アクティブボード・1月

熊本大学・遺伝子実験施設
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2002年 1月 6日 更新


アクティブボード・2002年 1月

研究発表を行った学会;第24回日本分子生物学会年会
2001年12月9日〜12日(横浜)
タイトル;b-HLH型転写因子dHANDのAktによるリン酸化およびその活性制御機構の解析
発表者;村上 政男
   (発生医学研究センター 胚形成部門 細胞識別分野)
Abstract;
 dHANDはb-HLH(basic helix-loop-helix)モチーフを持つ転写制御因子であり、E-proteinと2量体を形成して機能しているものと考えられている。発生過程における発現パターンとノックアウトマウスの解析から、心臓の発生、形成過程で重要な働きをしていることがわかっているが、dHANDが転写因子としてどのように機能しているのかについての分子レベルでの詳細な解析はほとんど行われていないのが現状である。本研究では、dHANDがAktによりリン酸化を受けること、AktとdHANDが相互作用することを見いだしたので報告する。dHANDの欠質変異体を用いたin vitro phosphorylationの解析から、C-末端側の領域に含まれる複数箇所のセリンおよびスレオニン残基がリン酸化を受けることがわかった。さらにsite directed mutagenesisによりリン酸化部位の詳細な解析を行ったところ、basic regionに存在するスレオニン残基が特に重要であることがわかった。AktによるdHANDのリン酸化部位はb-HLHドメインに集中していたことから、dHANDの2量体形成能やDNA結合活性がAktによるリン酸化により影響を受ける可能性があると考え、ゲルシフトアッセイでdHANDのDNA結合活性を解析したところ、リン酸化によりDNA結合活性が大きく減少することがわかった。このことから、dHANDはAktによりリン酸化を受けることによって、その活性がネガティブに制御されている可能性が示唆された。


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