研究発表を行った学会;第51回日本実験動物学会総会
2004年5月20日〜22日(長崎)
タイトル;マウス胚のPCR解析における品質管理システムについて
発表者;橋口 朋代 氏
(株式会社トランスジェニック、
熊本大学 生命資源研究・支援センター 資源開発分野)
Abstract;
【目的】トランスジェニック社(TG社)では大規模な遺伝子破壊マウス作製を事業としており、系統樹立したラインは胚・精子を凍結する事で保存し、マウスが生体として必要な場合には、凍結胚を融解し移植する事により個体を作製している。しかし、凍結された胚より再度目的の系統が得られない危険性があり、このような事故を未然に防ぐためにも動物を全て陶太処分する前に、凍結保存した胚の導入遺伝子をチェックすることが必要である。本研究では、TG社で保存している凍結胚を用いて胚の品質管理に必要な数について調べた。
【方法】輸送条件は下記の4条件を設けた。1.胚を簡易ガラス化法にて凍結後ドライシッパーで輸送、2. 1.5mlチューブに胚を胚培養液と共に入れ室温で輸送、3. 1.5mlチューブに胚を胚培養液と共に入れ-80℃で凍結しドライアイスを入れた発泡スチロールで輸送、4. Proteinase Kによる処理をおこなった胚を-80℃で凍結しドライアイスを入れた発泡スチロールで輸送した。
【結果および考察】どの条件でもPCRを行うことが可能であった。このことより、培養液を入れた特殊な凍結技術を用いずに、胚を凍結し、ドライアイスにて輸送した胚を用いロットチェックが可能であることが明らかになった。また、胚の品質管理には最低5個の胚があれば解析可能であることがわかった。
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