2002年度 教養科目
I 自然と情報  生命科学G
−−夢の技術PCR−−

熊本大学・遺伝子実験施設
  助教授  荒木 正健
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2003年 2月25日更新


2002年度期末テスト

[問 題]

[回 答 ; 全24人]
<反対;6人>
<臓器の印刷は賛成だが人間の印刷は反対;14人>
<賛成;1人>
<どちらとも言えない;3人>

[回答集]


<臓器の印刷は賛成だが人間の印刷は反対>
(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)


回 答 7(理学部)
(A)
 SFの小説やマンガのネタになりそうな話だな、とまずは思いました。なんだか全く実感が湧きません。でもクローン技術などは昔はSFの世界だけの話だったのに、現代では実現できるレベルになっています。そのことを考えると、いつの日か人間の工場なんかができるかも知れません。さすがにそこまでは行かないと思いますが、移植用の臓器がボタン1つで出てくるようになったら多くの人の命が救われるだろうなと思います。

(B)
 僕はこの技術に賛成だ。機械から臓器が出てくるさまはちょっとブキミかも知れないが、実現すればすばらしい技術だと思う。これなら自分の細胞を使うこともできるから、その臓器が合わないということはなくなるし、ES細胞を使う時のような倫理的な問題もなくなる。そして何より必要な時に必要な分だけ造ればいいので、臓器が不足することがなくなる。これはすばらしいことだ。問題として考えられるのは、長生きしようとして身体のほとんどのパーツを取り換えたり、その気になれば印刷で出来た若い身体に自分の脳を移植したりするようなヤカラが出てきそうな事だ。ちょっと前からプチ整形なんて言葉を聞くようになったが、そのうちプチ移植なんて言葉ができるかも知れない。それからこの技術で完全なヒトを造ってしまった場合だ。その人達はどうなるのだろう。身体は大人で頭は赤ちゃんになってしまう。なんか奴隷(もしくはペット)として使われそうだ。やっぱりヒトを造るのはダメだ。でも臓器だけを医療目的で造るのなら、とてもすばらしい技術だと思う。

(C)
 「ただでさえこの地球は人間があふれかえっているのに、これ以上増やすようなマネはよしておくれよ。」

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回 答 8(法学部)
(A)
 細胞を機械から射出して積み上げるだけで血管をつくってしまうなんてすごいと思いました。きちんと血管としての機能を果たすのかが疑問です。
 しかし、機械で人体をつくることに何の利点があるのでしょうか。生殖なしで人をつくりだすことがすばらしいこととは思えません。第1印象として、「このアイデアを思いついた人は、ただ他の人と違うことを思いついて特許をとりたいだけなのではないか。」ということも考えてしまいました。

(B)
 「臓器を印刷する」ということに何の利点があるのかと思っていましたが、いまこの文を読んでわかりました。「臓器を印刷する技術によって、患者自身の正常細胞を用いて作製した臓器の移植が可能になると、患者に合うドナーを見つけることもしなくてすむし、クローン技術を用いる必要はなくなる。」これは大きな利点だと思います。現実にドナーを見つけるのは大変なことで、ドナーが見つからないまま亡くなる人もいるし、移植しても患者にうまくあわないことがあります。患者自身の臓器の細胞を使えば、こういうことはないと考えられるからです。また、クローン技術を用いた場合は患者の命を救うためとはいえ、未完全でも1つの命を犠牲にしてしまうことになりますが、この「臓器を印刷する技術」によって、これを防ぐことが出来ます。
 しかし、この「臓器を印刷する技術」を用いてつくられた「臓器」が正常に機能するかどうかは疑問です。また、機械で人をつくりだすことには倫理的に問題があります。私は、前述したように、臓器移植の代わりにこの技術を用いるのは良いと思いますが、生殖なしで人をつくりだそうという考えには反対です。不妊の人には有効なのかもしれないけど、プリンターで人をつくろうというのは何か気持ち悪い感じがします。「そうしてつくられた子がもしその事実を知ったら」と考えると、良くないと思います。絶対に情報がもれないとは言いきれないと思うのです。それでなくても生殖なしで人をつくりだすことがすばらしいことだとは絶対に思えません。

(C)
 「生殖なしで人をつくりだすことがどうしてすばらしいことなのですか? そうやって生まれてきた子供の気持ちになってみて下さい。」と言いたいです。

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回 答 9(理学部)
(A)
・「印刷」の意味は「再構成」のことなんでしょうか? 細胞は分化してるから、インクのかわりとする生きた細胞は、造りたい臓器をバラシタものじゃないのか? それなら臓器移植にも使えないし、免疫拒絶も起こる。ES細胞でただ増やした細胞であってもくっつけただけでは分化しないだろうに。
・アイデアが大事ですよね。昔の発見をみても「あっ、そっか!!」って実験ですら考えられないから。ただ、それを実現に持っていく努力も評価されるべきで、特許を与えるのをもう少し考えるべきだと思った(ヒトDNA解析の特許取得とかおかしい)。

(B)
 この問題は最後に解くんですか? 問題文の内容が実現可能であるならば、私の感じていた問題は解決される気がする。
 臓器移植においての臓器不足は、これで解決できるし、クローン人間を作って取り出すわけではないのでクローン問題も解決しているだろう。ただ、ひとつ気になる所は「人を創造するのに生殖はいらない」です。臓器だけなら良かったのに人を作ってしまうとなると、その人の元の人のクローンであるから、また問題が起こる。
 私は、この技術を「臓器のみ」造ることに使うのなら賛成です(これは、脳や心臓といったものに人格(?)が無いとした上での考えです)。

(C)
 アイデアとしてはすごいけど、人を創造するなんて言い過ぎでは?
 それがもたらす問題をあなたは考えていませんね?

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回 答 10(理学部)
(A)
 確かに人間を印刷できるような日が来るとは思えないし、人を想像するのに生殖がいらなくなるなんてとんでもないと思った。人の生殖・誕生というのは、神秘的なものであり、生殖というのは、ある意味で人の義務だと思う。それを科学ですませてしまおうものなら、人が人である理由がなくなるというか、生殖により今の時代まで続けられていた生物のつながり、進化が否定されるようでならない。だが、研究者たるものこういった野心というか、目指すべきところを高くかかげているべきでもあると思えた。人は印刷できなくとも、臓器に関してはうまく印刷できるようになって欲しい。クローン人間といい、人間印刷といい、人が人を生殖以外の行為で創造しようという行為に一体何の意味があるのだろうか、と考えてしまうのは自分だけだろうか?

(B)
メリット
・移植における拒絶反応などの心配がなくなり、誰にでもすぐに移植可能になる。
・癌などの細胞の病気への対応策の拡大。
デメリット
・パソコンに細かく条件設定されているものが、コンピューターウィルスやハッキングにより荒らされる可能性

 臓器を印刷する技術さえあれば、メリットで挙げたように、医療が著しく進歩すると思う。現代は癌になる人の割合も高くなり、治療法も難しいと思われる。だが、この技術があればより多くの癌患者だけでなく、移植においてドナー待ちをする必要もなくなるわけである。しかし、移植といっても内蔵に限らないわけで、手・足・目(網膜など)もあるわけで、移植においてはまだまだ不十分なところもあると思う。それに、この技術が導入されたからと言って、一般的治療法として扱われるかは分からないわけで高い技術を要するため、高額な治療代となり、一般の人々には手の出せないものとなってしまう可能性もある。まあこれは、法の力などにより保護されるであろう。しかし、デメリットで挙げたように、近年はコンピューターの成長も著しく、技術者のレベルも上がっていっている。だから、詳細な条件設定が荒らされたりしてしまったら、大変なことである。また、それを盾に、誘拐事件などコンピューター犯罪が増加するかもしれない。このように、実用化のためには、かなりの障害があるとは思うが、この技術がもたらすものは大きいと思うのでぜひとも臓器を印刷する技術が実用化・一般化して欲しいと思う。

(C)
 確かに科学的・生物学的には素晴らしいかもしれないが、人が生殖以外で人を創造してしまったら今までの生物の進化を否定することになるのではないだろうか? 自分が生きていたという証拠を残してこそ、生命・生物としての役割を果たしたということではないかと思う。

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回 答 11(薬学部)
(A)
 本当にそんな単純な発想でつくられた臓器が、生体内で正しく働くのか、不思議で、心配に思いました。「フィフス・エレメンツ」という映画で実際こんな場面(遺伝情報を元にした全身の再生。細胞を積み上げていくところも同じ)が出てきたことがあったので、少々びっくりしました。時間的にも、まさかこの映画から・・・?

(B)
(賛成)・患者の細胞を用いた臓器の移植が可能
    ・ドナーが必要でない=いつでも移植できる
(反対)・印刷された臓器が生体内で正しく動くかわからない
    ・この技術が進んでいった結果、待っているのは結局「人の複製」という問題である。
 上記のような点が論点として挙げられるのではないかと思いますが、やはり賛成の利点として最も大きいのが、「ドナーが必要でない」ということではないでしょうか。現在、各部の臓器移植を待っている人は、不勉強でよくわかりませんが、かなりの数に上ると思います。そんな人達のために、いつでも、しかも拒否反応のない臓器を印刷するという技術は、必要不可欠ではないかと思います。
 逆に反対の論点は、「人の複製、もしくは創造の是非」になると思います。この技術が確立されたとして、研究が進んでいくにつれ、必ず、この「人の印刷」という技術に辿り着くことは、容易に予想できます。その時に、果たして科学者達は正しい判断をできるかどうか、不安が残ります。
 以上の事から、自分としては、「臓器を印刷する」技術に関しては賛成ですが、その技術が、「人を印刷する」技術へと進んでいかないよう、厳しく監視する目が必要だと思いました。また、印刷する技術ですが、正しく動かないものが実際に使われるわけがないので、あまり関係なかったと思います。

(C)
 臓器までなら確かに素晴らしいアイデアだが、人が自らの手で人を遺伝情報から決定して作りだす事は、倫理的に、決して容認できない。

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回 答 12(工学部)
(A)
 いちばん驚くことは生物をパソコンとプリンターという機械によって作り出すということですが、有機物を人間が作り出せるようになってから(確か尿素か何か)あまり時間がたってないにもかかわらず、有機物が複雑に結合しあった臓器等を作り出せるという進歩の早さにも驚かされました。しかしこの記事を読む限り人間の内側(性格・倫理観)は、外部(コンピューターやバイオテクノロジー)の進歩とバランスがとれていないような気がします。「将来は人体だって印刷できるさ。人を創造するのに生殖はいらないんだから、素晴らしいアイデアだろう」・・・・・とても人間の内的なものの進歩のなさを感じる会話でした。

(B)
 賛成か反対かと問われれば、どちらか一方であると言うことは出来ませんが、現に臓器移植を待っている人々がいるということは大きなことでしょう。人の命と倫理的な問題とを比べたとき、私は命に重きを置きたいです。この前も臓器移植(京大でのドミノ移植だったような気がしますが)で提供者の方もかなり危険な状態に陥ったと聞きました。このようなニュースを聞けば、他人はもちろん親類等でもドナーになることを拒否してしまうような状況にもなりかねません。そうなれば患者の多くは移植を受ける前に亡くなってしまいます。もし「臓器を印刷する技術」が実用化されれば、臓器が働かないような病気はもちろん、問題文でも述べられているように癌などの病気の手術後のケア等にも用いられ、とても良いことですが、実際にその臓器がうまく働くのかがとても気になります。自分の細胞を使うのでアレルギー反応は無いと思いますが、細胞同士がしっかり接着しているのかなど、気になることが多いです。またこの技術を使った金もうけや犯罪、そして今、アメリカとイラク間で起こりつつあるような戦争に使われることが考えられます。もしそれで、人間が作られ、兵隊やストレス解消のクローン等が作られれば、我々の人権も脅かされかねません。この技術は多くの議論が必要だと考えます。

(C)
 今の臓器不足に対する需要を考えればとても素晴らしい技術ですが、倫理的な問題があるのではないですか? 慎重にその技術を生かすべきではありませんか? アイデア自体の発想はすごいと思いますが。

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回 答 13(教育学部)
(A)
 人体を印刷するなんて今まで考えたこともなかったので、すごい!というよりもむしろ、驚きです。今は、まだ人体は印刷できないにしても、臓器を印刷することができるとは…。もし、この技術が発達して、本当に人体を印刷することができるようになったら、世界にはコピー人間がたくさん出来るのではないか? コピーするのだから、クローンよりもより似ている、というか全く同じ自分がたくさんいて、自分の知らない所で、自分がコピーされ増えていっているかもしれない、と思うと、すごくおそろしいです。

(B)
 臓器を印刷する技術が確立すれば、医療はめざましく発展すると思います。上に書いているように、クローン技術のように妊娠期間や成熟期間がないため、すぐに移植手術を行えるし、自分の細胞のコピーだから、他人の臓器を移植するのとは違って、拒絶反応もないと思います。また、ドナーを探す手間もはぶけ、現在、ドナーを待っている多くの人たちが助けられると思います。

 しかし、臓器を印刷する技術が確立すると、臓器を印刷するだけにとどまらず、人体を印刷する、ということになりかねないというのも事実です。1つうまくいくと、どうしてもその先を求めてしまいます。人間そのものを印刷してしまうことになれば、今、問題になっているクローン人間と同じ問題に直面すると思います。印刷なので、クローンより、より似ている個体がつくり出されると思います。そうすると、犯罪に悪用されtりしかねないと思います。
 「臓器を印刷する技術」には、良い面も悪い面もありますが、私は、個人的には賛成です。自分がもし胃がんで、胃の3分の2を切除しなければならなくなった場合のことを考えると、自分の健康な胃から、新しい胃を作れるなら作ってほしいと思うと思ったからです。しかし、上に述べたように悪い面もあります。「臓器を印刷する技術」を確立するにあたって、悪用を防ぐためにも法律を作るべきだと思います。そしてきびしい規制をして、出来るだけ純粋に医療に役立てればいいと思います。

(C)
 すばらしいアイデアだけれど、人間を印刷して人間を造っていくと、同じ人間ばかりが増えて、新しい人間ができないと思う。進化していかないから、いつか人間は絶滅の危機にさらされるのではないかと思う。

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回 答 14(薬学部)
(A)
 人体を印刷するなんて、そんなことが可能なのだろうかということと、アイデアにすでに特許をとってから研究するなんてさすがだと思った。  前者に関しては、インク代わりの生きた細胞がどのようにして作られたのかという点に倫理問題が集中すると思うが、これを乗り越えれば、移植医療に大きな貢献ができるだろう。  後者については、研究前に特許をとっておけば、他のチームに先をこされることがないのは、研究者としては嬉しいことだが、開発は遅れるかもしれない。

(B)
 移植医療への応用については、画期的な技術だと思います。倫理問題がES細胞やクローン技術に比べてはるかに少ないし、目的臓器を作るのに要する時間もかなり短縮されると思うからです。ただし、疑問点が一つあります。前述のように、インク代わりの生きた細胞は胚などを必要としないのでしょうか。また、「臓器は血管の塊」などと研究者ともあろう人が言ってしまうのも驚きです。例えば肝臓などは、栄養の貯蔵や解毒、その他たくさんの機能を持っています。  さて、この研究者は怖いことを言っています。人を創造しようというのは、許されることではありません。ディベートの時にもよく言われた、自然と人工技術の境界線を明確に決めるということをまずしなければならないと考えます。  もしも、この技術が現実のものとなれば、胚、脳死、クローンなどのあらゆる倫理問題を乗り越える、移植医療が可能になると期待します。

(C)
 「私はそのようには思えません。臓器を作り出すのと人を創造するのとでは話が違いすぎます。両者の間には、自然と人工技術の境界線が存在します。」と答える。

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回 答 15(工学部)
(A)
 あまりに突飛すぎる話で吃驚したというのがまず第一印象である。なぜならば、今のクローン技術ではまずクローンが胎内で育ちそれから出産という形をとる場合があるが、これは「印刷」であり技術さえ発達すれば人体はすぐに創造できてしまうからである。しかし人体の印刷の話となると、少なからず吐き気をもよおしてしまった。SFの世界にも出てこなかった発想だ。

(B)
 私は、いたって正常な臓器をもっているので臓器が異常な人の苦しみはよくわからない。しかし、そういう人達にとってはのどから手が出るほど正常な臓器が欲しい。「臓器を印刷する技術」が発達したときのことを私は考えてみた。一瞬、東南アジアや貧しい国の人々が自分の臓器を売っているという光景が思い浮かんだ。そうか、こういうことがなくなるから非常にいいことではないかと思った。しかし、それは彼らにとて糧を得るための最終手段である。こういう技術が発達したら自分の臓器はおそらく売れなくなるから結局生活に困る…。ということを考えてしまい、結局いいのか悪いのかわからなくなった。しかし、臓器を売るという行為はできることなら他のだれにもしてもらいたくない行為である。クローン技術にしても今のクローンは胎内で育たないといけないため、人の形をしたものから臓器のみ摘出する、ということも前のディベートでは道徳的にどうかと思う方もいた。結論としては、クローン技術で生成されたクローンから臓器をとりだしたり、臓器売買がはびこるよりは、「臓器を印刷する技術」が発達したほうがいいと私は思う。あくまで、どちらかといったらだが。

(C)
 「それは生殖行為の過程なしで人が創造できるのだから、あなたの発言によりますと、人間には男も女も要らないという意味にとれますね。そういうふうにとらえる人も多いと思いますが、それでもすばらしいと言えますか?」と答える。

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回 答 16(理学部)
(A)
 もう、ただ驚きました。こんな突飛すぎるアイデアをよくも思いつくなというのが率直な感想です。ただ、「人を創造するのに生殖はいらないんだから、すばらしいアイデアだろう」という所に僕は少しひっかかりました。

(B)
 僕は臓器であればこの技術に大きく賛成です。実は、僕の父は五年前くらいに胃癌になり一年前に他界したんです。その五年前、すでに父は癌の末期で胃を全て切除したんです。そして一応治り、退院し、自宅に帰ってきたとき、本当に食べるのが苦痛のようで、顔をしかめながら、少しずつ食べていました。
 そんな父の苦痛を知っている僕としては、臓器の印刷という技術はまさに夢のような話に聞こえます。自分の細胞だから拒絶反応もほとんど起きないと思うし、苦しむ人を早い段階で救うことができるのだから・・・。ただ、不安も多々あります。まず、その臓器がきちんと臓器としての役割をはたせるのか。また、細胞をつなぐ接着がおかしくなり、その移植する臓器自体が癌化することはないのか・・・。
 やはり、他の技術もそうですが、安全性が確かめられないといけないと思います。よって、僕の意見としては、『安全性が確かめられた時点で大きく賛成』です。

(C)
「僕はすばらしいとは思わない。そんな印刷で作られた人なんて、ロボットのように思う。」

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回 答 17(工学部)
(A)
 私は人間を作るのは無理だろうと思ったのが第一印象でした。というのは、たとえ完璧に人体を作ることができたとしても、そこで「命」が発現することは不可能だと考えるからです。  発想自体は人体形成に試験管ではなくプリンタを使うという意外なものでとても興味はありますが、機材自体の除菌、機材の設計等問題が山積みで人体形成までにも何十年もかかるのではないでしょうか?

(B)
 私はこの「臓器を印刷する技術」については賛成です。
 理由を以下に挙げます。
 第一に、他人の臓器を必要としないからです。他人の臓器が誰しも合うわけではなく、新聞等を見ても失敗例がまだまだ多いので、100%自分に合う、自分の細胞からできた臓器を使用するのがいちばんであると考えます。
 第二に、問題文にもありますが、妊娠、成熟期間を待つ必要がないからです。成熟を待つ期間内にも患者の病気は進行しているのですから、一刻も早く臓器を移植する必要があると考えます。
 第三に、臓器密売の犯罪が減ると考えられるからです。この「臓器印刷技術」が盛んになれば、他人の臓器の需要はなくなるでしょう。そうすれば自然とこの犯罪はなくなってくると考えられます。
 第四に、さらに安い精肉が市場に出回ると考えられるからです。しかし、ただ安いから、というわけではなく、もし家畜の疫病が出回ったのなら、これは大丈夫と認められた家畜のみからこの技術を使って臓器の印刷を行い、疫病で処分された家畜の分まで市場に普及できると考えられます。

(C)
「人体はこの技術で印刷できるかもしれません。しかし、どのようにして「命」をふきこむのですか? まだこの過程については解明されていません。」と、私は答えます。

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回 答 18(工学部)
(A)
 この記事を読んで感じた第一印象は、やっぱり特許て大切なものなんだな、ということである。私は工学部の人間であるため、大学に入ったころから先生達から『将来特許をとることがあるだろうから・・・』等と言われていたことを思い出す。いくらいいアイデアを思いついても特許をとっていなければ水の泡である。反対に特許をもっていれば莫大な利益を生むことができる。私も今から特許がとれるように頭をやわらかく創造性豊かになるぞと思った次第である。

(B)
 私はこの臓器を印刷する技術には賛成だと思う。初めて聞いた話であるし、あまりに突飛だし、知識はないし・・・で想像でしか考えることができないが考えてみることにする。
 まず印刷された臓器ときいて一番心配なのは、人体からつくられた臓器でないものが、移植された場合に正常に働くかどうかということである。全く同じように組み立てられたからと言ってまともに動くようになるとはなんだか思えない。次に印刷機の故障とかないのだろうか?ということである。私達が今使っているコピー機はよく紙づまりをおこす。インクのつき方も時々違う。これが臓器だったらと思うと恐い。一ヶ所に細胞がかたまっていたり、よからぬ不純物やゴミ、虫などが入ったりもするだろう。それがそのまま移植されれば、どのような作用を人体にもたらすかは分からない。私はまだこの技術についての知識がないから、このことの解決策も思いつかないが・・・
 しかし、最初にも書いた通り、この技術には賛成である。なぜなら、クローンもいやだし、他人の移植臓器は拒絶反応が恐いからである。クローンに反対なのは、臓器をつくるために、人間をつくらなければならないからである。その人間を作らないで、拒絶反応のない自分ピッタリの臓器を得ることができるならば、今すぐに臓器移植をしなければ助からないといった状況なら使うと思う。
 最後に、臓器を印刷するのは賛成であるが、人体を印刷するのは反対である。なぜなら、これはクローンと同じであり、同じDNAをもった違う姿の人間が造れるかもしれない(私の想像ですが)なんてクローンよりたちが悪いと思うからである。

(C)
 まず、一瞬呆気にとられることが予想される。その後「クローン人間みたいに顔形そっくりな人ができるのでしょうか? それとも鼻、目、口などの大きさ、厚さなど全く別の人間を印刷することができるのでしょうか? そうだとしたら、同じ遺伝子を持った、でも全く違う人ができるのですね、おもしろい技術かもしれません。」と言う。

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回 答 19(理学部)
(A)
 臓器印刷技術の考えは、確かに(誰がどう考えても)突飛すぎると思う。”インクの代わりに生きた細胞を充填し、印刷する”とか思いついたにしても、誰もしようとは思わないはずだ。
 しかし、この誰もしようとは思わない研究で血管の形成に成功したのだから、馬鹿にはできないのが信じられないし、生物学をパソコンのプリンタで研究できるというのは、今後日本を含め、普及していくのか楽しみに思えてくる。
 最後にこの研究は、「細胞を積み上げ、連結、臓器として機能」=「印刷」とイコールで結びつけるべきなのか、(価値観が全く違う気がし)疑問に感じる。

