******** GTC On Line News No.350*******
      2003年 1月19日
***********************************

 発生医学研究センター組織制御分野から、下記セミナーの案内がありましたのでお 知らせします。

====第57回 発生研セミナーのご案内====

演題 「多因子疾患の解明に向けて」
演者 大森 博之 旭川医科大学公衆衛生学教室 (発生医学研究センター組織制御 分野)
日時 1月29日 (水) 17:30~19:00
場所 遺伝子実験施設6階講義室
抄録
2000年4月「循環器病の推計入院患者数を20%削減し、脳卒中の受療率を20%削るなど の画期的新薬の開発に着手すること」などを目標に、ミレニアムプロジェクトがスタ ートした。高血圧の場合、その90%を占める本態性高血圧は複数の環境因子と複数の 遺伝因子(体質)が影響しあって発症する多因子疾患である。遺伝因子(体質)は個 体間の差を決定する遺伝子多型に依存することは明らかである。しかしながら存在が 推定されている遺伝因子は、relative riskで1.2以上、一般集団でのアレルの頻度が 20%とその効果は小さく、検討には1000人以上のレベルでの検討が必要である。その ため、多因子疾患の原因遺伝子探索には、
(1)検体をいかに収集するか、
(2)その検体に関していかなる多型をいかにタイピングするか、
(3)そのデータをいかに解析し、関連遺伝子を見つけ出すか、
の検討が必要である。多型にはSNPsとマイクロサテライト多型があり、SNPsそのもの に注目するか或いはハプロタイプにより関連解析または連鎖解析を行うかなど手法は 様々だが、何れも偽陽性、偽陰性が付きまとうことになる。候補遺伝子アプローチと ゲノム網羅的解析の長短、連鎖解析のうちとくに罹患同胞対解析に注目し、過去の解 析例の紹介と今後の展開を提示してみたい。

世話人: 組織制御分野 立石 智 (内線6602)

========================

GTC以外が主催するセミナーの案内に関しても、施設利用者に有用と考えられる情 報をこのメーリングリストに載せることは問題ありません。何かありましたら、GT Cスタッフまで御連絡下さい。


<GTC On Line News>

<GTC On Line News-301-350>


熊本大学・遺伝子実験施設; E-mail:www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp