2008年度 レポート第7回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
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2009年10月29日更新

2008年度 最前線の生命科学C レポ−ト第7回(2008年11月13日実施)回答集

[テーマ]治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断に賛成か反対か

[ 回答 ](全41人)

< 賛成 19人 >

・私は出生前診断には賛成です。出生前に病気を知ることができれば、親に産むか産まないかを選択する機会が与えられることになります。親の立場から考えてみると、もし生まれてくる子供が遺伝病を持っていて、そのことに気づいたのが出産後であれば、覚悟のできていなかった親は育児を続ける自信をなくしてしまうかもしれません。その結果、育児放棄などにつながってしまう可能性もありえます。事前に遺伝病の有無がわかっていれば、親は時間をかけてじっくり考えることもできますし、行動を決心する機会を得られることになります。こうすることで、自らの決定に責任を持つことができるようになるではないかと思います。 (工学部)
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 「自らの決定に責任を持つことができるようになる」ためには、インフォームドコンセントが重要ですね。 (コメントby 荒木)

・私は、治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断にどちらかというと賛成である。遺伝病である筋ジストロフィーを例にとると、平均寿命28歳で呼吸がうまく出来なくなってしまうため人工呼吸器をつけなければいけない状況になってしまうことも多いという。そうなれば親の年齢や経済状況から見て育てられるかどうか判断することも必要なのではないかと思う。
 しかし、病気だから生まれてきてはいけない、と言っているかのようにも聞こえてしまってもしかたないようにも思う。障害や、病気をもち支援を必要とする人が出生前診断によって生まれてこないようになれば、今生きている障害者の人々が住みにくい社会になってしまうのではないかとも思う。
 でもやっぱり親は、自分の子供が第一に五体満足で健康に生まれてくることを望むだろう。親の気持ちと倫理的な問題、どちらを優先すべきか…考えてもすぐには答えが出ないように思う。 (教育学部)

・ 私は遺伝子診断には賛成です。発症する前に有効な対策が取れるような病気なら、早急な処置をすることができるし、例え良い治療法がなかったとしても事前に発症する可能性の有無を知っていたほうが、その後、後悔の少ない人生を歩めると私は考えるからです。
しかし、当然のように問題は残ります。例えば出生前診断によって異常が見つかった胎児を堕胎するのは倫理的に間違っていないのか、という問題があります。確かにとても難しい問題で、そう簡単に結論は出ないでしょうが、私の意見を言えば、堕胎することは決して間違いとは言えないと思います。お腹の中の胎児が何を願っているのか誰にも分からないのだから、親が「この子を生むことは幸せにはつながらない」と思うのであれば、その意思を尊重しても良いと思うからです。
 ただ、何にせよ大前提となるのが、きちんとしたインフォームドコンセントが必要である、ということです。これが案外に難しいことになるでしょう。依頼者に遺伝病のことを正確に伝え、なおかつそれを正しく捉えてもらって、さらに依頼者の本当の気持ちを聞き、理解したうえで最善と思われる対処を選択しなければならないのですから。これを不十分にすることは許されません。
私は今言ったことが行われるのならば遺伝子診断に賛成です。しかし、今の医学界を見てみると非常に不安です。まずはインフォームドコンセントの確立を先に行っていただきたいと思います。そういう意味では現状のままでは反対の立場であると言えるかもしれませんが。 (医学部)

・私は遺伝病の出生前診断には賛成です。先に病気が分かるっていうのはショックが大きいかもしれないけれど、できるだけ早くから病気について知っておくべきだと思います。 (工学部)

・賛成である。倫理的に問題があるのかもしれないが、生まれてから突然に遺伝病と告げられるよりもずっといいと思う。親としては、突然遺伝病と告げられたら精神的にきついものがあると思う。遺伝病が出生前にわかって、生まないようにすることがあるかもしれない。それは確かにいけないことだと思う。
 しかし、親も人間で、あまり強くないかもしれないということを考えると出生前診断に反対はできない気がする。 (医学部)

