2007年度 レポート第10回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2008年 7月25日更新

2007年度 最前線の生命科学C レポ−ト第10回(2008年1月 17日実施)回答集

[ テーマ ]幹細胞研究に期待すること

[ 回答 ](全23人)

・新聞やマスコミからのニュースから入れた知識で、理解できないことが多く、実感が無いのですが・・・・・
 京都大学の山中先生の発表されたiPS細胞の研究はアメリカでも同時発表された。従来のES細胞とは異なり、受精卵ではなく皮膚から取りだした細胞を使う。欧米の生命倫理に抵触しないため、宗教界にも受入れやすい。難病対策、再生医療、新薬開発等極めて大きく期待される。
 国の支援体制も従来ない規模で「国中の研究機関の動員」と「金額支援」に発展してきた。
 アメリカはすごい規模でこの研究への支援を急いでいる。特許申請も使用料だけでも大きな金額となることも狙いがあるとのこと。1つの特許の申請だけでも1,000万円がかかるとのこと。1大学の研究や民間の企業規模では、世界の競争にも太刀打ちできない。
 この特許の分野も含み、日本のiPS細胞の研究が、世界に冠たる業績となることを期待します。 (生涯学習)

・再生医療の研究がこれほど進んでいるのに昨年の11月21日の新聞を読んで驚くばかりだった。人工幹細胞によって患者に拒絶反応がなくなり移植治療が成功したらどんなに素晴らしいことだろう。今まで国外で多額のお金を使い移植にふみきった人達、その移植さえもできず亡くなっていった人。そのまわりの家族。そして今現在病気で苦しんでいる人、多くの人間の光となるだろう事に期待したい。 (生涯学習)

・私が幹細胞研究に期待することは、やはり、それによって、今難病で苦しんでる人の治療ができるようになることです。これは、世界中で多くの患者さんが待ち望んでいることであり、今回の、山中教授の研究によって、その期待はますます大きくなったのではないかと思います。なので、これからはさらに、実用化に向けて問題点を克服していってほしいです。 (医学部)

・iPS細胞はES細胞と比べ、倫理的な問題が少ないため、倫理的なことが大きな問題となる日本にとっては大変期待できるものであると考える。
 また、iPS細胞は自分の細胞であるため拒絶反応を避けることができる。したがって、今まで拒絶反応を防ぐために、術後に多くの薬物療法を余儀なくされていた患者の負担も軽減できると考える。このように、何よりも患者の負担を軽減できることがiPS細胞の魅力であり、今後日本でも早く適応されることを期待したい。 (医学部)

・研究によって拒絶反応のない臓器を作ったり、パーキンソン病などの治療に応用することが実現すれば病気で苦しむ多くの人にとても役に立つことだと思う。また、薬の効果を確認するのにiPS細胞から作った組織で副作用などを確かめられるとプリント書いてあったので、動物実験に頼らなくてもよくなるのかもしれないと思った。
 様々なことに応用でき、私たちに大きな利益をもたらすけれど、そういう技術をどこまで人が操作してよいのかということや、間違った方向に技術の応用が進まないかなど問題も多くあると思った。 (医学部)

・幹細胞研究に期待することは、医療の発展です。これの発達により、ほとんどの病気を治せるようになると思うので早く研究が進めばいいと思います。 (工学部)

・幹細胞研究に期待することは、現在治療の困難な病気の治療や臓器移植の必要な患者への臓器提供をすることです。幹細胞研究が発展することによって病気で苦しんでいるたくさんの人のためになればいいと思います。 (工学部)

・幹細胞研究の発展により、自分の思い通りの臓器や組織が作られればいいと思う。今の臓器移植ではどうしても拒絶反応がでてしまうが,もし自分の思い通りの臓器などができればそういうことがなくなるので早く研究が発展してほしいです。 (工学部)

・私が幹細胞研究にきたいすることは実際に再生医療として使用出来るようになる事です。臓器移植が必要な人でドナーが現れずに移植が出来ないために命を落とす人がいるからです。また、移植された臓器が合わずに拒絶反応によって苦しむ人もいるのでそれを解消するためには必要なものだと思います。
 問題となっているガンを引き起こす可能性があるというのは解決しなければならないと思います。 (工学部)

・本件最近の報道では、めまぐるしい動きがあります。従来の、体性幹細胞から、いまや人工多能性肝細胞への到達、研究者の努力には敬服いたします。
 患者自身の体性幹細胞で、侵された臓器の再生治療の成果が報じられ(心筋や歯骨の再生など)、重篤罹患者へ希望の光を与えているのではないでしょうか。それが、人工多能性幹細胞がつくれる科学技術の到達は、対応出来る疾患が大いに拡大され、それこそほぼ「万能」な可能性があると思います。
 とかくに問題をかかえながら治療されている、臓器移植治療についても、克服される希望が見えるようです。オーダーメード医療とともに再生医療に大きな期待を持ちました。
 それにしてもこの先駆的科学技術の水準と現実の医療環境の劣化、特に最近の救急救命医療の問題、医療施設、産科医などの要員不足の実情は、同じ「命」の問題として対極にあるような気が致しますが、問題は同根だと思います。
 先端医療科学でも、当の研究者が問題発してやっと政府の対応、しかも他の研究予算をまわしてですか?
 国民の「いのち」に対する、政治、行政の貧困性について、おおいに問題化、議論を要するようです。 (生涯学習)
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   素晴らしいレポートだと思います。内容に関して、私も全く同感です。「先駆的科学技術の水準と現実の医療環境の劣化」のギャップに、今の政府は気付いていない、あるいはわざと目をそらしているとしか考えられません。 (コメントby 荒木)

・幹細胞は自己複製することができるので、その必要な部分の状況などにおうじてくれるので、これからの移植技術に大いなる影響をあたえてくれると思う。 (医学部)

・臓器移植提供者が現在大変少ないので、幹細胞研究がより進み、臓器を作れるようになり、現在臓器を必要としている人々の助けになればいいなあと思います。 (教育学部)

・私が幹細胞の発展により求めることは、医療の発展です。自分の細胞によって作る臓器により移植による拒絶反応などがなくなっていけばいいなとおもいます。 (工学部)

・幹細胞から臓器を再生させることは患者に新しい命を吹き込んでくれると思います。将来は病気をしたときに備えて、幹細胞を保存するのが広まるかもしれません。まずはだれでも速く安く安全に再生臓器を作れるように研究が進んでいけばいいなと思います。 (医学部)

・幹細胞研究によって、うまく倫理的問題に発展しないようにクローンをつくらないで悪い臓器だけをつくれるようになればいいなと思います。簡単ではないのだろうけれども。 (医学部)

・ES細胞には前々からいろいろな問題を感じていたけど、IPS細胞の技術が完成すれば、医療がものすごく発展すると思う。
 早くIPS細胞の技術を完成させ、再生医療などに役立つ日がくるのを期待しています。 (理学部)

・医療分野における治療目的に限定したクローンの生成を進めてほしいです。
 生命倫理の問題等、解決していかなければならないことも多数あると思うが、ドナー不足という問題にも直面していると考えるからです。 (医学部)

・私が幹細胞研究に期待することは、クローン技術の医療への研究です。
 クローン技術により、全ての移植手術による臓器、皮膚などの代用が可能になるような時代がくれば、素晴らしいなと思う。 (医学部)

・幹細胞研究に期待することは、再生医療への利用です。将来技術が確立され、自分の細胞からIPS細胞を作って、それを分化させ、臓器を作り出して移植すれば、拒絶反応もなく、様々な病気やけがによって失われた部分や機能を取り戻すことができます。これにより糖尿病の人や脊髄損傷により動けなくなった人等にも治療ができ、より多くの人が人生を有意議に過ごせるようになるだろうと思います。
 ここから先は「期待すること」ではありませんが、もし、この技術がものすごい発達を遂げて、全身のいかなる部位も作り出せるようになったら、どうなるのでしょうか。古くなったり、損傷した体のパーツを次々と取り替え、永遠に生き続けるような時代が来るんでしょうか。
 何となく、踏み込んではならないところに踏み込み始めているような気もします。 (工学部)

・人の万能細胞が作られることで、受精卵を使わずに済むため、これをもとに、臓器や組織を作って補うことができるようになるため、病気や事故で臓器を損傷した人々を助けることができるようになるので、この技術がさらに発展し、私達にも身近なものとなることを期待します。 (工学部)

・人の万能細胞がつくられることで、受精卵を使わないために、生命倫理の問題も少なくなり良いと思います。
 また、万能細胞を用いて神経などを作り、脊髄を損傷した人々などが再び健康な体になることを期待します。 (工学部)

・私が幹細胞研究に期待することは、やはり、再生治療における臓器再生の発展である。これにより、多くの人々の命が救われるとともに、副作用の軽減が考えられるからである。
 しかし、こうした医療の発展の中で懸命にされることもある。人は病気にならないように予防したり、普段の生活習慣を改めたりする。もし、多くの病気がこのような再生医療により、治療可能となった時、人々は病気にかからないような努力をするだろうか。
 少し考え過ぎかもしれませんが、いろいろ問題点もあるのではないかと思う。 (医学部)

・幹細胞研究に期待することは、人工移植への応用です。
 この研究が進めば、他からの臓器をもらうことなく、かつ拒絶反応も起こることがないので、今後の研究に期待したいです。 (工学部)


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