(B)
 この臓器を印刷する技術に、特に問題となるような要素は見当たらないと思う。従って、この技術には賛成できる。
 臓器に関する話題として、以前「豚の臓器は人体に応用可能」ということを耳にしたことがある。極端な話、豚の臓器をヒトへ移植する、といったことであるが、拒絶反応等、安全面に気になる点は残るものの、特に社会的問題、倫理的問題はなく、試すだけの価値はあると思う。
 この臓器を印刷するというのも、患者以外の人間には影響しないし、前述の例と、さほど状況は変わらないのではないか。つまり、社会的、倫理的問題が特に露呈しないと考える。
 倫理面に関し、「臓器を造る」と考え、問題があると言う人がいるかもしれないが、クローンみたいに生命の誕生を操作している(人体を印刷するとなれば話は別!)わけではないので、倫理的に問題があるとは言い難いのではないか。
 しかしながら、この臓器を印刷するのは機械(プリンタ、パソコン)なのでもし失敗し、命が助からなかったりしたら、その機械のメーカーは、機械に問題があったとして訴えられることもないとは言えないはずだ。だから、問題文にあるように、IBM、ヒューレット・パッカードは研究に協力しないと思う。

(C)
「アイデアは確かに素晴らしい!実現不可能に近い程、科学的に難しいし、法律も絡んでくるという難点はあるけどね…。」と答える。

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回 答 20(法学部)
(A)
 一言、驚いたという感じである。筆者の言うようにあまりに突飛だと考える。しかしながら、こうした突飛の意見から新技術が開発されるというのだからバカにできない大切な考えだと思う。ただ、本当にそうして作られた臓器が安全かどうかを精密な検査を通して調べるべきと考える。理論上は可能なことでも、何が起きるか分からない。移植後に体内で壊れたりするのでは利用することができない。授業にもあったが、動物実験などを数多く行って安全を確認する必要があるだろう。人間のエゴかもしれないが、それが人間とも言える。生命を長らえるために技術を確立してほしい。
 また、人体印刷だが、私はこの人間は戦争などに利用されるのではないだろうかと思う。生殖がない以上、愛情なども生まれない気がする。とても恐い。人体印刷はやめてもらいたい。

(B)
 良い技術だと思う。ただし、(A)で述べたような条件を満たしていたらの話である。
 私の祖父が胃癌で、先日胃をすべて摘出した。これからは腸が胃のかわりをするらしいが、食べるものに制限がでるらしい。こうした人々の苦しみを少しでも減らせるならば、この技術の必要性は大いにあるので、研究をしていってもらいたい。クローン技術より良い利点があるため、この技術が確立すれば、こっちを利用するだろう。しかしながら、私はこの技術の確立は遠い話のように思う。私はクローン技術の応用に賛成である。従ってどちらの技術の研究も続けてもらいたいと考える。
 (A)で述べたように、安全面が勿論最も心配なのだが、その他に、もし臓器移植を行う場合に患者にどう理解してもらうかも重要と考える。何も判らないまま行うのはいけない。だが、説明したとして、理解できるかどうかというとそれも大変な気がする。なんせ突飛なことであるから。「プリンタで文字を印刷するようにできます。」信じがたいことである。そこで患者に安心させる方法が必要なのである。これも重要だ。
 最後になるが、この技術は生命の尊さなどをぶち破る少し悲しいものであると思う。だが、人の死を待つような臓器移植の現状も変であるのだから、私はこの技術に賛成する。

(C)
 私はそうは思わない。そのようにして作られた人間が幸せとは思えないからだ。もしこの技術が確立するなら、人体の印刷はしないような法などの整備をしてもらいたい。人体の印刷が起こるなら賛成しかねる。

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[問 題]

[回 答 ; 全24人]
<反対;6人>
<臓器の印刷は賛成だが人間の印刷は反対;14人>
<賛成;1人>
<どちらとも言えない;3人>


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