第13回生命資源研究・支援センターシンポジウム

『マウスにおけるストレス耐性(感受性)因子の探索』 

  熊本大学 生命資源研究・支援センター 病態遺伝分野 講師 鳥越 大輔

 我が国の精神疾患(うつ病、統合失調症、不安障害、認知症等)の患者数は直近10年間で約1.5倍に増加しており、400万人に迫ろうとしている。これらの原因は未だ不明な点も多いが、発症の要因として種々のストレスが関係している事が示唆されており、近年のストレス社会を背景に患者数が増加しているものと推察される。

 げっ歯類においても、慢性的にストレスを与えると情動行動に影響を与える事が知られている。慢性軽度ストレス試験は食餌制限、ケージスペースの減少、単独飼育、ホワイトノイズ暴露、寒冷暴露、明暗周期逆転、ケージの傾斜、湿った床敷での飼育等、比較的軽度なストレスを数時間〜数日毎にランダムに入れ替えて暴露するもので、ヒトのうつ病や不安障害などの病態モデルを想定して開発された実験系である。実際に慢性軽度ストレスを負荷させると、活動量の低下や不安様行動の増加等が見られ、うつ病や不安障害などの病態が誘発される一方で、それらの病態の程度には系統差が見られ、ストレス耐性(感受性)因子の存在が示唆される。本講演ではこのストレス耐性(感受性)因子の探索についての研究結果を紹介したい。