レポート第11回 回答集
熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2ー2ー1
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2002年 3月19日
平成13年度 生命科学G レポ−ト 第11回(2002年1月23日実施) 回答集
[ 質問 ]
狂牛病に対して、あなたはどんな対策を立てたら良いと思いますか?また、日本(政府)は、どんな対策を立てたら良いと思いますか?
[ 回答 ](24人)
・ 自分達にもできる狂牛病対策といえば、何も食べないのが一番だと思いますが、それは無理なので、自分達が食べている物がどんなものか、例えばどこ産で、どのような方法でつくられているか、自分で確かめるのが大切だと思います。そのためにも、政府は品質表示をしっかり出すように義務付けてもらいたいと思います。今日(1月23日)のニュースのような、食品会社の詐欺事件が起こるようでは、まだまだ政府の管理体制は甘いと言われても仕方ありません。(教育学部)
・個人で狂牛病を防ぐのは非常に難しいと思う。牛関係の食べ物を食べなければよいという対策もあるだろうが、世の中のありとあらゆる食品には牛が使われている。一人で食べ物を一つ一つチェックするのは、不可能に近いと思う。やはり、政府の対策が重要になってくると思うが、雪印のように政府の対策を悪用する企業も見つかっている。大企業が悪さをするくらいなのだから、雪印の件は氷山の一角で世の中の様々な場所で不正があっているかもしれない。こうなると個人での狂牛病対策は不可能だと思う。だから、政府が何をすればいいのかということはあまり分からないが、少なくとも今より厳しい対策が必要だと思う。(工学部)
・狂牛病はタンパク質の病気だということを初めて知りました。狂牛病は消毒しても消えないそうなので、対策としてはやっぱり自己防衛として牛肉を買うのをやめるなどする必要がある。政府はイギリスで狂牛病の事件が起こったときに輸入などの防衛強化をするべきでした。やっぱり牛を殺して焼き払うしか方法はないと思う。(工学部)
・正直、狂牛病に対する日本政府の対応には失望を禁じ得ない。昨年だったかに、日本はEUに対して狂牛病が日本でも起こりうるかどうかの調査を依頼した。そしてEUから返ってきた調査結果は、日本でも狂牛病問題が発生する可能性を充分に含んだものだった。それにも関わらず農水省は、「調査方法に信頼性が置けない」としてEUの調査結果を無視する事に決め、然るべき措置を取らなかった。そして、現状がある。
どうも日本の政府とは、何かが起こってからでないと対応策をこうじない体質らしい。つまり想像力が欠如しているという事だ。まずはそうした体質をそろそろ本気で見直してもらわなければ困る。国が、問題があると疑われる牛について買い上げを決めた。しかし先の雪印の不正事件でその政策も欠陥だらけだという事がわかった。EU式に、根本からの解決策を見出してほしいと思う。(文学部)
・まず私達が自分の身の安全にもとらなければならない対策は、広く情報を集める事だと思います。TVや新聞だけでは正確な情報は入ってきません。それらの情報は視聴率や、購読人数に左右されがちです。専門的な部分が欠けてます。狂牛病ともなると専門的な理科系の分野が要求されます。しかし、専門的な部分にこそきちんとした情報が得られるのでは無いでしょうか。情報のブームに躍らされずに、ただ牛を食べる食べないの問題にしてはいけないのだと思います。それこそ事態は殆ど変わってなくても時が解決してしまします。また政府の対策としては、牛の管理者をきちんと管理する体制を整えるべきです。誰がいつどこから牛を購入したのかどこへ売ったのかという様な事を市町村が中心となって記録しておきます。また消費者に対してどこの誰の牛かをラベルに記載するべきです。県名や国名だけではいくらでも誤魔化しがききます。そして今回の被害に対して牛の買い上げなどの救済を行うべきです。検査以上に大切なのが育てる環境にあると思うからです。異常な育て方をしなければ人間に害になる事は到底ありえないと思います。(法学部)
・私は、正直言って今牛肉を進んで食べることはできません。できれば避けて食べたいと思っています。しかし全て断固拒否するわけではありません。このような状況の中で私が狂牛病対策として出来ることは何かと考えてみると、特別何が出来るというわけではありませんが、私のようにまだあまり狂牛病について知らないのに、情報に左右されて牛肉を遠ざけているのではなく、もっと狂牛病に対しての知識を増やしてちゃんと理解することが一番我々に出来る対策だと思います。政府に関しては、今の政府は解決するというより出来るだけ早くもみ消してしまいたいという方向に向いてるような気がします。そして海外の対策を真似しているだけで自ら進んで取り組んでないような気がします。もっと真剣に言葉だけではなく積極的な。対策を執るべきだと思います。(理学部)
