2005年度 レポート第1回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2006年 5月23日更新

2005年度 最前線の生命科学C レポ−ト第1回(2005年10月12日実施)回答集

[ テーマ ]『中学高校における組換えDNA実験について』

[ 回答 ](全24人)

賛成意見(22人)
・中学、高校における組換えDNA実験について、私もどんどんやっていった方がいいと思います。私自身、中学・高校時代にあまり実験した記憶がないけど、その中でも実験をした内容はとても頭に残っているからです。やはり自分の手でやったことは忘れにくいと思います。 (医学部)

・遺伝子組み換えがさかんに社会に進出しているにもかかわらず、私たちはその実態をあまり知らないように思う。それゆえ、中学や高校の教育の現場で組み替えDNAの実験をすることは大変意義深いものであるはずだ。このような実験を通じ、生徒たちが遺伝子組み換えに対しての理解を深めることによって、彼らの今後の生活にその知識が生かされていくこであろう。 (文学部)

・私は高校では化学を選択していなかったことや、文系であったこともあり、DNAについて詳しくないので、今回の講義の内容で分からない部分がかなりありました。しかし、中学高校と理科の実験は面白く感じ、今回の講義で紹介された実験も面白そうだと感じました。実際中学や高校ではDNAに関する実験をしたことがなく、今まで普通だったものが、遺伝子組み換えで光るようになるというのはとても興味深いです。
 また、私は法学部で法律を学んでいますが、講義にあったように、遺伝子に関する法律の整備は最近になってやっと徐々になされるようになったばかりで、最先端の技術の進歩に法が追いついていないという現状が問題だと考えます。便利な反面、倫理的な問題もある遺伝子技術について、中学・高校のときから身近に接することはとても大切であるように感じます。
 今後の講義では、遺伝子に関しての技術面よりも、倫理的・社会的な問題について考えるようにしたいです。 (法学部)

・私は、普段買い物をするときに、なんとなく遺伝子組み換えでない納豆とか豆腐が良さそうだと思って購入していますが、実際、遺伝子組み換え食 品は、何が行われていて、どんな危険性があるのかはほとんど把握していません。中学・高校の授業で、プリントにあるような遺伝子組み換え実験を経験した り、それらの技術について学んでいたら、身近な食品問題に対しても、適切な判断を下せるだろうし、関心を持って報道に耳を傾けるだろうと思います。難しい 用語がたくさん出ていましたが、学校の理科の実験では、身近なことに関連することをやった方が、やる気も出るし、役にも立つと思うので、この実験は効果的 だと思いました。 (教育学部)

・10/12の第1回講義を受けて、自分の知らないうちに、どんどん科学が進歩していた事、熊本大学に最先端の実験室がある事にとても驚きました!!DNAというと、とても難しく、文系の私に理解できるかどうかとても不安だったのですが、小中学校の実験の様子などの資料を拝読し、是非私も参加したいと感じました! (文学部)

・わたしは、これについて賛成します。中学・高校という時期はやはり進路に一番悩む時期だと思うので、そういったときにこういう実験を実施すると興味をもち進路選択に役立つ場合もあると思うからです。わたし自身中学・高校時代は受験勉強としての理科や生物しかやった記憶がなく、こういった実験があったらよかったのになぁと感じました。しかし、そういった時に気をつけるべきところは、やはり楽しくやるというのが一番だと思うのであまり難しい説明をせず、中学・高校の目線に立ってわかりやすい例をあげて説明をすることだと思います。そうすることで、自然に遺伝子についての疑問・興味が学生たちに湧いてくるのではと私は感じます。 (医学部)

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 貴重なアドバイスありがとうございます。 (コメント by 荒木)

・中高生のDNA組換え実験はやり方次第では有意義なものになると思います。僕が中高生の頃は学校の勉強と生活がリンクしていると感じることは少なかったです。そのために興味もあまりわかず別世界のような感覚で取り組んでいました。その一つの要因は授業が可視的に行われることがあまり無かったからです。そういった点から今回紹介されたような光る大腸菌の実験は単純に興味がわくと思います。興味がわけば意欲も出てくるのでそれに関する知識を得ることが楽しくなるので、ひいてはその教科に対するやる気も出てくるので有意義だと思います。 (工学部)

・中学生や生物を履修していない高校生には難しい実験になると考えられるが、ある程度DNAなどについての知識がある学生にとっては面白い実験になると思う。私自身が高校生のときは生物を履修しており、また、生物の授業が好きだったため、実験をやっていたら興味深く実験に取り組めただろう。 (薬学部)

・遺伝子組み替え実験は、大がかりな施設でしかできないと思っていました。しかし、学校の現場に取り入れられたことに、驚きました。理科室でもできるんですね。私も中学や高校で、こういう実験をしてみたかったです。光る大腸菌作りに少し興味を持ちました。 (理学部)

・中学生や高校生のように若いうちからこうした簡単な実験をするのは、実験を通して生物やDNAに関する興味を育むことに繋がると思うので、どんどんやった方がいいと思います。 (文学部)

・中学・高校で組換え実験をするのはとてもいいことだと思いました。若い頃にそういう実験をしておけばもっとDNAに興味を持つようになると思うし、組換えの知識は日常生活でも役立つと思うからです。中・高でそんな実験ができるなんて、今の中高生が羨ましいです。 (法学部)

・中学や高校のうちから、遺伝子組換えの実験ができるなんて、羨ましく思います。これからの社会では、昔よりも遺伝子との関わりが深いものになっています。できる限り、学校などで遺伝子のことをより身近に感じられるような授業をすることは、とても良いことだと思います。 (文学部)

・中学生の頃の生物ではあまり実験がなくどちらかというと実験の多かった物理、化学などに興味をひかれた。組換えDNA実験のような実験は面白いと思うので生物に興味を持たせる良い機会になるのではないかと思うので中学・高校で組換えDNA実験をするのは良いと思う。 (理学部)

・実験を通しての学習は、興味の拡大や記憶の持続を助けると思います。中学生が作成したプリントはきちんとまとめられていて、作成者が実験内容を理解しているのが伝わりました。だから、私は実験を推奨していくのは良いことだと思います。 (法学部)

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 前回配付した「遺伝子組換えで光る大腸菌を作ろう!」という資料は、バイオ情報分野のスタッフ(大学院生)が作成したものです。中学生が作成した訳ではありません。 (コメント by 荒木)

・自分は中学や高校において、組換えDNA実験をしたことはありません。今の中高生はそのような実験を早い時期に体験でき、良い経験になると思います。 (理学部)

・豆製品を見ると「遺伝子組換え大豆を使用しておりません」という言葉が書かれていることが多い。これからは、遺伝子レベルのことがより身近に感じられる場面が多くなると思う。だから、もっとDNAのことについて仕組みや原理を一人一人が知る必要があると思う。そうなると、ただ教科書に書かれているものを単に暗記するだけでは、何か遠い存在だと感じる中高生が多いと思う。実際に自分もそんなふうに考えていた1人であった。そういう実験をするのは、白衣に身を包んだ専門の人たちだから、あまり関係のないことだと思っていた。この様な実験が普通に行われたら、生きているもの全てに存在するDNAのことを難しいものではなく、自分たちに強く関係していることを感じることができると思った。あとは、それを生徒に教える側がもっと勉強して、安全性や恐ろしさなどを教えることができる力量が必要になってくると思った。 (教育学部)

・DNA組換えを本質から理解することは中高生には難しいと思うけど、実験によって身近な事象であるということを実感する上ではいいことだと思います。ただ、組換えの危険などもしっかり理解させる事も大切だと思います。 (理学部)

・私は高校の時、物理、化学をとったので生物の実験は行っていません。中学の時もDNAについての勉強を行っていません。もし、中学の時、今日の講義のような実験を行ったら少なからず生物の分野にも興味を持ったのではないかと思いました。 (理学部)

・中学や高校でこのような実験を行うことはいいことだと思う。こういうことに参加することで、視野が広がると思うから。 (工学部)

・私は高校では生物を全く学んでいなく、大学に入って少し勉強をする程度ですが、中学高校の時からそのようなDNA実験をすることは、生物、DNAについての興味が湧き、その後の理系の進路に深く影響すると思いました。 (理学部)

・普段、私は買い物をするとき遺伝子組換え食品はなんとなく心配だから、という気持ちで組換えでない物を購入していますが、組換え食品は何が行われていてどのような問題点があるのかなどはほとんど把握していません。
 難しい理科用語がたくさん出ていましたが、中学や高校で実験を経験したり、遺伝子組換えについて考える機会があれば、授業も日常と深く関係のあるものになり、興味を持って受けられるだろうし、消費者としてもより正しい判断が下せ、またそれらに関する報道にも耳を傾けるようになるだろうと思いました。 (教育学部)

・遺伝子組み換えというと食品に「遺伝子組み換えのものは使用していません」と表示してあるのをよく見るのでなんとなく怖いイメージしか持っていませんでしたが、光る大腸菌の話を聴いて、遺伝子組み換えはやたらと怖がって遠ざけるものではないと思いました。中学、高校のころから正しい遺伝子組み換えの知識を持つために、学校で遺伝子組み換えの実験を体験するのは良いと思います。 (文学部)

反対意見(2人)
・ニュースで遺伝子組み替えの技術を使って発電ができる大腸菌を作り出すという話しを耳にした。携帯電話の電池等もこれで済むらしい。人類の遺伝子に対する探究心はすばらしいと思う。ただ遺伝子組み替えによって新しい生き物を創りたがるようになってしまっているのではないか。メンデルは神が創った世界の法則を知りたいだけだったのに違いない。(牧師だったから)神になろうとは思わなかっただろう。
 しかし遺伝子組み替えの技術は人間を幸せにする部分があることは間違いない。これまでの医学では治療できなかった病気が遺伝子工学によって治療可能になれば、それはすごく大きな進歩だ。結局遺伝子組み替えの技術はすばらしいものなのだが、地球上に存在しなかった生き物を創り、もし手におえなくなるような思いがけないことが起こったらと思うとぞっとする。自分ら工学部、理学部、医学部の人達は探究心が強い分、つい今の技術のもっと先を見いだそうと思ってしまいます。そこはすごいいいとこなのですがこの場合はそこにもしかしたら落とし穴があるのかもしれません。
 遺伝子組み替えの問題はもっと慎重にゆっくりと進めていくべきだと思いました。 (工学部)

・中学校教育におけるDNA組換え実験には反対である。私の時代の中学校教育ではDNAや遺伝子の概念は学習しなかったと記憶している。また、中学生に科学実験に絡んだ一連の社会的責任に対する倫理観を問うのは酷であろう。まだそこまで精神的に成熟していないから、表面的な議論に終始すると考えられるからだ。それに中学段階では他に学習すべき内容が山ほどあり、あえてDNA組換え実験を取り出す必要性は感じられない。一方、高校段階では学習すべき内容であるから、倫理的問いも踏まえて大いに取り組むべきだ。 (医学部)


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