2007年度 レポート第9回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
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2008年 7月26日更新

2007年度 最前線の生命科学C レポ−ト第9回(2007年12月 20日実施)回答集

[ テーマ ]遺伝子組換え技術の食品への応用に 賛成か反対か

[ 回答 ](全22人)

賛成(5人)

・スーパーに売っている大豆食品には全て『遺伝子組み換えでない大豆使用』というラベルが貼ってあり,そのために一般の人々には『遺伝子組み換え大豆は体に悪い』という概念が浸透している。
 しかし、遺伝子組み換え食品が人体に悪影響を及ぼすかどうかについては,未だに明白な結論が出ていないことに驚きました。もし遺伝子組み換えの安全性が確立されれば、特有の土地でしか育たない食物を世界各国で生産することも可能になるのではと思います。
 よって僕は遺伝子組み換えの食品応用に賛成です。 (工学部)

・私は、遺伝子組換え技術自体は素晴らしい技術だと思います。本来持っていなかった形質を持つようになり、しかもそれで害虫に強くなったり、日もちがよくなるのだから、それを可能にする遺伝子組換え技術は素直にすごいと思います。
 しかしながら、遺伝子組換え技術で作られた作物に対する反対の声や不安の声が多く聞かれるのもまた事実です。
私は、遺伝子組換え技術の食品への応用には基本的に賛成ですが、そこには、徹底的な安全性が求められるべきだと思います。人への害がないことを調べることはもちろんのことですが、生体系への影響も綿密に調べていく必要があるのではないかと思います。
 そうやって、何世代もの月日を経て安全性を確かめてから、応用食品が出されるべきだと思います。ただ、具体的にどのくらいの期間たてば影響が出るのか分からないのでそこの線引きが難しいとは思うのですが、それをどうこう言っていたら、今ある食品添加物などにも同じことが言えるのではないかと思います。
 よって、私は遺伝子組換え技術の食品への応用に賛成で、これからますますそういった技術が発展していってくれたらいいと思います。 (医学部)
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   立派なレポートだと思います。 (コメントby 荒木)

・私は賛成です。遺伝子組み換えの食品への応用は食料自給率の低い日本や貧しい国々では素晴らしい技術だと思います。 (医学部)

・自分は遺伝子組換え技術を食品へ利用することに対して賛成です。なぜなら、遺伝子組換えで作った方がいろんなことに左右されずに食品を作り出すことができると思うからです。 (医学部)

・私は良いと思います。これから人口は、増加する一方なので本当に安全が保障されるものなら遺伝子組換え食物を用いることは、これから将来役に立つものだと思います。 (工学部)

反対(13人)

・遺伝子組換え技術の食品への応用には、消費者側に立って考えてみると私は反対です。その一番の理由としては安全性に欠ける部分が存在するからです。食に対して安全性が欠けているのは大きな問題点であるからです。このような考え方自体は悪い事ではないのですが不安が取り除けない限り商品としての問題はなくならないと思います。  しかし、研究者側に立って考えるとこのテーマに関して興味があるものだと思います。 (工学部)

・私は遺伝子組み換え技術の食品への応用に反対です。まだ明確に安全といえないにも関わらず、安全性検査システムは不十分であるからです。このような食品を食べた直後には何も問題が無いとしても、将来的に何かの病気の発症につながらないとは100パーセント言えません。食べるということは人間が生きていくために必要なことです。そのため、味や見た目とりもまずは安全性が一番重要なので、100パーセント安全とは言えない遺伝子組み換え技術の食品への応用に私は反対です。 (工学部)

・私は遺伝子組み替え技術の食品への応用には反対です。第一食品の遺伝子を操作すること自体危険だなと思います。そして遺伝子操作をしたあとにどんな変化が起こるか予期できないものを口にいれるとは危険だと思います。自然のものを食べるのが一番だと思います。事故がおこってからは遅いです。 (工学部)

・結論、反対です。
 本課題で多少調べましたが、どうも大変な問題を内臓している課題ではないかと思いました。  大豆、とうもろこしでは、米国を先頭に既に相当のシェアで生産され、その動機として、開発企業は、表面的には世界規模での飢餓への対応、効率的食料増産を謳い、そのために、除草剤や、害虫に抵抗力ある遺伝子加工、さらには、不耕起栽培、旱魃耐性、含有栄養素の増量、減量など、の研究、開発にも取り組むと表明しています。
(特許権を利用し独占的に)   生物多様性や自然生命力を踏みにじり、安全性の問題も未解決(と思います)のまま、個別企業、国の利益追求に現代先端科学を利用しているといわざるを得ません。
 しかも、実行の先頭部隊は、米国の農薬や薬品製造の大企業、大資本です。 私は反米主義者ではありませんが、いくつかの米国の世界的政策に拒否反応を持っています、特に大資本と絶大な軍事力を背景にした世界制覇、虚偽の情報でのイラク侵略、巨大マネーによる金融かく乱(サブプライム問題も)、地球温暖化問題への消極姿勢などなど、民族の多様性さえ蹂躙していると思います。
 話しがそれましたが、本件問題も米国との貿易問題、政治問題を不問にしては議論が一面的になると思います。
 食糧問題で言えば、自給率向上と安全な作物の観点から、組み換え食品や飼料の輸入に頼らず、多様で美しい日本の国土、水、空気、森林をこそ頼りにして増産する政策が必要ではないでしょうか。(生涯学習)
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   立派なレポートだと思います。また、内容に関して、私も全く同感です。 (コメントby 荒木)

・私は遺伝子組み換え技術の食品への応用には反対です。グリーンピースの資料にあるように、アレルギーや、毒性を引き起こす可能性があるにもかかわらず、検査がいい加減なのが納得いきません。薬品なら可能な限り厳密に検査するのに、なぜ食品はいい加減なのでしょうか。薬は使う人と使わない人がいますが、食品は人類皆、摂取するものです。もっと厳密な検査を行うべき だと思います。ゆえに現状の検査体制のままなら、食品への応用はすべきではないと考えます。 (工学部)

・私は遺伝子組み換え技術を食品に用いることは反対です。
食の安全性を守っていくために、こうした技術は必要ないと思います。それより、無農薬野菜など安心して食べることができる食品を作っていってほしいです。 (医学部)

・遺伝子組み換え技術の食品への応用について、僕は反対です。長期的な検査がないことと、想定されていなかった事態が起こりうるかもしれないからです。完全に安全とわかるまでは食品に応用すべきではないと思います。それに遺伝子組み換え食品を長期にわたり食べ続け、体に異常が起こった場合、人体実験をやらされているような気がして食べる気になれない。この間テレビで遺伝子組み換えによる毛のない鳥というのが紹介されていた。正直気持ち悪かった。 (教育学部)

・私は遺伝子組換え技術を食品に応用することには反対です。しかし自給率の低い日本では遺伝子組換え等を行っていかなければならない現状もあるので仕方ないことなのだとも思います。 (医学部)

・私は遺伝子組み換え食品への応用に反対です。安全性検査システムが不十分であるからです。遺伝子組み換え食品を食べたすぐに悪影響があるかもしれません。食べることは人間の生活に必要不可欠なことです。食品が安全であることはその第一だと思うからです。 (工学部)

・私は遺伝子組み換えの食品への応用に反対である。
 なぜなら、まず第一に人が食べて安全だという実証ができていないためである。
遺伝子組み換え食品を食べ、すぐにアレルギー反応を起こす人もいるかも知れないが、時間が経過するにつれて症状が出る人もいると考える。そうすると、何が原因だったのかを特定できないという事態が起こりかねない。
 また、遺伝子組み換え食品技術を応用していくことによって、もともと自然界にあったものが遺伝子組み換えされた強いものに悪影響を及ぼされ、自然界のバランスが崩れる可能性もあると考えられる。そして、このバランスの乱れは必ず私達人間にも多大な影響をもたらすと考える。 (医学部)

・遺伝子組換え技術の食品は危険かどうかはわからないけど、消費者からすれば、危険な感じがするので、反対です。 (工学部)

・私は遺伝子組換え技術の食品への応用には現時点では反対です。
 生命に害があるかもしれない遺伝子組換え食品を市場に出回すのはあってはならないと思います。
 遺伝子組換え食品をわざわざ食べなくても、地球上にある食べ物は足りていると聞いてます。
 もしこれから食べ物の全体量が不足する事態がおこったら安全性などといっている余裕がないので、遺伝子組換え食品をとり入れるしかないと思うのですが…
 その時に備えて、研究を行うのだけは奨励すべきだと思います。 (医学部)

