2003年度 レポート第8回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2004年 5月 5日作成

2003年度 生命科学G レポ−ト第8回(2003年12月 3日実施)回答集

[ テーマ ]オーダーメイド医療への期待

[ 回答 ](全12人)

・「オーダーメイド医療への期待」という事ですが、一人一人の特性に合わせた診療が出来るのはとても素晴らしいことだと思います。無駄な投薬等を避ける事で、なる必要の無かった副作用に苦しむ事が無くなるのですから。しかしやはり個人情報の流用が問題となりそうな気もします。そういった事態への体制が早く確立し、医療現場でオーダーメイド医療が施行されることを期待しています。(教育学部)

・オーダーメイド医療が可能になることで、患者さんにより適した治療、副作用の少ない治療をすることが可能になり、まさに理想的なことであると思う。しかし、それが実現するためには、より多くの遺伝子の解析を進める必要がある。そのためには、多くの人に協力してもらう必要がある。とはいえ、現在のように遺伝子の扱いについてきちんとした取り決めの無い状態であれば、大変危険であると言わざるを得ないだろう。いかに病気が遺伝的要因だけで決まるわけではないと言っても確率が高いというだけで、悪用するには十分であるからだ。これからまず、きちんとした枠組みというものを作って欲しい。そして、全ての人が満足できる治療が行われるようになることを望むばかりである。(医学部)

・本来オーダーメイド医療というものが自然に行わなければならないと思う。今後これにより無駄な投薬もなくなり人にたいしてとてもいいと思う。(工学部)

・病院で貰った薬があまり効かない、という話を耳にすることがあります。病気にかかった際に自身に専門的な知識がない以上、頼りにするのはやはり医師であるわけですが、当然、医療にもその時代その時代に限界があるはずです。レディメイド医療と呼ばれているのもそうなのではないかと思いました。個人をDNAレベルで判別する技術が確立されていない時代に「個人で病気のかかり易さや治り難さなどは違うのだから、それぞれに応じた治療法を求める」などといっても、それは無理な話です。ですが、現在の進んだ技術では以前は無理だったことでも可能にできるはずです。今まで私も、「患者」というより「病気」別に対処をする医療に対して、特に疑問をもつことはなかったのですが、資料中の例などを見ると、やはりいつまでもこのような形式であっては、医学の進歩などいえるはずもなく、治るはずの病も治らないかもしれないと思います。また、一般人から見れば十分発達したように見える現在の医療技術も、更に進むべき道があり、更なる改善の余地があるのだと感じました。医学が進歩し、より詳細な部位や些細な違いに注目するようになっていく過程では当然のように通るべき道であり、避けられない道なのかもしれません。患者にとっても、学問としての医学にとっても有益といえるでしょうから。資料中では、オーダーメイド医療とレディメイド医療を比較して書かれていましたが、近い将来、そのような区別もなくオーダーメイド治療であることが「当たり前」になっていることを期待したいものです。(法学部)

・この前トクダネというニュース番組で、自分の体質(薬に抵抗があるかどうかなど)がすぐわかる検査紙のことが取り上げられていました。それが実用化出来れば個人個人の状況に応じた医療が可能となり、医療の質は飛躍的に高まるものと思います。今はまさにオーダーメイド医療の実現が見えてきている時代だと言えるでしょう。(医学部)

・例にもあったが、癌と診断されたからといってみんながみんな全く同じ癌を抱えているとは限らない。このオーダーメイド医療がもし実現したら、その人の体質に合わせて的確な治療をうけられるだろうし、必要でない薬を投与されることも少なくなるだろう。そういう意味ではきめが細かく、理想的な医療といえるだろう。私たちの薬や医療に関する考え方も大きく変化するだろう。しかし、そのようなきめが細かい医療は前に勉強した遺伝子診断の問題と結びつくことも考えられる。資料には理想的な医療のように書いてあったが、その点に注意すべきだと思う。(文学部)

・現在の医療の中では副作用による被害やその人の体質に合わない薬を投与し死亡するといったようなことが起こっている。オーダーメイド治療に必要最小限の治療で済むようになればそういったことも減るだろう。(法学部)

・同じ診断名や類似の症状の病気でもそれを引き起こす原因は同じではないので、それを明らかにし個人個人にあった治療をするオーダーメイド医療はすばらしいと思います。ただしそれを行なうために必要な個人の遺伝情報の扱いには当たり前ですが注意しなければなりません。あとオーダーメイド医療が実際行なわれるようになった場合やはり普通の治療よりも多少高額になるのかが疑問な所です。ただそれをさしひいてもオーダーメイド医療にはかなりのメリットがあると思います。(工学部)

・オーダーメイド治療というのは画期的なものであると思う。たしかに個人の遺伝子レベルで調べれば、副作用などもなくなり、より適切な治療が可能であろう。しかし、遺伝子レベルで調べることによって、コストの面で高くなってしまうのではないだろうか?(法学部)

・オーダーメイド医療は本当に望ましいものだと思う。やはり薬に対する反応などは人により違いが生じる。特に抗がん剤などよい例である。よりよい治療を行うにもやはり有効なものであろう。しかしその遺伝情報に対するセキュリティはしっかりしなければならない。これが漏れてしまうと究極の個人情報の漏洩となる。(法学部)

・オーダーメイド医療は全ての病院で当然あるべきものにならないといけないと思う。(理学部)

・「オーダーメイド医療」は個人に対して有効な治療が行え、かつ副作用等の危険も軽減するのでとても良いと思うが、やはり個人情報の流出などの問題もあるので、法律体制が整ってから「オーダーメイド医療」を行うべきであると思う。(法学部)

===== レポートについてのコメント (by ARAKI) =====
・既にいくつかの癌については、オーダーメイド医療が始まっています。一般的な治療法になる日も、そう遠くないかも知れません。
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