをとりだす技術が以外に簡単だということにも驚いた。(工学部)

・高校の友達が大学のオープンキャンパスで試験管に入ったDNAを貰って来たことがある。その時凄いなぁと思ったが、今回簡単に出来てびっくりした。しかしこの白いふわふわしてるようにみえる物体に色々な情報が詰まってると考えると、やはり凄いものなんだよなぁと思ってしまう。ところで、高校の時に見たDNAも白かったがみんな見た目は同じなんでしょうか?(法学部)

・DNAの実物を見た感想ですが、私は初めて見たので、想像とは少し違っていました。しかし、すごい!これが、私たちの体で最も重要な役割を担っている物なのか、と感動しました。また、あのふわふわした白い物体のどこにたくさんの遺伝情報が入っているのか?と考えると、やはり、DNAはすごいと思いました。また、日頃、実験などをする機会がないので、久しぶりの実験が興味深かったです。(教育学部)

・見た感じは白い繊維状の綿もようであり、とてもあの二重螺旋を思い起こさせる形では有りませんでした。それに、ものすごい小さいというイメージが先行して「目に見える」という事がとても不思議に思えました。(もの凄い数が集まってはいるのですが・・・。)自分自身のDNAを寄せ集めるとどの位の量になるんでしょう?(薬学部)

・DNAを見たのは初めてで、最初に思ったのは、こんなに簡単に抽出できるのでびっくりしました。今では、目に見えないものの研究・勉強をしているので、実際に見れたので良かったです。(工学部)

・DNAを肉眼でああいう風にして見たのは初めてだった。白いモヤモヤしたものが水の中をただよっていた。DNAが肉眼で見ることができるのにも驚いたが、ピペットマンという装置もすごいなあと思った。ちょっとゴツイこまごめピペットの様な見た目なのに、マイクロ単位で計量できるとは。アナログなのに、やるもんです。高そうです。僕は生物科なので、これからこういう実験をやっていくんだなあと思うと、ワクワクしてきます。(理学部)

・DNAといえば、本とかに載っているカラフルならせん状のものを思い浮かべていたけど、実際見てみると白くて、こんなもんなのかという感じだった。卵白をお湯にいれたときの固まりかたと似ている感じがした。(法学部)

===== レポートについてのコメント (by ARAKI) =====

・ヒトのDNAも見た目はマウスのDNAと同じです。もっと言えば、ハエのDNAもゴキブリのDNAも大腸菌のDNAも同じです。違うのはそこに書き込まれている情報です。しかも、その情報は共通の文法にしたがって書き込まれています。 ・エタノール沈殿を行ったマウスDNAを、多くの人が喜んで持って帰ってくれたので、嬉しく思いました。約70%エタノール(消毒液と同じ濃度)に浮いている状態ですので、室温で保存しても腐ることはありません。また、講義中に話した様に、タンパク質分解酵素で処理した後、フェノール・クロロホルム処理という方法で精製していますので、白く見えているのはほぼ純粋なDNAです。
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