2006年度 レポート第9回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2007年 9月06日更新

2006年度 最前線の生命科学C レポ−ト第9回(2006年12月06日実施)回答集

[ テーマ ]「遺伝子組換え食品はなぜ嫌われるのか?」

[ 回答 ](20人)

・遺伝子組換え食品を自分は食べてみたいとは思いません。生産者の視点から見れば害虫に強く農薬を与えても枯れない作物は魅力的だと思いますが、一般の方の遺伝子組換え食品に対する不安はまだ大きいのが現状です。噂では、発育が悪くなる、アレルギーがでるなど言われていますが、それだけが原因では無いとも思います。試験管の中で作られたものを食べる気にはなれないのが正直な気持ちです。(工学部)

・遺伝子組換え食品が嫌われる理由の一つに、組み換えた遺伝子の人体に与える影響に対する不安があると思う。この不安は、今までは受粉のみを人の手で行い、遺伝子の組み換えは自然に任せていたが、遺伝子組換えでは遺伝子のレベルまで人の手で組み換えていることが原因の一つになっている。また、この講義を受けて初めて知ったことだが、遺伝子組換え食品では、交配を用いて行う品種改良ではできなかった種を越えた遺伝子を食品に組み込むことが出来ると言うことも、不安の原因になっていると思う。
しかし、今のところ日本では遺伝子組換え食品による大きな問題は出てきていない。また、日本政府による安全の保証もされている。それにもかかわらず遺伝子組換え食品が嫌われているのは、今まで問題が無くても、これから問題が出てこないとは限らないこと、安全の保証をされても、それを信用することが出来ないからだと思う。
 他にも、遺伝子組み換え食品の遺伝子を組み換える目的が、「生産性が上がる」「害虫に強い」など、生産者には有益でも、消費者からみるとあまり有益でない理由で行われている事も、嫌われる(好まれない)理由の一つであると思った。(工学部)

・「よく分からないから」というのが一番の理由だと思う。自分の分からないものが良くないものであれば、自分の方がが正しいと安心するからだ。また、マスコミ等が危険性を過剰に報道したため(報道した内容が本当であるかどうかは別として)、それを鵜呑みにして嫌っている人も多いだろう。
 分からないから嫌だ、ではなく、分からないのなら行動して、自分で納得するまで調べてみることが大事だと思う。(工学部)

・僕は遺伝子組換え食品に対して何も抵抗なく生活していました。講義を受けても全然安全みたいで食べても大丈夫でした。しかし、嫌う人はたくさんいると思います。とりあえず自然のままのものがいいという人々の勝手な思い込みがあると思います。添加物をはじめ、野菜は無農薬、牛乳は成分無調整などなにか人の手が加わったものを嫌う傾向がこの遺伝子組換え食品にも影響しているのだと思います。(工学部)

・遺伝子組換え食品を嫌っている人は多いと思う。ただし、嫌っていると言う人の中には遺伝子組換え食品についてあまり知らない人も多いのではないだろうか。遺伝子組換えと聞いて、その食品を摂取することで体調不良または遺伝子に異常が現れるという先入観が生まれているのではないかと思う。もちろん、組み換える遺伝子次第では身体に異常が起こるのだが、そういった事態にならないために入念な審査が行われてはいる。100%とは言えなくても、安全性に関してはかなり追及されたものであるということは知っておきたい。しかし、故意に身体に異常が起こるような遺伝子組換えをやろうと思えばできることなので、そういった点で信用できないという理由で嫌っている人もいるかもしれない。そう考えるのはしかたないことかなと思う。(文学部)

・遺伝子組換え食品が嫌われる理由は多くの人が遺伝子技術に対する理解をほとんど持っていないためだと思います。遺伝子技術を学ぶ機会もあまりなく、遺伝子技術を学んでも難しくてあまり印象には残らない。そのため遺伝子技術に対する苦手意識をもち、無意識に組み換え食品を嫌うのだと思います。
 また、遺伝子を組み換えるということは自然の摂理に反すると考える人は当然遺伝子組換え食品を嫌うと思います。(工学部)

・私は遺伝子組換え食品は嫌ってないのでよく分かりませんが、もし嫌われる部分があるとすればその食品の安全性の問題だと思います。やはり未知の食べ物よりも今までの食べ物の方が安全だということだと思います。しかも遺伝子組換えについての情報が一般の人々にちゃんと行き渡ってないような気もします。(薬学部)

・私は遺伝子組換え食品が嫌われるのは安全性が確認されたとしても遺伝子が突然変異して何らかの害を生じてしまうのではないかという不安がまだ在るからだと思う。また遺伝子を作為的に組み換えるといった行為そのものがそのような不安を一層強くしているのではないのかと考える。(教育学部)

・わたしは、絶対安全で普通のものに劣らない味や見た目ならば、遺伝子組換え食品を食べてもいいかな、と思う。でも、「絶対安全」と言われても、何となく不安が残る。それは遺伝子組換えというものが品種改良をショートカットしたようなものだと言われてもだ。意味は分かるけど、そこに偶然がない、明らかに人の手が加えられていることに不安を覚える。(文学部)

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 この世界に「絶対安全」な食品はありません。どんな物でも人によってはアレルギーの原因物質である可能性がありますし、少量なら問題なくても食べ過ぎるとおなかをこわす物もあります。遺伝子組換え食品についての知識(正確な知識)が人々に理解されていないという意見に賛成します。「絶対安全」ではなくて、「通常の食品と同様に安全」かどうかを問題にしなければなりません。しかしながら、たとえ「絶対安全」でも不安が残るという意見は重要ですね。遺伝子組換え技術そのものに関する不信感を解消するにはどうすれば良いのか、真剣に考える必要があると思います。 (コメント by 荒木)

