2008年度 レポート第5回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2009年 9月30日更新

2008年度 最前線の生命科学C レポ−ト第5回(2008年10月30日実施)回答集

講義時間中に提出

[ 回答 ](全54人)

  今回、「PCRの原理」を説明しました。テキストを見ながら、以下の質問に答えて下さい。選択肢があるものに関しては、適当なものを○で囲んで下さい。
1)DNAは5’→→→→→3’という方向性を持った鎖が、逆向きに2本結合して、2重らせんを形成しています。この2本の鎖の結合は水素結合に基づいており、相補的塩基対と呼ばれています。2本鎖DNAを94℃に加熱すると、水素結合が切れて1本鎖になります。ここは理解できますか?

 [よく分かる(35)・少し分かる(15)・よく分からない(4)・全く分からない(0)]
2)プライマ−と呼ばれる短い1本鎖DNAは、温度を55℃に下げると、変性して1本鎖になった鋳型の相補的な部分に結合(アニ−リング)します。増幅したい部分の外側(両端)にセンスプライマ−とアンチセンスプライマ−を設定します。ここは理解できますか?
 [よく分かる(17)・少し分かる(24)・よく分からない(12)・全く分からない(1)]
3)温度72℃の条件で、DNAポリメラ−ゼは、2本の1本鎖DNAを鋳型として、それぞれ5’→3’の方向へ新しいDNA鎖を合成していきます。その結果、プライマ−の位置から始まる部分的2本鎖DNAが2本出来ます。ここは理解できますか?
 [よく分かる(32)・少し分かる(20)・よく分からない(2)・全く分からない(0)]
 ※なぜDNAポリメラーゼが5’→3’と一方向にしかDNA鎖を合成しないのかがわからない。
 ※コピーする時ミスしたりしないのだろうか?
4)再び94℃に加熱すると、2本鎖DNA2本は1本鎖DNA4本になります。ここは理解できますか?
 [よく分かる(40)・少し分かる(10)・よく分からない(4)・全く分からない(0)]
5)さらに55℃、72℃と温度を変化させると、1サイクル目に合成された鎖が鋳型になった場合は、センスプライマ−からアンチセンスプライマ−までの長さだけ、新たな鎖が合成されます。つまり、2サイクル目に新たに合成された鎖の中には、目的とするDNA断片が出来たことになります。ここは理解できますか?
 [よく分かる(26)・少し分かる(20)・よく分からない(7)・全く分からない(1)]
6)このサイクルをN回繰り返すと2N倍に増幅されることになります。つまり、2サイクルで4倍、3サイクルで8倍、10サイクルで約千倍、20サイクルで約百万倍に増えます。ここは理解できますか?
 [よく分かる(46)・少し分かる(6)・よく分からない(1)・全く分からない(0)無回答(1)]
7)あなたは、この講義で、PCRの原理を理解できたと思いますか?
 [理解できた(21)・少し判った様な気がする(32)・よく判らない(1)・全く判らない(0)]
8)PCR法の普及によって、ごく微量のDNAからもDNA増幅が可能になったので、従来は考えられなかった「生物遺体」からDNA試料を得て解析できる様になりました。このような試料をその古さにかかわらず「古代DNA(ancient DNA)」と呼びます。さて、もしあなたが生物学者(あるいは、考古学者、人類学者、天文学者、文学者、経済学者、・・・)だったら、PCR技術を用いて何を解析したいですか?
・恐竜をクローンで作りたい。
・血液検査で病気の原因ウィルスや細菌遺伝子を検出 。
・他の星のもの(石とか?)を調べて地球外生命体がいないか…など。(もしできれば)
・恐竜のDNAの解析。
・地球外にDNAが存在するとしたら、それを調べるのに使えると思う。
・医学の発展に役立つようなことがまだまだ見つかると思うのでヒトのDNAに関することを深く調べてみたいです。
・自分と友人、地球の住人、あるいは外国人、あるいは他の種がどの程度親戚であるのか(あるいはないのか)調べてみたい。
・PCR技術については、高校の頃名前だけ学習しました。今回そのPCRに技術についていろいろと学んで、もし私が生物学者なら、絶滅しそうな生物の遺体からDNA試料を得て解析したいです。
・恐竜、マンモスなどのDNAを解析し、なぜ絶滅したかや進化の課程を知ること。
・匂い関係に興味があるので、フェロモンの解析がしたい。
・高校の生物で鋳型の作られ方など少しは習っていたけれど温度が関わる事を知った。私はカブトガニが好きなので、カブトガニの生命史を追いたい。現存の生き物同士を遺伝子レベルで比べてみたい。ペットの品種改良にも興味があります。
・エジプトに眠っているミイラに利用してさらに古代エジプトの謎を解く。
・生物(植物なども)の発達の歴史を知るために活用したい。