・以前にテレビで、虫も食べない食べ物を人間が食べられるのか?と言っているのを聞いたことがあります。そのイメージもあって、私は組み換え食品を食べたくありません。 (工学部)

どちらでもない(4人)

・遺伝子組換え技術の食品への応用に賛成か反対かという質問には遺伝子組換え食品の安全性について信頼することができるかできないか自分で考え判断して食品を選ぶか選ばないかの段階まできていると思う。そのためには食品表示を正確に公表してあるということが大前提であるが。個人的には本読んだりしてみると確かに使う農薬の回数は減るようだがそれも特定の企業から種を買ってその企業が販売している農薬をまくということのようだが。そこにも矛盾を感じる点ではあるが。自然界で生まれた植物でなく人間によって化学的に作り出されたものであるから人間の体にどういう影響があらわれるかわからないなど恐い点もある。遺伝子組換えによってつくられた植物であるトウモロコシの葉などを特定の虫が食べるとしんでしまうという、その虫だけに効果があらわれるというがやはり恐怖を感じる。個人的には口にはしたくないと思う。地球が人間によって環境が変わるなかでその気候でも生産できる作物の研究は急がれると思うのだが。 (生涯学習)

・遺伝子組み換え技術の食品への応用について賛成か反対かは、どこまで食品を遺伝子組み換えによって改良することができるのかということによると思います。もし、遺伝子組み換えによってより簡単で大量に生産できる食品ができるなら遺伝子組み換えを食品技術に応用するべきだと思います。特に日本は若者の農業離れや食料自給率の問題もあるので遺伝子組み換え技術によってそれらの問題の解決につながるのならするべきだと思います。ただ、講義でもあったように法の規制はもっと厳重にするべきだと思います。確かに遺伝子組み換え食品はまだ安全性が疑わしいという問題点もあると思うけど、特に日本は遺伝子組み換え技術の実用化までとは言わなくても遺伝子組み換え技術の研究自体はもっと進めていくべきだと思います。 (工学部)

・基本的には反対だ。遺伝子組み換え技術によって作られる食品は、農薬に強かったり虫を寄せつけにくいようになどという理由で作られると聞いた。すると、それを人が食べても安全なのか、生態系に影響はな出ないのかなどと不安思うことがあまりに多いからだ。
 しかし、いい面もあるとは思う。以前本で読んだのだが、その例が花粉症緩和米である。花粉症の症状を抑えるためには、花粉症のシーズン前やシーズン中に薬を飲み続けなければならない。また、花粉症体を治す治療法もあるようだがいろいろな問題があって普及していないらしい。そこで毎日花粉症緩和米のご飯を食べることで花粉症の症状を和らげることができるようにしようという取り組みが進められているらしい。ただ、花粉症緩和米が将来人体に悪影響をもたらさないか、栽培時他の田に影響が出ないかなど問題はたくさんあると思う。それに商品として売るのか薬として処方するのかなど意見も分かれると思う。問題を克服していく必要があるが、実現すれば本当に花粉症で悩んでいる患者さんにはすごく魅力的なことだろうと思った。 (医学部)
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   遺伝子組換え食品は、病害虫対策や生産コストダウンを目的とした第1世代の遺伝子組換え植物から、高機能を目的とした第2世代の遺伝子組換え食品に研究開発の焦点が移っています。「花粉症緩和米」もそのひとつです。
 お米に関しては、体内でビタミンAになるβカロチンの合成に関わる遺伝子を導入した「ゴールデンライス」の開発も進められています。これは、世界中で毎年250万人が死に、50万人が盲目になっているビタミンA欠乏症への対策として、フィリピン、ベトナム、インド、バングラデシュ、中国、インドネシア及びドイツ・スイスの研究者による「Golden Rice Project」が行っています。残念ながら、このプロジェクトに日本はあまり関わっていないようです。 (コメントby 荒木)

・賛成か反対かどっちとははっきり言えません。光合成の遺伝子をC3からC4に変えて農業生産率を高くするなどには賛成ですが、植物を食べた虫が死んでしまうような遺伝子変換は賛成し難いです。 (理学部)


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