Gene Technology Center

201809Ito

研究発表を行った学会;創薬技術検討会
2018年 8月22日(熊本大学薬学部 宮本記念館)
タイトル;生殖工学技術開発による ”CARD, Kumamoto” ブランディング戦略.
発表者;伊藤 琴乃氏
(熊本大学 生命資源研究・支援センター 資源開発分野)
要旨;
 生殖工学技術は、不妊治療、畜産、バイオ産業、希少動物の保護に広く用いられてお り、様々な動物種において生殖機能改善に関する研究開発が強く求められている。生殖 工学技術には、雌マウスから効率的に卵子を排卵させる技術、精子と卵子から受精卵(胚) を作製する体外受精技術、生殖細胞を非凍結下で輸送する冷蔵輸送技術、超低温下で生殖細胞や臓器を凍結保存する技術、さらに胚を雌マウスに移植(胚移植)して産子を作出する技術がある。生殖工学技術は、非常に有用な技術であるが、体外受精における受精率、凍結保存や冷蔵保存における生存率、胚移植における産子率の改善に関して、更なる改良が必要である。
 そこで私たちは、生殖工学技術の改良を目的として、生殖機能改善に有用な化合物を活用した技術開発を行っている。これまでの成果として、凍結保存または冷蔵輸送した生殖細胞の生存能、体外受精における精子や卵子の受精能を改善する種々の化合物を明らかにしている。また、過剰排卵誘起技術では、排卵を抑制するホルモンに対する中和抗体を利用することで、従来の約 5 倍の卵子を排卵させる技術を開発した。これらの技術改良により、生殖工学技術を用いた細胞の保存や輸送、個体作製の効率が飛躍的に向上している。
 本研究の成果は、当センターの重要な役割であるマウス胚・精子バンクシステムの基盤技術として利用され、医学・生命科学研究に有用なヒト疾患モデルマウスを用いた研究推進に貢献している。また、本技術は、精子凍結保存液、精子前培養培地、体外受精培地、過剰排卵誘起剤および低温輸送キットとして製品化され、世界中の研究機関で使用されている。さらに、国内外の研究機関において CARD 生殖工学技術研修会を開催することで、生殖工学技術に関する専門人材の育成も行っている。
 現在では、生殖工学技術の開発拠点として熊本大学・CARD が広く世界で認知されるようになり、世界中の研究機関、研究者を繋ぐ国際ハブ拠点としての役割を果たしている。本ポスターでは、これまでに私たちが開発した技術の概要や技術の応用について紹介する。

アクティブボード

PAGETOP
Copyright © GTC All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.