優秀作品(3)

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健

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2008年 2月18日更新


『イヴの七人の娘たち』(医学部)

(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
 ”ミトコンドリアDNA”というものはどういうものかと関心があったため。

(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
 人種や民族のつながりは、どの遺伝子が優位であるかどうかで決まっているのではない。偶然や運命により、人々はつながり、繁栄していっている。

(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
 私はこの本を読むまで、ミトコンドリアの本当の働きを知っていなかったということに気付かされた。ミトコンドリアはエネルギー代謝を行うのに不可欠な存在、人間が今、生きていくのに書かせない物質であると考えていた。しかし、この本の中で、ミトコンドリアに刻まれたDNAには、これまでの人々のつながり、歴史的背景までもが解き明かされることができる鍵になっているというのだ。そして、ミトコンドリアDNAは、母親のみからしか受け継がれない。本を読めば読む程、人類の謎というのは深まるばかりであった。この事がもっと早く分かっていれば、人種間の争いや差別はなくなっていたのだろうか。少なくとも、数は減っていただろうが、現在も争いや差別がなくなってはいない事が事実である。
 ”最先端の科学技術”とは大変すばらしいものである。これにより多くの命が救われ、これまで未解だったものが明らかにされていく。しかし、その一方で、私たちの選択権は広がり、より優秀なものを残していこうとする流れがあるのではないかを感じる。それは遺伝子組換え技術であったり、出生前診断があげられる。この本であったように、かつては偶然や運命により、子どもが産まれ、子孫が繁栄し、様々な歴史が刻まれていく。そうした、プロセスがなくなっていくのではないかと思う。技術の発展から生じる問題や今だに続く争いも、結局のところ、私たちの考えや価値観が大きく影響していると考える。私たちは、同じ土台の上で共に生き、互いを受け入れ合いながら発展していっている。このことを念頭におき、生きていく必要があると考える。私はこの本を読んでさらに共に歩んでいく必要性を感じた。そして、このような、人類のつながりをより多くの人々に知ってほしいと思う。


*****2007年度・優秀作品*****
冬休みの課題レポート・2007
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