・政府はすでに肉骨粉や輸入牛に対して対策をとっており近々牛の買い上げもするようですが、他にはとにかく新しく入った情報や技術は積極的に取り入れ、出来る限り農家の支援をすることができると思います。それから自分では直接狂牛病の対策をとるのは難しいけど、安全なものを食べたいし、他人ごとではないと意識して行動したいと思います。(薬学部)
・政府の狂牛病対策として全頭検査前に解体された肉に関しての買い取りが決まった。これで市場に出回
る事はないと思うが、買い取り後の処理についてはまだ決定していない。きちんと処理してほしいと思う。また、雪印のように偽装工作をするような企業もある。安全とか信用とかより金で動く人がいると思うと安心できない。他に対策はイギリスなど他国を参考にして検討すべきだと思う。個人に出来る対策はあまり思いつかない。正しい知識を持ち情報を集め賢い消費者になる事が大切ではないだろうか。(文学部)
・雪印がつい先日も狂牛病に関する問題を起こしていましたが、政府に今、一番やってほしいことは少しでも狂牛病のおそれのある牛肉は残さないということです。雪印がいい例でしたが、食品会社のモラルが低下しているいま、この狂牛病騒ぎが収まったころに処分されなかった狂牛病のおそれのある肉がでまわるなんてことが、おこらないようにしてほしいと思います。
また消費者がやらなければならないことはただ牛肉を敬遠するだけではなく、狂牛病についての知識をしっかりと身につけることだと思います。むやみやたらと騒ぎ立てて、騒動が下火になったころまた食べ始めるのでは狂牛病という問題はうやむやのままになってしまうと思います。(法学部)
・自分は現在政府が行っている狂牛病対策、検査体制や回収手段などについてここでは触れないつもりだ。というのも、多くの欠陥を抱えつつもこれらの対策は一つの方針として実施されており、将来的な改善も望めるからだ。自分は現在見過ごされがちな別の方針から、自分たちと政府それぞれに出来ることを示したいと思う。
もう一つの方針、それは世論の形成にかかわることだ。自分たち消費者は極端に言えば狂牛病の実態を知らない、したがって適切な反応が出来ていないと思う。マスメディアによって広められる偏った情報をもとに、ほとんど主体性を持たず、ただ単純に牛を食べなければよいと思っている。漠然とした牛肉に対する不安がある。そのため一度マスメディアが誤った情報を流せば世論を通して深刻な被害にもなりかねない。実際、現在の酪農業者の悲惨な状況は狂牛病そのものに加え過剰とも思える国民世論が影響していることは否定できまい。これが自分たち消費者の問題点であり、正しい情報を偏りなく集め、主体的に判断して狂牛病と向き合うのが自分たち消費者に出来ることである。
同じ世論にかかわる方針を政府にあてはめてみる。政府は自分たち国民に対して、狂牛病の情報を出来るだけ詳細に伝えなけらばならない。これはマスメディアにも言えることだが、消費者を扇動的に操るための情報ではなく判断の材料としての情報を伝えるべきである。
政府、マスメディアは正しい情報を中立な立場で消費者に伝えること。消費者はそれをもとに主体的態度をとること。これが今出来る狂牛病対策である。これの実現によって狂牛病を起源とする二次的な問題、現在は主に酪農業界の被害が注目されているが、それに限らず雪印に始まる企業の暴走などを食い止めることが出来るのではないかと思う。(文学部)
・狂牛病の対策として、日本政府はもっと出荷される予定の牛に厳しく検査しなければならないと思います。そして、消費者に対して十分な安全性を証明する必要があると思います。そうでなければ、狂牛病の影響はなくならないと思います。(工学部)
・政府が今狂牛病にたいしてできるのは、検査の徹底、そしてその情報を詳しく提供することだろう。私ができるのはその情報をもとに正しい判断をして行動するということだろう。周りにあおられるままに恐れるのは賢明ではない。(工学部)
・私達にできることについて考えてみました。狂牛病という言葉が新聞・ニュースで見られるようになって、人々が多く口にした言葉は「もっと詳しいことが知りたい。」でした。しかし、政府の説明や対策は曖昧なもので、人々の不安を一層募らせるものでした。そのような政府に対して、私達は積極的に情報提供を呼びかけていくべきだと思います。私達の生命に関わることとなりうる問題なので、あやふやにしてはいけないと思います。(教育学部)
・雪印の事件もあり、これからは国も業者も今まで以上に検査に力が入るだろうと考える。あとは、私達消費者がどれだけ良いもの・悪いものを見分ける力をつけられるかになるだろうと思う。(教育学部)
・狂牛病問題に取り組むにあたって、今一番危険な立場にいるのは僕たち消費者ではなく畜産農家だと思う。そして僕らにできることは肉を食べること。ある程度の対策制度も出来たわけだし今までやってきたことを普通にやっていけばいいと思う。どうしても嫌な人も畜産農家を助けると思って!!(工学部)
