1998年度 教養科目
I 自然と情報  生命科学G
−−夢の技術PCR−−

熊本大学・遺伝子実験施設
  助教授  荒木 正健
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2000年 3月31日更新


冬休みの課題レポート

 冬休みの間にどれか1冊読んで、レポ−ト(別紙書式)を提出して下さい。このレポ−トに関しては、下記基準に従い、私の独断で5段階評価(5点〜1点)します。

5;発想がユニ−クで、その問題を議論する場合に大変参考になる。
4;論理的思考を行い、人を説得する力がある。
3;素直に感想を述べ、自分で感じた事、考えた事がきちんと書いてある。
2;自分では何も考えていない。
1;本当に読んだかどうか怪しい。

 通常のレポ−トを各1点とし、このレポ−トの点数と合わせて総合評価します。期末試験は行いません。
 提出期限;1999年1月29日(講義・最終回)

1)『ゲノムを読む −−−人間を知るために−−−』
  松原謙一・中村桂子 共著、
  紀伊国屋書店、228ペ−ジ、1,800円
 「ヒトゲノムプロジェクト」がどのようなもので、今どこまで進んでいるか、今後どのような方向に進むかを、世界的なプロジェクトの中心人物が示した本。また、ヒトはどのようにしてヒトになり、他の生き物とどのような関係にあるのかを、ゲノムに注目して考えた本。

2)『考える遺伝学』
  山村研一 著、
  南山堂、180ペ−ジ、1,854円
 遺伝学の教科書。単なる事実の羅列を避け、事実の発見に至った思考過程や経緯に重点を置いてまとめてある。例えば、遺伝暗号表を誰がどうやって解読したかなど。文系の方には少し難しいかも。

3)『イエスの遺伝子』
  マイケル・コ−ディ 著、内田昌之 訳、
  徳間書店、510ペ−ジ、1800円
 SF。遺伝子スリラ−。たったひとつの体細胞から人間の遺伝子すべてを解読できる装置“ジ−ンスコ−プ”の発明から始まる新しい世界。遺伝子工学とキリスト教。ベンチャ−企業と秘密結社。大変「面白い」小説だが、いろいろ考えさせられることも多いと思う。

4)『死の病原体 プリオン』
  リチャ−ド・ロ−ズ 著、桃井健司・網屋慎哉 共訳、
  草思社、286ペ−ジ、1900円
 ノンフィクション。現在の医学・生物学の常識では理解できない驚異の病原体プリオン。昨年度のノ−ベル生理医学賞を受賞したスタンリ−・プルシナ−など、狂牛病で一躍有名になった各種感染性スポンジ状脳症の研究者へのインタビュ−に基づくドキュメンタリ−。牛肉だけの問題ではなく、ベジタリアンでさえ安全ではない。現在、静かに進行しつつある人類の危機を警告する本。

5)『五体不満足』
  乙武洋匡(おとたけひろただ) 著、
  講談社、270ペ−ジ、1600円
 両手両足を欠損して生まれてきた早稲田大学政経学部生の自伝。「傷害は不便だが不幸ではない。」この講義の内容から少しずれるかも知れないが、「遺伝子診断」や「出生前診断」について考えさせられる本。


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