研究発表を行った学会;日本DDS学会
2005年 7月22日〜 7月23日(長崎ハウステンボス)
タイトル;血清耐性を有するマンノース修飾デンドリマー/α-シクロデキストリン結合体の遺伝子導入用キャリアとしての有用性評価
発表者;千原 裕子 氏
(熊本大学 薬学教育部 製剤設計学研究室)
Abstract;
【目的】
我々は先に 、Generation 2 (G2) の Dendrimerとα-シクロデキストリンとの結合体 (α-CDE結合体) (G2) にマンノースを 3 個導入した結合体 (Man-α-CDE 結合体) (G2) の遺伝子導入効率がマンノースレセプターの発現の有無に関わらず α-CDE 結合体 (G2) に比べて有意に高いことを報告した。本研究では更なる遺伝子導入効率の改善を企図して、Generation 3 (G3) の Dendrimer を用いた Man-α-CDE結合体 (G3) を合成し、その遺伝子導入効率について検討した。
【方法】
レニラルシフェラーゼをコードする pRL-CMV と各キャリアの複合体を細胞に添加後 24 時間におけるルシフェラーゼ活性を測定することにより遺伝子導入効率を評価した。
【結果・考察】
α-CDE 結合体 (G3) に対して種々の数のマンノースを導入した結合体の遺伝子導入効率を比較した結果、A549 細胞においてマンノースを 10 個導入したMan-α-CDE結合体 (G3) が最も高い遺伝子導入効率を示し、その導入効率は市販遺伝子導入試薬である LipofectinTM よりも有意に高い値を示した。Dendrimer (G3) および α-CDE 結合体 (G3) の遺伝子導入効率は、血清存在下 1/2〜1/3 まで低下したが、Man-α-CDE 結合体 (G3) のそれは血清の影響をほとんど受けなかった。また、Man-α-CDE (G3) 結合体の遺伝子導入効率は、Man-α-CDE (G2) 結合体の約 100 倍高い値を示した。以上の結果から、Man-α-CDE (G3) 結合体は血清耐性を有する遺伝子導入用キャリアとして機能することが示唆された。
|