・ジュラシックパークみたいに恐竜を復活させる。恐竜は化石しかないので、実際の色などもわからないので本当の恐竜を解析したい。
・今は絶滅してしまった植物の化石などの一部から、DNAを得て、創薬に役立てたい。
・恐竜などのDNAを解析し、現代の動物等と比較してどのようにタンパク質の構造がちがうか全体としての形がこんなにもちがうかを知りたい。
・例えば何かよく分らないウィルスなどで病気になっている人からそのウィルスの遺伝子を検出して治療に役立てる。
・昔の人の遺伝子を調べてみたいので、エジプトで発見されたミイラなども興味はあります。また、「天才の遺伝子はあるのか」ということで、ケプラーやエジソン、ガリレオ、アインシュタインなどの人も特別な遺伝子があるのかを調べてみたいです。
・青いバラのように、この色は発現されないというような種の花について、色を発現する遺伝子などについて解析したい。
・PCR技術を用いて、人の遺伝的難病を解析に役立てたいです。そういった病をかかえた人がDNA上どこにどのような異常をきたしているのか調べ今後の治療に役立てたいです。
・生物遺体から臓器のことについて調べ、DNA増幅をすることによって、その臓器のクローンを作る。ドナーがいなくてもそのクローン臓器を利用することによって患者を助ける。
・研究対象が人であれば、今のどの国の人達と繋がりが強いかが分るかもしれない。
・化石から何かをつくれるのかを知りたい。
・すでに絶滅した生物のDNAが今少しでも残っているのなら、それを使って絶滅した生物のことについて調べてみたい。
・古代生物の復活。
・アジア系、ヨーロッパ系、アフリカ系の人々の先祖の違い。
・冷凍マンモスのDNAを解析して、現在の象との違いを解析したいです。冷凍されていたものは解析しやすいと聞きました。
・生物学者になったとしたら・・・まだ治療法が発見されていない病気の解析、解析されていない遺伝子の解析
・原始人からの今の現地人までのDNAでのちがいを解析したい。
・リョコウバトなどの絶滅した生物などを復活させる。
・絶滅した動植物の復元。
・DNAを用いた新しい植物(花など)の開発。
・今となっては絶滅してしまった生物の貴重なDNAを増幅して、解析してみたい。
・琥珀などに残っている蚊がすった血を採取することにより、恐竜のDNAの解析を行い、どうして絶滅したのかを明白にしたい。またその生態などを知りたい。
・人類の発生の仕組みについて、人骨(昔の)を用いて調べたい。
・始祖鳥と今生きている鳥のDNAの違い(始祖鳥のDNAがあればの話ですが…)
・恐竜の体色は適当に決めているというので、PCR技術で本当の色を解析したい。
・絶滅した生物のDNAの解析など。
・症状の似た病気について、ウィルスや細菌などの遺伝子を解析し、病気の断定など。
・古代の人類。
・薬学部として考えるならば、最近は、薬草の種も出つくされてきており、より珍種から最新薬を見いだしているらしい。つまり珍種のタンパク質増殖として使いたい。
・私は深海魚にすごく興味があるので、ごく微量の深海魚の手がかりからも、PCR技術を用いてその魚の体の謎や特徴を解析してみたい。
・クロマニヨン人、マンモス。
・遺伝病診断。
・人間。ものすごく大きな家系図を作りたい。
・人間。
・昔の偉人のことを調べてみたいです。PCR技術を用いたら、想像で分ったような気になっていたことも、現実的に分って良いと思います。
・恐竜。古代を支配していた恐竜の生態系をより詳しく調べてみたい。
・恐竜、アノマロカリス、アンモナイト、ドードー、モア、サーベルタイガー、マンモス、類人猿。
猿→類人猿→人類だとしたら、なぜ、猿と人は残っているのに中間は絶滅してしまったのか?
・「月の石」の分析(何かくっついてないのか、とか。)
・自分のDNAと他人のDNAの比較 。
・「ギルガメシュ」のような半神と言われた特異な人の分析。
・絶滅した生物について解析したい。
・恐竜のDNAを解析したい。恐竜の本当の肌の色を知りたい。できれば復活させたい。
・過去に大流行した病(天然痘、ペスト)の病原を解析して、病気の大流行した感染経路や病原遺伝子の変化を調べたい。
・古代の人間やマンモスなどの解析をしてみたい。テレビでやっていた光る魚の解析をしてみたい。
・絶滅した生物のDNAを調べて今いる生物の何と関係があるのかを調べたい。
・時代ごとに見つかった人間の生物遺体のDNAを分析して発現させ、進化の過程を調べてみたい。
・遺伝病を導く遺伝子の同定。
・病原性ウィルスや細菌の遺伝子の検出。
・原始生物の化合のDNA解析。

  目次に戻る
  教育活動
  MASA Home Page
  遺伝子実験施設ホームページ
熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設,
E-mail: www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp