冬休みの課題レポート・2010
冬休みの間にどれか1冊読んで、レポ−ト(別紙書式)を提出して下さい。このレポ−トに関しては、下記基準に従い、私の独断で5段階評価(5点〜1点)します。
5;発想がユニ−クで、その問題を議論する場合に大変参考になる。
4;論理的思考を行い、人を説得する力がある。
3;素直に感想を述べ、自分で感じた事、考えた事がきちんと書いてある。
2;自分では何も考えていない。
1;本当に読んだかどうか怪しい。
この「冬休みの課題」と期末試験は必須項目とします。どちらを欠いても単位は認めません。また通常のレポ−ト(出席)を各1点とし(トータル12点)、「冬休みの課題」(5点満点)及び期末試験の点数(8点満点)と合わせて総合評価します。
(25点満点/25−23:秀、22−20:優、19−18:良、17−15:可、14−0:不可)
「冬休みの課題」提出期限;2011年 1月20日(木)
1)『イエスの遺伝子』
マイケル・コ−ディ 著、 内田昌之 訳、
徳間文庫 上(620円)・下(580円) [2000年2月]
SF。遺伝子スリラ−。たったひとつの体細胞から人間の遺伝子すべてを解読できる装置“ジ−ンスコ−プ”の発明から始まる新しい世界。遺伝子工学とキリスト教。ベンチャ−企業と秘密結社。大変「面白い」小説ですが、いろいろ考えさせられることも多いと思います。
2)『イヴの七人の娘達』
ブライアン・サイクス 著、大野 晶子 訳、
ヴィレッジブックス、377ページ、860円 [2006年11月]
最先端の科学によって明らかにされた人類の歴史。母から子へそのまま受け継がれる「ミトコンドリアDNA」の研究と「PCR」が可能にした真理の探究。盛りだくさんのエピソードをちりばめた、かなり読みごたえのある本です。人種や民族の違いで争うことの無意味さを実感できると思います。文系の人にもお勧めです。
3)『時間の分子生物学』
粂 和彦 著、
講談社現代新書、201ページ、700円 [2003年10月]
「生物時計」という言葉を知っていますか? 一般的には「体内時計」と呼ばれることが多いと思いますが、地球上のほぼ全ての生物の遺伝子には、24時間の時を刻む能力が書き込まれています。分子生物学の最前線で研究している著者(熊大教員)が、生物時計の仕組みと「睡眠」の謎について、優しく丁寧に、なおかつ面白く解説しています。文系の人にもお勧めです。
4)『ハチはなぜ大量死したのか』
ローワン・ジェイコブセン 著、中里 京子 訳、
文藝春秋、339ページ、2000円 [2009年1月]
「CCD」という言葉を聞いたことがありますか?「Colony Collapse Disorder(蜂群崩壊症候群)」という現象が、今、私たちの生活を脅かしています。わずか数年で北半球から4分の1のミツバチが消えたのです。この本を読むと、謎の病気(?)「CCD」についての知識を得ると同時に、現代人がいかにミツバチに依存した生活を送っているのか実感できると思います。食生活に関心がある人、農業に関心がある人、そして環境問題に関心がある人にお勧めの1冊です。
5)『DNA鑑定は万能か』
赤根 敦 著、
化学同人、224ページ、1600円 [2010年3月]
講義の中で一部紹介しましたが、DNA鑑定法の変遷と現状、原理と問題点について解説し、DNA鑑定の可能性と限界についても考察しています。著者は法医学講座の教授であり、司法解剖と行政解剖の現状及び問題点にも触れています。DNAの構造や分析方法、塩基配列の決定方法なども、分かりやすく解説しています。文系の人にもお勧めです。
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