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Q:PCRの応用例は?

A:
PCRには次のような応用があります。

1)ウイルス感染の検出
 PCRは感度が高く、ウイルスの感染をごく初期の段階で検出することができます。
 この場合は、ウイルスゲノムに相補的な短い配列をプライマーとして増幅を繰り返すと血液試料中に、ウイルスゲノムが1コピー存在するかどうか調べられます。(例:エイズウイルスの検出)
2)個人識別
 PCRは法医学に大きな可能性をもたらしています。非常に感度が高いため、ごく微量の試料でも調べることができ、わずか1個の細胞しか含まない血痕や組織片からでも、その持ち主のDNAを手に入れることができます。
 ヒトのゲノムDNAの塩基配列には(一卵性双生児を除いて)個人差があり、ほかの誰とも全く同じということは起こりません。このためヒトゲノムの中で多様性の高い領域において何種類かのプライマー対を選んでPCRを行うと、個人に特有なDNAを得ることができます。
3)遺伝子診断
 とくに遺伝性疾患において、ある病気の原因がDNA塩基配列の変異であることがわかった場合には、DNAの塩基配列を検査するだけでその病気にかかっているかどうか診断できます。これを遺伝子診断といいます。この場合、口内細胞や血液、体液、毛髪からDNAを採取しそのDNAをPCRにかけて検出します。