冬休みの課題レポート・2007
冬休みの間にどれか1冊読んで、レポ−ト(別紙書式)を提出して下さい。このレポ−トに関しては、下記基準に従い、私の独断で5段階評価(5点〜1点)します。
5;発想がユニ−クで、その問題を議論する場合に大変参考になる。
4;論理的思考を行い、人を説得する力がある。
3;素直に感想を述べ、自分で感じた事、考えた事がきちんと書いてある。
2;自分では何も考えていない。
1;本当に読んだかどうか怪しい。
この「冬休みの課題」と期末試験は必須項目とします。どちらを欠いても単位は認めません。また通常のレポ−ト(出席)を各1点とし(トータル12点)、「冬休みの課題」(5点満点)及び期末試験の点数(8点満点)と合わせて総合評価します。
(25点満点/25−23:秀、22−20:優、19−18:良、17−15:可、14−0:不可)
「冬休みの課題」提出期限;2008年 1月17日(木)
1)『イエスの遺伝子』
マイケル・コ−ディ 著、 内田昌之 訳、
徳間文庫 上(620円)・下(580円) [2000年2月]
SF。遺伝子スリラ−。たったひとつの体細胞から人間の遺伝子すべてを解読できる装置“ジ−ンスコ−プ”の発明から始まる新しい世界。遺伝子工学とキリスト教。ベンチャ−企業と秘密結社。大変「面白い」小説ですが、いろいろ考えさせられることも多いと思います。
2)『イヴの七人の娘達』
ブライアン・サイクス 著、大野 晶子 訳、
ヴィレッジブックス、377ページ、860円 [2006年11月]
最先端の科学によって明らかにされた人類の歴史。母から子へそのまま受け継がれる「ミトコンドリアDNA」の研究と「PCR」が可能にした真理の探究。盛りだくさんのエピソードをちりばめた、かなり読みごたえのある本です。人種や民族の違いで争うことの無意味さを実感できると思います。文系の人にもお勧めです。
3)『時間の分子生物学』
粂 和彦 著、
講談社現代新書、201ページ、700円 [2003年10月]
「生物時計」という言葉を知っていますか? 一般的には「体内時計」と呼ばれることが多いと思いますが、地球上のほぼ全ての生物の遺伝子には、24時間の時を刻む能力が書き込まれています。分子生物学の最前線で研究している著者(熊大教員)が、生物時計の仕組みと「睡眠」の謎について、優しく丁寧に、なおかつ面白く解説しています。文系の人にもお勧めです。
4)『いのち 生命科学に言葉はあるか』
最相 葉月 著、
文春新書、294ページ、880円 [2005年10月]
脳死、臓器移植、クローン、生殖医療、遺伝子診断、遺伝子組換えなど、生命科学に関する様々な問題をテーマに、哲学、宗教、医療、自然科学など各界の第一人者との対話が続きます。「いのち」について考えるためのすばらしい参考書だと思います。
5)『生物と無生物のあいだ』
福岡 伸一 著、
講談社現代新書、285ページ、740円 [2007年5月]
「生命とは何か?」というテーマを中心に、様々なエピソードをちりばめて生命科学の歴史を分かり易く紹介した読み物です。特に「砂上の楼閣」や「ジグソーパズル」を用いた『動的平衡』についての説明は興味深く、説得力があります。ただ残念なことに、ノックアウトマウスの話以降は説明不足で、少し肩透かしの印象を受けました。私自身が深く関わっている分野だからかも知れませんが。
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