研究発表を行った学会;第27回日本分子生物学会年会
2004年12月 8日〜12月11日(神戸)
タイトル;Rad18 guides polymerase η to replication stalling sites through physical interaction and PCNA monoubiquitination.
発表者;立石 智 氏
(熊本大学 発生医学研究センター 組織制御分野)
Abstract;
紫外線の照射などによりDNAに損傷が発生すると、通常のDNA複製酵素はその部位を乗り越えてDNAを複製することができないため、変異の蓄積により発癌の原因になると考えられている。種々の生物の細胞では、Rad6-Rad18遺伝子を中心とするRad6エピスタシス遺伝子群産物の働きにより、これを回避している。われわれは、Rad18が色素性乾皮症バリアント群の原因遺伝子産物であるポリメラーゼηに直接結合することにより、その細胞内局在を制御していることを明らかにした。また細胞に紫外線が照射されるとPCNAタンパクがモノユビキチン化されるが、この反応はRad18欠損細胞ではみられない。精製したRad18タンパクはin vitroでPCNAタンパクをモノユビキチン化することから、Rad18はE3酵素であることがわかった。モノユビキチン化したPCNAは、ポリメラーゼηに対する親和性が高くなっていた。以上の結果から、Rad18によるPCNAのモノユビキチン化の意義を考察したい。
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