・僕は、治療法のない遺伝病の出生前診断については、行ってもよいと考えます。いうまでもなく、出生前診断を行うということは、場合によっては胎児を出産するか否かを考える機会を両親に与えることになります。これについて、胎児の人権を尊ぶべきという観点から望ましくないと考える人もいると思います。ただ、やはり治療法が確立されていない病である以上、「産まない」という選択肢を作ることは仕方のないことだと思うんです。経済的に、病に侵された子どもを養うだけの余裕がない家庭もありますし、できるなら何の不安もなく長い時間を子どもと過ごしたいと考えるのが親心だとも思うからです。出生前診断を軽々しく(思い通りの子どもを作るなどの理由で)扱うことには反対しますが、今回のテーマのような場合に限っては許されてもよいと思います。 (薬学部)
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 立派なレポートだと思います。 (コメントby 荒木)

・自分は遺伝病の出生前診断には賛成です。講義の中で遺伝病があることがわかったせいで片方が大学に進学できなかった兄弟の話がありましたが、正直な所、自分が大学に行けない立場だったら理不尽に思ったりすると思います。しかし、客観的に見ればそのおかげでもう片方は大学に行けるのだからそれはそれで悪くはないと思います。それに大学を卒業前に死ぬかもしれませんから。だから、自分は遺伝病の出生前診断には賛成です。 (工学部)

・胎児が遺伝病だったとして、その子の将来や母体のことを考慮して生むかおろすかを考えたり、生んだ場合、その病気とどう付き合っていくかを考える時間は必要なので、出生前診断に賛成です。 (薬学部)

・私は治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断には賛成です。治療法が確立されていないのであれば、たくさんの医療費をかけてもそれが完治する可能性は低いと思うからです。もちろん堕胎する場合、母体に身体的にも精神的にも負担がかかるとは思いますし、それが生まれてくるはずだった子どもにとって良い結論であるかどうかはわかりません。 (教育学部)

・私は治療法が確立していない遺伝病の出生前診断に賛成です。自分が病気かどうかわからない…いつか発病するかもしれない…と不安をかかえて生きるよりは、その病気と向き合って生きていくことができる方がよいと考えるからです。 (教育学部)

・治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断については賛成です。子供が遺伝病の遺伝子を受け継いでいるのかいないのか事前に知ることができ、生まれてくるまで心配してすごすこともなくなると思うからです。また、仮に遺伝子を受け継いでいたとしてもその子を育てていく覚悟も持てると思うし、育てていく自信がない場合は最悪中絶という手段もあると思うからです。 (工学部)
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 良く書けていると思います。 (コメントby 荒木)

・僕は賛成です。出生後、発病してから知るよりも、出生前からそのことを知っていた方が、親としての在り方、子供への接し方を考える時間が増えると思うからです。 (工学部)

・私は出生前診断に賛成です。子供が遺伝病にかかったときに感じる辛さが同じなら、前々から覚悟からしていた方がいいと思うからです。確かに治らないのなら発病するまで知りたくないという意見もわかりますが、私ならあらかじめ知って覚悟しておきたいと思うので出生前診断に賛成です。 (工学部)

・私は賛成です。なぜなら、出生前にあらかじめ遺伝病のことがわかっていれば、両親も心の準備が出来るし、治療法が確立されていない遺伝病への知識を前もって知っておくことが出来るからです。
 もちろん、出生前に治療法が確立されていない遺伝病があるとわかれば、法的に人工妊娠中絶を行っても良いとされる基準、「母体の健康を著しく害するおそれのある」場合でなくとも、海外へ行ってでも人工妊娠中絶したいと思う人も出てくるだろうから、それによるさまざまな問題も起きてくると思います。
 しかし、出生前診断は親の「知る権利」の内に入るし、いくら遺伝情報が極めて個人的な情報だとしても、胎仔には「私事権」はないと思います。 (工学部)

・出生前の遺伝子診断ですが、出来ればあった方がいいと思った。それは遺伝子という今のところどうしようもないものが原因であるためです。早い時期に知ることで心構えや、準備などが出来るようになるからです。しかし、出生前の遺伝子診断は生命の倫理に触れるものであり責任ある判断が必要になってくるので、しっかりとした周りの環境が必要だと思った。 (工学部)

・私は賛成です。出生前診断をして子供に異常があるとわかったら中絶してしまうかもしれないが、生まれた後に知ると、育てるのが大変で虐待などをしてしまうかもしれないと思うからです。 (工学部)

・私は賛成です。賛成というと、今ダウン症などの遺伝病にかかっている方に失礼にあたるかと思います。しかし、もし自分が親になったとした時にどう思うだろうか?と考えると、我が子には健やかに育って欲しいという純粋な思いが強いと感じました。なので私は賛成です。 (工学部)

・私は、このテーマについては賛成である。世の中には、自分の子供が遺伝病であるとどうしても育てられないという人も中にはいるはずである。そういう家系に生まれてしまった子供はその後どうなるのかは予想できる。どんな子供でも、受け入れられながら生まれることが1番の幸福である。 (工学部)

・もし産まれてくる子が遺伝病をもっていたとしてもそのことを知りたいと思う。出世前に知ることでそれから先のことについてある程度の準備が出来ると考えているからだ。いずれ分かることならば、突然よりも事前に知りたい。なので私は賛成である。 (工学部)

< 反対 18人 >

・出生前診断は倫理的に許されるかどうかはいつも疑問に思います。確かに遺伝子の病気を持つ子供が生まれると両親に大きな負担や制約が課されます。けれどもだからと言って命を操作することは問題が多すぎます。優性思想が過度に進行すると人間を社会資源としてもののような扱うことになると思います。遺伝病には大人になってからも発症する場合もあり、そういう人がこのまま生きていけなくなるのではと不安です。自分は、人間には運命をそのまま受けとめる肝があると信じたいです。 (医学部)

・結論としては、治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断に反対です。「例えどんなにその人にとって不利益な遺伝子でも、人類全体としてはいつかその遺伝子を必要とする日が来るかもしれない。そのためには遺伝病で苦しむ人は社会全体で支えなければならない。」 遺伝子の研究をなさっていた方で、自ら遺伝子が原因とみられる病気で苦しんでいる女性が、NHKの番組で述べていた言葉です。マラリアと鎌状赤血球遺伝子の例は高校の生物の教科書にも出ているので知っている人も多いかと思います。ヒトという種の存続のため、遺伝的多様性を保つことは重要だと思います。同時に、誕生後遺伝病に苦しむ方への支援はもっと充実させるべきでしょう。 (医学部)

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 確かに出生前診断には優生思想にもつながりかねない危険性があると思います。 (コメントby 荒木)

・出生前診断に反対です。どんな子供だとしても自分の子供だと受け入れるべきだと思います。 (薬学部)

・治療法の確立されていない遺伝病の出生前診断は反対です。遺伝子疾患を持っているからという理由によって中絶する親が出てくると思うからです。遺伝子によって命の選別を行うということがどうしても納得できません。また、遺伝子疾患のない人でも、何らかの原因で情報が漏れることによって、就職、結婚、保険の加入で有利、不利が出てきてしまうのではなか?と考えてしまいます。 (薬学部)

・僕は、出生前診断をすることに対して反対である。そもそも、内部細胞塊を取り出すために受精卵を壊すES細胞に対しての生命倫理の考えが議論されているのに、出生前判断をすることにより遺伝病をもっているということがわかったため堕胎を行い、1つの生命を断ち切るということが生命倫理に反しないはずがない。人間が侵してはならないと言われた領域の中でも人間を選別するという点では最も危険な考えなのではないか?
 あと、これは本で読んだ内容ではあるが『保険会社などに使用された場合、保険に加入できなくなる。』などという可能性もなくはないだろう。 (薬学部)

・私は遺伝病の出生前診断を行う事に反対です。遺伝という自然の法則に逆らうべきではないと思うからです。産まれてきた子供に治療法が確立されていない遺伝病があったとしても夫婦の間に出来た一つの命なのです。出生前診断をしてもし中絶したりしたらもう二度と全く同じ自分達の子供には会えないのです。胎児に異常があったからリセットしてまた新しい子供を産もうという考えをする親もいるかもしれないけれどたった一つでも命を絶やす事は決して許される事ではないと思います。私は良く障害を持った子供のドキュメンタリーわ目にしますが産まなければ良かったと口にする親はいません。だから出生前診断には反対です。 (工学部)

・私は治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断には反対である。
 出生前診断をうけ、胎児が重篤な病気を持って生まれてくることがわかった場合、両親は中絶するか産むかの選択をすることになる。ここで中絶を選択する意味は“劣った人間を排除し優秀な人間のみを得る"ことである。人間は優劣で命を選択してよいはずがない。
 そしてさらに問題なのはダウン症などの遺伝病を持って生まれてきた子への差別の増大である。出生前診断の施行により確実にダウン症などの病気を持って生まれてくる子は減る。優劣を選択できるようになって大多数が正常な人間となる社会において遺伝病などによる障害児の差別はさらに酷なものになると考えられる。また中絶を選択した人にとって遺伝病障害児誕生は自己の選択の否定に他ならず苦しみ、自己肯定を深層心理とする障害児の家族への偏見や差別が起こることも考えられる。
 そのような点からも私は遺伝病の出生前診断には反対である。 (薬学部)
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 立派なレポートだと思います。 (コメントby 荒木)

・出生前診断には反対です。確かに出生前診断を行うことで親は覚悟ができるかもしれませんが、そのことで子供を産むことをやめることになるかもしれません。そうなると一つの命を奪うこととなってしまうので、覚悟ができるというメリットよりもこっちのほうが重いと思います。 (薬学部)

・出生前診断自体には反対ではないが、治療法の確立していない病気に対して診断するのは、あまり好ましくないと思う。出生前診断において、産むか産まないかの選択をするのは母親やその家族である。治療法が確立していないのなら、産んでも子どもに辛い思いをさせる可能性があり、また親も病気を持つ子を育てられるかどうか不安になり、中絶する親が多くなるのではないかと思う。それは、やはり命の選択につながりかねず、私は賛成できない。そして、出生前診断を行って、もし異常が見付かった時、産むかどうかの選択を自分がしなければならないということは、私はあまりしたくないことである。私もいずれ母親になることを考えると、出生前診断をしないと思う。 (薬学部)

・遺伝子疾患の出生前診断についてであるが、私は反対だ。確かに生まれてくる子供が健康であって欲しいと願うのが親であろうし、疾患のある子供を育てることによる精神的、経済的な負担もかなりのものだと思う。しかし自然の摂理の中で淘汰されなかった遺伝子疾患を人間の手で否定してもいいものかどうか。それは生物の多様性、ひいては進化の否定になりはしないだろうか。出生前診断は人類の未来の可能性をなくしてしまうかもしれない思う。 (医学部)
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 確かに「自然の摂理の中で淘汰されなかった遺伝子疾患を人間の手で否定してもいいものかどうか」という視点は重要ですね。 (コメントby 荒木)

・出生前診断には反対です。治療法が確立されている遺伝病ならまだしも、確立されていない遺伝病などとんでもないです。生まれる前から親が覚悟できるように考えるならば必要なことかもしれないけど、治療法が確立されていないのだからどうすることもできないと思います。それなら、生まれてきてから知ることになっても同じことだと思います。現代の科学技術が発達しているのはいいことだと思うけど、何にでも使うべきではないと思います。 (工学部)

・治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断には反対である。デザイナーベビーの意識が高まり、生命を選別しようとするという危惧がある。また、治療法が確立されていない以上、出生前診断を行った場合に、その遺伝病に対してできることは心の準備以外にない。人工妊娠中絶という手が考えられるが、ほとんどの場合堕胎罪の対象となるだろうし、そもそも生まれくる赤ちゃんの人権を損害している危険性がある。 (医学部)

・私は出生前診断には反対です。確かに、自分の生まれてくる子がどんな遺伝病を持っているのか親としては知るべきことなのかもしれない。しかし、親が知ってしまったところで、医療法が確立されていない以上、親にとってはどうすることも出来ず、ただ不安感が募るばかりである。中には、その不安感から中絶を考え出す親もいるかもしれない。これだと倫理的にも問題があると思う。必ず発症するとは限らない遺伝病に不安感を抱かせるぐらいなら、出生前診断は行わない方が良いと思う。 (工学部)
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 『治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断』が検討されるのは、既に家族や親族に優性遺伝病の患者がいる場合です。そういう意味では出生前診断をしなくても不安感は持ち続けることになると思います。逆に出生前診断を行い、優性遺伝病の遺伝子を受け継いでいないことが分れば安心して暮らせるという側面もあります。 (コメントby 荒木)

・私は治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断には反対です。治療法が確立されているのならば早期発見にこしたことはないと思います。しかし、この場合、早く分かったところで不安ばかりが募るだけではないでしょうか。診断さえされなければ、その人は発症するまでの期間を健常者として生きていけるけれど、診断されてしまえばその時点で病気と向き合わざるを得なくなります。人それぞれ考え方は違うと思うけれど、私は前者の方が幸せな生き方に繋がるのではないかと思います。 (教育学部)

・私は、治療法が確立されていない遺伝病の出生前診断に反対です。もしそういう制度が取り入れられたとしたら、就学や就職に影響が出てくる可能性があると思います。例えば、「遺伝病をもっているか」などという質問が可能になり、それによって就学や就職ができない、ということにもなりかねません。確かに、そういう質問によってふるいをかけ、ある特定の遺伝病をもった人がいないために上手くいく、というような利点もうまれるのかもしれませんが、私はそれによって社会全体に利益をうむとは思いません。遺伝病をもった人は意欲を失ってしまうと思います。やはり私は診断に反対です。 (薬学部)

・私は反対です。生まれる前から病気を知ることで生まれた後に色々と規制をうけたりするかもしれません。それなら仮に病気であったとしても、病気が発病するまでは、自由に生きたいです。 (工学部)

・私は治療法の確立されていない遺伝病の出生前診断には反対です。治療法の確立されている遺伝病であれば、出生前診断によって速やかな対策が取れるという利点があり、それによって救われる生命もあるでしょう。しかし、治療法がない遺伝病に対してはその限りではありません。もし、新しい生命を迎えるはずの家族がそれを知ったとしても、けして喜ばないでしょう。だから、治療法の確立されている遺伝病以外の出生前診断はするべきではないと思います。 (工学部)

・私は治療法が確立されていなくても,遺伝病の出生前診断に反対です。例えいずれ病気が発症して大学などで学んだ事を忘れてしまったりしても,それが大学に行った意味がないとは思わないからです。また,出生前診断をして,もし何らかの遺伝病を持っていたら中絶してしまう人達も出てくると思います。私はそんなふうにはしてほしくありません。
 遺伝病をもった子供が生まれても責任を持って育てるべきだと思います。 (文学部)

< どちらとも言えない 4人 >

・遺伝病出生前診断は例えばハンチントン舞踏病将来発生の可能性を調べるのは反対です。子どもはいろいろな可能性を秘めているのに、病気に発症する予定だからといって将来を見限られ、どうせ早く死んでしまうからと言って親に大学に行かせてもらえなかったりしてはいけないと思う。しかし、経済的にどうしてもやっていけない家庭なら仕方無いと思う面もある。私の小学校時代の友達に、お父さんがおらず、お母さんが病気で、社会保障の援助を受けていた子がいました。もしそのような家柄でダウン症やその他病気の子どもが生まれていたら、誰が面倒をみるんだ!って話になります。というわけで、賛成面も反対面もあります。 (教育学部)

・生まれてくる前の胎児の遺伝子に異常があるか診断できるという技術はすばらしいと思いますが,自分は“出生前診断”をする必要はないと思います。生まれてくる命には可能性があるのに,その可能性をつみとることはないというのが個人的な意見です。しかし,現実は遺伝子異常が見つかった場合に堕胎することもあると知った。自分の考え方と違って胎児の遺伝子に異常が発見された場合産まないという選択肢がある場合にはこの出生前診断というがあることはいいことなのかと思うし,そのような人たちにとって産まれてきた後のことを考えるとむしろ必要なのかと思います。 (薬学部)

・私は遺伝病の出生前診断に関して言えば,基本的には賛成です。しかし、この場合は賛成とも反対とも言えません。理由は治療法が確立されていない事から,堕胎が増える点と,先天性の障害を持つ人が減少するという点で板挟みにあうからです。どちらかと言えば私は生産性を重視する方なので,賛成よりの考えを持っているのではありますが、倫理的な問題を無視しきることはできません。多分,日本国内では治療法が確立されない限りの実現は不可能でしょう。 (工学部)

・私は出生前診断に賛成でも反対でもありません。出生前診断をすることで親は産むかどうか悩むと思います。病気だからいって、生まれてくる命を選ぶことはしてはならないと思います。  だけど、生まれてくる赤ちゃんのことを考えると、治療法が決まっていないのなら絶対苦しむことは予想ができるので産まない方がいいと考える親もいるだろうし、金銭的に無理な夫婦もいるかもしれないので、簡単に賛成か反対か決めきれません。 (教育学部)


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