第4回 KBRP セミナー

「ゲノム編集技術を活用したショウジョウバエにおける新たな遺伝学的解析法の開発」 

  熊本大学 発生医学研究所 生殖発生分野 教授 中村 輝 

 ショウジョウバエは遺伝学解析の優れたモデル系として100年以上の歴史を持ち、遺伝学的解析を進めるための様々な技術が開発されてきた。しかし、ゲノム上任意の場所を標的とした遺伝子ターゲッティングについては多大な労力を必要とする状況であった。そこで、TALENやCRISPR-Cas9を用いたショウジョウバエゲノム編集技術を確立させると共に、この技術を活用した新たな遺伝学的解析ツールの構築を計画した。具体的には、①CRISPR/Cas9を利用してショウジョウバエゲノムにegfp遺伝子を効率良くノックインする技術を確立すると共に、②GFP融合タンパク質を特異的に分解誘導するNSlimb-vhhGFP4タンパク質(Caussinus et al. Nat. Struct. Mol. Biol. 2012)を胚発生初期の生殖細胞(極細胞)で特異的に発現させる系統を作成した。本システムを用いることにより、候補遺伝子のGFP融合系統について、卵形成過程における機能を維持しつつ、胚発生過程で極細胞特異的にノックダウンすることが出来るようになった。本セミナーでは本システムを用いた研究の進捗状況について報告する。