優秀作品(6)
熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
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2011年 9月23日更新
『1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記』(医学部)
(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
木藤亜也さんは身体が動かなくなっていったという事実は案外広く知れ渡っていると思うが、その詳しい病名やその病気の原因、治療法などはあまり知られていないので詳しく知りたいと思ったから。
(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
どんどん悪くなる病気で、先が見えなくても、自分の置かれている状況やできることを自分で整理することで将来に向けて進むことができることを障害者に伝える一方、僕たちが思っている以上に、障害者は悪くなっていく自分の身体を冷静に受け止めているため、僕らが勝手に「障害者だからできない」と決めつけたりすることは一番障害者を傷つけることになるということも私達に伝えたかったのではないかと思う。
(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
まず初めに思ったのが、障害者の視点から見たときの周囲の人の態度に問題があるように感じた。もちろん山本医師のように親身に診療をする先生もいらっしゃるようだが、本によると、患者をひねくり回した上に「おもしろい?」と聞いてくる先生や車椅子に乗っている亜也さんに向かって「ラクチンね」と言った寮母さんなど亜也さんを傷つけている人が多いと感じた。ましてや、子供に「いい子にしてないとあんな風になっちゃうよ。」と亜也さんを見て言う母親もいることを知って正直悲しくなった。このようなことは、ただでさえ病気のことで気持ちが落ち込んでいる亜也さんに追い討ちをかけているに違いない。以後このような間違いが起こらないようにするには、小さい頃からの障害者への理解の教育が必ず必要だと思う。そのためには、ただ学校で障害について習うだけでは本当の障害者の気持ちは決してわからない。だから、定期的に障害者に講演に来てもらって話しをしてもらうのが最も効果的だと思う。障害者への理解を深めて、皆が皆で暮らしやすい状況を作ることが大切だと感じた。
あと、全体を通して感じたことが1つある。亜也さんは、中学校3年生の時に受診した後、高校入学したり、入院したり、また養護学校に転校したりと、現実的な問題になるが普通では考えられないほどのお金がかかっているのではないかと思う。それに加え、地元から離れた病院に入院した時は、家政婦さんまで雇っていたようだ。亜也さんの病気をお金の面から考えるのはすごく失礼なことだと思うが、大切なことだと思う。そこで難病という言葉にひっかかって調べた所、難病指定によって国が医療費を負担するようだ。しかし、最近では、難病対象者の縮小が問題になっていることが分った。日本には、亜也さんのような脊髄小脳変性症で苦しんでいる人の他に、難病指定されていない病気で苦しんでいる人もたくさんいると分った。その人達はどうやって生活していくのか、素直な感想で言うと無理だと思う。お金がないから治療できずに病気が悪化していくなんてことが起こらないように、国が全面的に協力してお金を出す必要があると思う。国もお金がなくて大変だと思うが、苦しんでいる人を見放すことは決して許されない。国が総力をあげて取り組む必要がある問題だと感じた。
この本を読んで、障害者の本当の苦労を少しだが知ることができたし、自分が持っていた知識の間違いにも気づくことができた。そして障害者の家族の方もかなりの不安と苦労に耐えていることを再確認できた。これからの人生にとってプラスになる内容だったと思う。
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