・五年前に農林水産省の担当者が狂牛病に関する情報を入手したものの、経済を優先し「内密に」処理してしまった為にここまで騒ぎが大きくなっているのだと思う。オーストラリアは1960年代に動物性飼料の輸入禁止、米国は1989年から狂牛病発生国からの輸入禁止、1997年には肉骨粉の使用を禁止している。世界の動きに遅れないように、政府には後手に回らないようにして貰いたい。国ではないが自治体によっては、国産牛には全て履歴書をつけるという所もあるので、そういう自治体は評価したい。また、全頭で二度検査を行って陽性でなければ出荷するという方法がとられているのは日本だけで、検査は厳しいとされている。
しかし、EUでは牛乳も流通を規制されている。その理由は詳しくは知らないが、また後から規制するような後手後手の対策では政府に対する信頼は無くなると思う。
私達は、購入するときに信頼できる店で買う、ラベルをよく見る、食事を見直すといった事に注意するようになった。効率主義に陥りコスト削減に走りすぎると、結局は原材料の質を落とすことに成りかねない。消費者が賢くなることで、流通形態や(肉に限らず)生産の工程も安全性を見直すようになり、結果として質の良いものを手にしやすい環境になっていくのではないかと思う。(薬学部)
・狂牛病に関する問題は、メディアを騒がしている。私たちにできることは何か?単に、雪印食品がやったことを批判するだけ、などではいけないだろうと思う。やるのであれば、「絶対雪印食品の物は買わない」まで徹底しなくてはいけない。私が思うのは、厚生省のこれまでの狂牛病に対する対策を知り、抗議、問いただすことではないかということだ。知れば知るほど、おかしいことがある。とりあえずは、関心を持つことではないか。(教育学部)
・まず、日本のずさんな危機管理体制を問わねばならない。そして、事後対応の遅れ。後手後手にまわっているようでは、国民の信頼を得ることはできないであろう。牛の買い上げを行うだけでなく、畜産農家のその後を援助するような対策がとられるべきだと思う。狂牛病問題が社会的問題である以上、社会的費用とし
て十分な予算が組み込まれる必要性を感じる。もちろん、今日の失業率の悪化とも合わせ見て、雇用の問題として捉える必要があると思われる。また、入念な検査を行った上で、昨今のインターネットの普及を活用し、牛肉の需要増加の一助となるような対策を講じることもできるのではないだろうか。社会的信頼に欠け
る政治家のパフォーマンスよりはEメールによる情報伝達などの方が、よっぽど効果があるように思える。(教育学部)
・政府の対策は、情報の収集と公開。決して国民に嘘をつかないこと。狂牛病発生の他の国からの畜産関係の徹底した輸入品のチェックなどが必要だろう。私たち個人のレベルの対策としては、一人一人が誰かの言うことを鵜呑みにするのではなく、自ら知ろうとし、学ぶこと。狂牛病は分からないことが多すぎるくらいにあるので、用心に越したことはないと思う。見えないところに恐ろしい事実が潜んでないとは言えないから。(薬学部)
・私はこれができる!とははっきりいえません。私は平気で牛肉も食べてるから、むしろできる対策さえしてないほうだと思います。国は今までするべきことをやってこなかったぶん、他のすすんでいる国をみならってこれからはしっかりしていってほしいと思います。(教育学部)
・僕たち自身で可能性を減らすために出来ることと言ったら牛肉を食べないようにすることぐらいしか思いつきません。政府の対策として取るべきものは今行っている狂牛病の疑いのある牛肉の買取がいい方法だと思います。(工学部)
・正直、私達にできる狂牛病対策はほとんどないと思う。なぜなら、私達は市場にでてきている牛肉を買うか、買わないかを判断することしかできない。しかし、日本政府には色々な対策ができると思う。牛に今までどのような飼料をあたえたか、母牛はどこの牛か、といったことをデータとして記録するよう義務ずけたりすれば、安全である証明になり、狂牛病対策にもなると思う。(工学部)
・狂牛病の問題はいまいちみじかな問題としてとらえられていないので、もっと一般の人で討論などをして、その結果を政府にもっとうったえなければならないとおもう。(工学部)
・狂牛病について私自身がとっている対策というもの特にはありません。ただ、牛肉を買うときには検査済みのラベルがある物をかっています。しかし、このスポンジ性脳症というのは種の壁を越えて感染するものなので牛肉を食べるのをやめるというような対策をとってもあまり意味がないような気がします。
そして、政府がとっている対策についてはやはり不十分な気がします。すぎたことを言っても仕方ないのですが、EU諸国から警告があったにも関わらず、それを無視していたこと。政府は認識が甘かったと言っていますがそれだけですむようなことではないと思います。薬害エイズのときもそうだったように危険だと解っていても何の対策もとらないという面で何も学習していないような気がします。現段階で政府がとっている具体的な対策について詳しくは知らないのですが、農家への補償は予算を大幅に削ってでもしなければならないと思います。過去に狂牛病で大きな被害を受けた国、イギリス。この国から学んで対策をとっていくことも必要ではないかと思います。(薬学部)
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