第4回 KBRP セミナー

「簡易型CRISPR/CASシステムを用いたメダカのゲノム編集」 

  熊本大学 大学院自然科学研究科 生命科学講座 准教授 北野 健

 メダカを含む小型魚類での遺伝子機能解析は、数年前までアンチセンスオリゴ等によるノックダウン法が主流であったが、効果がアダルトステージまで持続しない、表現型がはっきりしない等の問題点が指摘され、最近ではTALENやCRISPR/CAS等のゲノム編集法が一般的になりつつある。一方、養殖魚種の品種改良は、以前は選抜育種法により数十年単位の大変長い年月がかかっていたが、このゲノム編集法を使っていち早く優良品種を作出しようという試みがなされている。しかしながら、ゲノム編集による3世代での遺伝子ノックアウト法でも、新たな品種が確立されるまでには数年以上を要することが予想される。したがって、より早期にノックアウト個体を作製する技術開発が望まれている。

 そこで本研究では、様々な水産魚種に応用できる簡易型CRISPR/CASシステムを用いたF0世代でのノックアウト法の確立を目指し、モデル魚であるメダカを用いて研究を実施した。標的遺伝子としては、魚類養殖で重要な不妊化や借り腹技術に直接利用できる生殖細胞の欠損を目指してdead end遺伝子を選別し、この遺伝子のF0ノックアウト個体の作製を試みたので、ここで報告する。