アクティブボード・2002年10月
研究発表を行った学会;日本発生生物学会第35回大会
2002年5月21日〜23日(横浜)
タイトル;新規ニワトリレンズ上皮由来細胞外分泌因子・clone 1の発現及び機能解析
発表者;栗山 正 氏
(大学院医学研究科 脳・免疫統合科学系 神経分化学講座)
Abstract;
我々は酵母変異株を用いたシグナルシーケンストラップ法によりニワトリレンズcDNAライブラリーから数種の分子を得た。そのうちの一つであるclone1は細胞外分泌型で、LCCLドメインとvon Willebrand Factor type A domain (vWA) の繰り返し配列を持つ新規分子であった。その構造はニワトリCOCH-5B2とvWAドメインで69%, ヒトvitrinのvWAドメインと83%のホモロジーを持っていた。しかしながら、ドメインのコンセンサス配列以外の部分にclone1特異的な部分が存在した。ニワトリの眼胞における発現はレンズ上皮細胞とRPEの一部にのみ見られ、眼胞を囲むように発現していた。機能解析の為、アフリカツメガエル胚の4細胞期背側割球の動物極付近にclone1のmRNA 250 pg-1 ngを顕微注入したところ、眼が脳胞から分離せず、RPEで囲まれたoptic stalkを形成した。また前脳領域に発現させたものでは異所的な眼胞の形成を誘導した。LCCLやvWAドメイン等のtruncated mRNAを作成し注入することで、clone1の機能ドメインを見いだした。
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