アクティブボード・6月

熊本大学・遺伝子実験施設
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2002年 6月17日 更新


アクティブボード・2002年 6月

研究発表を行った学会;日本発生生物学会第35回大会
2002年5月21日〜23日(横浜)
タイトル;可変型遺伝子トラップクローンを用いた遺伝子置換システムの確立
発表者;春名 享子 氏
   (発生医学研究センター 臓器形成分野)
Abstract;
 我々は、従来の遺伝子トラップ法を発展させた、遺伝子置換の可能な可変型遺伝子トラップシステムを開発してきた。ここに用いた置換システムとして、Cre/loxシステムとFlp/FRTシステムの両方を利用している。この遺伝子置換システムの有用性を示すために、応用実験系の一例としてトラップベクターpU-17で得られたクローンを用い、トラップベクターのレポーター遺伝子であるbeta-geoをEGFPに置換する実験を行った。これまでトラップベクターpU17で多くのトラップクローンを得ている。今回はその中の2種類のクローンについてCre/loxシステムを用い、beta-geoをEGFPに置換し、この遺伝子置換が非常に高い確立で効率良く起こることを示した。このESクローンからキメラマウスを作製した後、マウス系統を樹立した。beta-geoをEGFPに置換したクローンは薬剤耐性遺伝子によって選択しているのだが、それが置換後の遺伝子発現に影響を与える可能性があった。そこで置換ベクターの薬剤耐性遺伝子をFRT配列で挟み、遺伝子置換後にFlpにより脱落させることを考えた。しかし、ES細胞に対して3回のポレーションを行うこととなると、このESクローンを用いた以降のキメラマウス作製への影響が懸念されたので、Flpを発現するdeleterマウスをDNAのマイクロインジェクションによって作製した。このマウス系統との交配による薬剤耐性遺伝子部位の脱落を行い、期待通りのマウスを得ることが出来た。現在、遺伝子置換前のレポーター遺伝子であるbeta-geoと置換後のEGFPの発現を比較するための解析を行っている。


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