アクティブボード・2004年5月

     ・・・・・2004年5月12日更新・・・・・

研究発表を行った学会;第17回日本エイズ学会
2003年11月27日〜29日(神戸)
タイトル;HLA-A*2601に提示されるHIV-1 CD8 T細胞のエピトープ同定
発表者;佐藤 愛美 氏
   (熊本大学 エイズ学研究センター ウイルス制御分野)
Abstract;
 アジアで、HLA-A*26はA*2、A*24についでアジアで多いHLAクラスIアレルであり、その割合は約20%にも及ぶ。HLA-A*2601はHLA-A*26のなかで大半を占めており、この抗原によって提示されるHIV-1 CD8 T細胞エピトープは、ワクチンの開発、エイズ発症のメカニズムの解明に必須である。
 我々はHIV-1 SF2シークエンスの中から、HLA-A*2601のbinding motif(P2:V,T,F,L,IC末端:Y,F)に合致する124個のペプチドを選択、合成した。TAP欠損RMA-S-A*2601細胞を使い、これらの124個のペプチドとHLA-A*2601とのbinding ability を調べた。その結果27個のペプチドがHLA-A*2601に結合した。HLA-A*2601を持つHIV-1感染者のPBLを結合したペプチドで刺激し、約2週間培養した後、これらのペプチドによるサイトカインの解析を行った結果、5つのペプチドに対してサイトカインの産生をするCD8 T細胞の誘導を確認できた。さらに、HIV-1 recombinant vaccinia virus を感染させたC1R-A*2601細胞をstimulator としたときのサイトカイン産生能を調べた結果、4つペプチドに特異的なHIV-1 CD8 T細胞からサイトカインの産生が見られた。このことからこれら4種類のペプチドがCD8 T細胞エピトープであると考えた。さらに、複数のHIV-1感染者PBLをエピトープペプチドで刺激し、サイトカインの解析をした結果、このうち2つのペプチドがdominantエピトープであることが明らかになった。


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