・私は、遺伝子組換え食品についての知識(正確な知識)が人々に理解されていないことが原因の一つとして挙げられると思います。安全性審査が本年から義務化されたことや遺伝子組換え食品には表示が義務付けられていることなどが知られたり知られていなかったりして、私たちが安心できる部分と疑問がある部分とが混在しているのだと思います。このままではこの食品に対して抵抗を感じるのは当然だと思います。(教育学部)

 
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 遺伝子組換え食品についての知識(正確な知識)が人々に理解されていないという意見に賛成します。(コメント by 荒木)

・「遺伝子組換」という言葉に人工的なものを感じる。その工業的な響きを持つものを摂取するのは抵抗があるのかもしれない。
 また、遺伝子組換え食品はまだ開発されたばかりなので、安全だと言われていても将来的な影響はまだ未知数だ。たいして変わらないのならばオリジナルの食品を買いたくなるのも無理はないだろう。(薬学部)

・一般的に遺伝子をいじるということに対して根拠のない抵抗がある。これはクローンなどから来る概念だと思うが、やはりもっと遺伝子組換え食品が安全だということを宣伝していくことが必要だと思う。(工学部)

・遺伝子組換え食品が嫌われているのは遺伝子というものが生物のもとになっているものだし、それをいじくるのは怖いという認識があるからだと思う。また、無農薬のものを農薬を使ったものよりも大衆が好むのと似たような理由ではないかと思う。(薬学部)

・私自身、遺伝子組換え食品を食べる事には少し抵抗がある。それはやはり安全性の問題だ。色んな細かい検査を経て出荷されるのは前回の授業でわかった。しかし普通の食品に比べたら危険なような気がする。なぜなら日本の食品は輸入品がとても多いからだ。アメリカのBSEの問題が今も続いているように、はっきり言って外国、特にアメリカの食品は信用できない。どんなに言っても検査をごまかす事がよくあるからだ。学んだような国際的ルールがもっとしっかりできるまでは不安は消えないだろう。
 また、国内の遺伝子組換え食品でも不安な点はある。それは、食品の弱い性質の一つをのばすかわりに、いい性質を落としてしまう事があるのではないかという事だ。そういう事があっては遺伝子組換え食品のいい所がなくなってしまう。ただ食べ物がなく困っている人がたくさんいる。そんな人たちに食品が行き届くようにもっと安全で、信頼できる遺伝子組換え技術に高めてほしい。(文学部)

・私は遺伝子組み換え食品が嫌いだ。なぜなら遺伝子組み換え食品というのは人類の初めての試みだから、私の子孫に必ずしも影響がないとは言い切れないのではないかと思うからだ。一般の人は遺伝子を操るというその行為自体に抵抗があるのではないかと思う。遺伝子というものは生まれながらに持っているものだからそれを操作するということはやはり抵抗があるんだと思う。これらの理由から遺伝子組み換え食品は嫌われるんだと思う。 (教育学部)

・遺伝子組換え食品が嫌われているのは、やはり世間のイメージが原因であると思う。遺伝子組換えと聞くと、同様に遺伝子を操作するクローンと同じイメージを思い浮かべてしまう。そして、倫理的な観点から「クローンはダメだ。同じように、遺伝子を操作する遺伝子組換え食品も食べない方がいい。」と多くの人が敬遠してしまうのだと思う。また、アメリカのBSE問題でも、きちんと検査がなされていないという報道を受けて、遺伝子組換え食品も検査されているか不安になるのだと思う。これらを解消するために、遺伝子組換え食品の安全性や検査の的確さなどをテレビや講演などで世に知らせていくべきである。時間はかかるかもしれないが、それが最も有効な手段だと思う。(教育学部)

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「クローン技術」と「遺伝子組換え技術」は違います。基本的に、クローンは元の生物と同じです。つまり、遺伝子はそのままです。もちろん、遺伝子治療などと組合せて用いることは可能ですが。しかしながら、あなたと同じ様な認識の人が、むしろ一般的なのだと思います。そこに問題があるかも知れません。 (コメント by 荒木)

・僕自身も納豆などを買う時、「遺伝子組換え大豆を使っていません」と表記してある納豆しか買わないがそれがなぜかと言えばあまり明確な理由はない。ただその『遺伝子組み換え』というものが自然のものではないということにみんな抵抗を覚えるのかもしれない。 (教育学部)

・植物×植物というふうな遺伝子組換えならまだわかりますが、植物×動物の遺伝子といった遺伝子組換えはあまりにも不自然な感じがするからだと思います。豚×ほうれん草の遺伝子組換え とか聞いたことがありますがなんか気持ち悪いです。(教育学部)

・遺伝子組換え食品はなんだか恐いです。組換えた食品はそのほとんどが問題がないでしょう☆だけど100%そうかといえばそうじゃないでしょう。だから嫌われるんだと思います! (教育学部)

・まだ安全性が十分でないからだと思う。無農薬野菜が好まれるように自然のままが1番安心というイメージがあるし、安心出来ないと怖い。さらに食べ物となると直接体に影響を与える。しかし、安全性を高めると遺伝子組み換え食品も認められていくと思う。(教育学部)


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