アクティブボード・8月

熊本大学・遺伝子実験施設
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2002年 8月23日 更新


アクティブボード・2002年 8月

研究発表を行った学会;日本発生生物学会第35回大会
2002年5月21日〜23日(横浜)
タイトル; 可変型遺伝子トラップによるトラップラインの樹立と解析
発表者;谷脇 琢也 氏
   (発生医学研究センター 臓器形成分野)
Abstract;
 遺伝子トラップ法は内在性遺伝子のプロモーター活性を利用し、それを指標に遺伝子を同定する手法であり、ES細胞を用いることで、個体レベルの遺伝子機能解析も同時に行えるすぐれた手法である。我々はこの手法にCre-loxシステムを応用し、トラップベクター挿入後に、そのレポーター遺伝子を別の遺伝子に置換できる可変型遺伝子トラップ法を開発してきた。
 変異lox配列をβgeo遺伝子の前後に配置したトラップベクターpU-17を用いて、ES細胞に導入、2000クローン以上を単離した。サザンブロットでsingleコピー挿入を確認したものについてキメラマウス作製、5'RACEによるトラップされた遺伝子の同定を行っている。現在までに300クローンを用いてキメラマウスを作製しており、120系統以上のトラップマウスラインを樹立した。pU-17の特徴は、βgeoの開始コドンの前にinframeで終止コドンが存在することである。したがってトラップベクターがトラップされた遺伝子のATGの上流、もしくは少なくともATG周囲に入らないとG418耐性にならないと予想され、ベクター挿入によりトラップアレルがnullになる可能性が高いと期待される。今回、同定された既知遺伝子をトラップしたクローンに関してみると、9割以上の確率でATGの周辺に挿入されており、pU-17が有効に働いていることがわかった。


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