1998年度 教養科目
I 自然と情報  生命科学G
−−夢の技術PCR−−

熊本大学・遺伝子実験施設
  助教授  荒木 正健
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2000年 3月31日


(3)PCRのプロトコ−ル
−−−ネオマイシン遺伝子を例として−−−

1)目的とする遺伝子を検出するための適当なプライマ−を用意する。

例;ネオマイシン遺伝子を検出するためのプライマー(濃度 100 pmol / μl に調整)

  neo-F ; 5'-AGA,GGC,TAT,TCG,GCT,ATG,AC-3'   20 mer
  neo-R ; 5'-CAC,CAT,GAT,ATT,CGG,CAA,GC-3'   20 mer

増幅される領域のサイズ;274bp

2)サンプルを調製する。

  1. マウステールDNAを、TE(DNAを溶かすためにもっとも頻繁に使用される 水溶液;10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA)で10〜20倍希釈する。
  2. トランスジーンの有無を調べたいマウスの他に、正常なマウスのテールDNAも用意する。(ネガティブコントロール)
  3. 目的とする遺伝子をトランスジーンとして持っているマウス(トランスジェニックマウス)のテールDNAか、その遺伝子を含むプラスミドDNAなどを用意する。(ポジティブコントロール)

3)機械を準備する。

例;TaKaRa PCR Thermal Cycler MP ( ¥980,000 )

4)酵素反応を行う。

例;サンプル数が12の場合、1本あたりのボリュームの13倍をミックスし、19 μl づつチューブに分注し、最後にDNAを添加する。必要であれば、ミネラルオイルを重層する。

x 13
DNA1.0 μl---
Ampli Taq0.1 μl・・・1.3 μl
10 x Buffer2.0 μl・・・26.0 μl
10 mM dNTP0.2 μl・・・2.6 μl
primer Neo-F0.2 μl・・・2.6 μl
primer Neo-R0.2 μl・・・2.6 μl
H2O16.3 μl・・・211.9 μl
Total20.0 μl

AmpliTaq DNA Polymerase (ABI)を用いて行う場合、10 x Buffer には 15 mM MgCl2 が含まれている。もし、使用する酵素の10 x Buffer に MgCl2 が含まれていない場合は、25 mM MgCl2 溶液などを用いて、Final 1.5 mM に調整する。

5)電気泳動を行う。

PCR反応が終わったら、5 〜 10 μl を分取し、アガロースゲル電気泳動を行う。EtBrは最初から入れておいても良い。

Gel
M;サイズマーカー
P;ポジコン
N;ネガコン
1〜5;サンプル

***ポジコンのバンドと同じサイズのバンドがあるかどうかを調べる。***


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