2006年度 レポート第7回 回答集
熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2007年 9月06日更新
2006年度 最前線の生命科学C レポ−ト第7回(2006年11月22日実施)回答集
[ テーマ ]「あなたの住んでいる町が久山町と同じ試みを始めたら参加しますか? その理由も書いて下さい。」
[ 回答 ](全17人)
<参加する 13人>
・自分は参加します。自分自身、生活習慣病に対する不安が大きいので、アドバイスは欲しいと思うからです。参加者が多ければ多いほど信頼できるデータが得られると思うし、参加者が多いことで単純に信頼できるのではないかと思います。ただし、個人情報の管理は徹底してほしいです。(文学部)
・僕は参加すると思う。なぜなら自分が健康診断などをすることによって回りの人の健康を増進することができるのはとてもいいことだと思うからだ。剖検に関しては、少し抵抗があるが自分自身に関してはすでに死んでいるのでそこらへんの判断は家族に任せたいと思う。ちなみに自分の家族が剖検されるのは僕は嫌である。(教育学部)
・私は久山町と同じ試みには参加します。まずこの試みは「生活習慣病」という誰もがかかり得る病気の予防を目的としています。これは今後の自分にも後々の人にも有益な情報となります。そして個人情報の保護がしっかりしており、安心できるというのも大きいことだと思います。以上の理由により、私は参加します。(薬学部)
・私は自分が住んでいる町が久山町と同じ試みを行った場合、個人情報の管理がしっかりされているならば参加したいと思います。なぜなら、より多くの人を調べることによって、より正確なデータを得ることができ、将来の人々の役に立つと思うからです。しかし、遺伝子の情報など重要な個人情報が含まれているので、個人情報の管理がしっかりされていなければならないと思います。(工学部)
・私は参加します。ITシステムを利用するだけ生活習慣病の発症率を予測し、改善のためのアドバイスをしてくれるなら、ぜひ利用したいと思うからです。そのITシステムのために多くの人の健診データが必要なら健康診断を積極的に受けようと思います。(工学部)
・もし、自分が住んでいる地域で久山町のような試みが始まったら、僕は参加したいと思います。理由は、自分が参加することで何かしらの役にたてるのなら役に立ちたいし、将来医療に携わる者としても、久山町のような試みにはとても関心があるからです。(薬学部)
・私は、もし久山町のような取り組みがあったら参加したいと思います。その一番の理由は、やはり自分の健康状態を明確に知ることができるからです。健康に関心の高い老人ならこんなシステムがなくても自主的に健康管理を行うでしょう。しかし、忙しく働いている30、40、50代の人はなかなか自分の健康まで気遣えないのが事実です。また、個人情報を守るためのセキュリティもしっかりしているという印象も受けました。このようなシステムがあればたくさんの人が健康に関心を持つことができると思います。(医学部)
・賛成です。賛成理由は、細かい変化も記録されるので今の自分に必要なケアが分かるからです。情報が漏れる危険性はありますが、保険に関しては健康管理をして予防する方が良いのではないかと思います。ただ、雇用に関しては不安が残ります。(薬学部)
・私は久山町の試みに概ね賛成である。今後かかり得る病気を前もって知れるというのはとても便利だし、その予防策を教えてくれるというのも非常に魅力的だと思う。しかし、私は久山町民ではないため、私と久山町の人々の環境や生活スタイルは多少なりとも違うはずなので、久山町のデータを基に私が診断された場合、正しい検査結果が出るかどうか少し疑問が残る。(教育学部)
・そういう試みはとても素晴らしいものだと思うし、参加したいと思うが少し不安もある。なぜなら情報の保護に不安があるからだ。最近ニュースで、大手企業の顧客リストが盗まれたとよく聞く。また迷惑メールも携帯に送られてくる。情報は思わぬ所で漏えいするものだ。またこのデータを盗まれるのは、メールアドレスなどが盗まれるのとは比べものにならないほど危険だ。遺伝子は人間の基礎であり、この情報は色んな利用価値が出て来ると思う。そして何より久山町のデータベースがNTTによるネットワークで管理されている事が気になる。NTTデータは超大手企業であり信頼がおける。だが地方でこのデータベースを作る時、はたしてどのくらい情報管理に信頼をおける企業や行政機関があるだろうか。そこでもう一つ問題になるのは、どのくらいの規模でデータベースを作るのかという事だ。町や市単位で行うと、どうしても地方の情報管理レベルが下がる。かといって県で行うとなると住民のデータを正確に収集できるかどうか、どれだけの住民を参加させられるかどうか不安だ。このようにいくつかの不安がある。これらを改善して納得できるようなデータベースができるのならばぜひ参加したい。(文学部)
・私は参加しようと思います。なぜかと言うと、具体的な健康アドバイスを受けることが出来て、これから健康に生活するにはどんなことに気を付ければいいか知ることが出来るからです。確かに大学病院の実験台にされている気がしないでもないですが、ちゃんとプライバシーは守られているし、何より将来的な健康を具体的に考えることが出来るので、この久山町の試みは画期的だと思います。(文学部)
・私はもし久山町と同じ取り組みが始まったら参加しようと思います。その理由は、現在の状況から未来の病気を知ることが出来たら、生活を改善し病気にならない努力をすることが出来るからです。また、データが研究に使われ、他の人の為になったら素晴らしいと思います。(教育学部)
・参加すると思います。自分にとってプラスになってもマイナスになることはないと思うからです。
(教育学部)
<参加しない 4人>
・自分の住んでいる町が久山町と同じような試みを始めても自分は参加しないと思います。その理由は特に無いのですが、死んだあとに解体されるのが嫌なのもありますし、健康状態を報告するのもめんどくさいと感じてしまう。(工学部)
・自分の町が久山町と同じ試みを始めたら参加するか少し考えます。やはり自分の情報をたくさん提供するわけですが、自分の健康状態はもちろん、どんな仕事をしていてどのような生活を送っているのかなど、病気の研究のためにたくさんの個人情報を提供するので個人情報の保護がちゃんと管理されていればいいのですが、情報化社会である現代においていつの間にか自分の情報が漏れていることが多々あるため自分は参加しないと思います。自分を守るか将来の医学の発展に貢献するかが参加するかの焦点だと思います。(工学部)
・私はこの試み自体には賛成ですが、参加するのは気が乗りません。久山町とアイスランドのどちらの場合も、この試みは研究要素が強く、遺伝子情報の取り扱いにも細心の注意が払われているものと思います。しかし、この試みが広まると、情報管理者の不正・汚職等によって情報が流出したり、提供者の望まない形で利用されたりする事件がいつか起こるでしょう。特に製薬・保険・医療会社等にとっては、遺伝子情報は喉から手が出る程欲しいものだと思うので、法律の整備などをしっかりと行うのが先だと思います。(工学部)
・私の住んでいる町が久山町のような取り組みを始めたら、私は参加したくない。確かに久山町の取り組みは医学の発達に繋がるだろうし、個人の健康にもとても良いことだとは思う。しかし、診断を受け、公表されることはなんだか見張られているように感じてとても気持ちが悪いからだ。しかも、何年後に何かの病気になる確率とかを出されても必ずかかるわけでもないし、がんばったからと言って病気にならない保証もない。それなら私は、診断に縛られずに、何も知らずに人生を楽しみたいと思う。(教育学部)
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