熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2ー2ー1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2003年 1月11日更新
日時;1997年10月30日(木)
午後3時〜6時
場所;熊本大学遺伝子実験施設
6階 講義室
講師及び講演内容;
奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科、教授 松原 謙一
1970〜80年代に殆ど任意の遺伝子を取り出し、調べ、細胞に戻して働かせるDNA研究が生物科学の様相を大きく変えたことは記憶に新しい。そしてその線上に、ヒトを含むいろいろの生き物について各々のゲノムが担っている全遺伝情報を解読する努力が世界中で進められている。その拠って立つところを概観し、それが21世紀に向けてゲノムサイエンスとして発展してゆくありようについて私見をのべる。
JT生命誌研究館、副館長
中村 桂子
生物の魅力は共通性を持ちながら多様であるところにある。共通性の探究と多様性への関心は学問として別の道を歩いてきたが、近年、DNA(ゲノム)を通してこれがつながってきた。20世紀の生物科学の成果である生命現象のメカニズムの解明を踏まえて、生き物の全体性(個体)、歴史性、関係性などにどのように迫っていくか。生物科学が新しい展開をする時ではないか。また社会の中での(生物)科学のありようも変りつつあるのではないか。生命誌研究館の活動を紹介しながら考えてみたい。