『cDNAプロジェクトからプロテオーム領域への挑戦
〜かずさDNA研究所の取り組み〜』

古閑 比佐志

かずさDNA研究所 地域結集型プロジェクト研究チーム
主任研究員

 現在我々が進めているプロジェクト(科学技術振興機構CREATE)では、かずさDNA研究所で集積した約2000個の長鎖ヒトcDNA(KIAA遺伝子)に対するマウス相同遺伝子(mKIAA)の取得、およびそれがコードする蛋白質に対する抗体の網羅的作製を行っている。得られたマテリアルを用いてcDNA・抗体アレイなどの研究プラットフォームを整備するとともに、それらに基づく情報を発信することで、基礎研究のスピードアップに寄与することを目指している。
 InGaP(Integrative Gene and Protein expression) databaseはそのような情報発信の一つで、我々のマテリアルを用いて得られたtranscriptomeおよびproteome領域の情報を統合したものである。KIAA遺伝子の多くが脳で優位に発現していることから、InGaP databaseは特に脳研究に寄与できるものと期待している。本講演では、InGaP database構築までの当プロジェクトの歩みを概説するとともに、今後の展開に関してもご紹介する。


熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設,
E-mail: www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp