研究発表を行った学会;第28回日本分子生物学会年会
2005年12月 7日〜12月10日(福岡)
タイトル;可変型遺伝子トラップクローンデータベース
(EGTC)登録マウスラインの
トラップ遺伝子の同定とゲノム上へのマッピング
発表者;荒木 喜美 氏
(熊本大学 発生医学研究センター 臓器形成分野)
Abstract;
遺伝子改変マウスは、個体レベルでの遺伝子機能解析を行うための有力なツールである。遺伝子トラップ法は,トラップベクターをES細胞のゲノムにランダムに挿入、そのトラップESクローンから挿入変異マウスラインを樹立するという手法であるが、我々は、ベクター内の遺伝子置換が可能な、『可変型遺伝子トラップ法』を開発、多くのマウスラインを樹立しており、それらトラップラインのデータベースEGTC; Database for the Exchangeable Gene Trap Clones [ http://egtc.jp/ ]を構築し、2004年8月から全世界に公開している。今回、gene trap sequence-tagのマウスゲノムへのマッピングを中心に、大幅なバージョンアップを行ったので紹介する。
可変型遺伝子トラップベクターpU-21, pU-21B, およびpU-18は、bgeoを用いたベクターで、ES細胞で発現している遺伝子をトラップできる。我々は、トラップクローン単離後、まず1コピーのみ挿入されたクローンを選び、キメラマウスを作製、マウスラインが樹立できた系統に関して、トラップされた遺伝子の同定をES細胞のRNAを用い、5'-RACE法を用いて解析、得られた塩基配列をDDBJに登録している。2005年8月現在、53クローンが登録済みであり、内訳は、既知遺伝子28、EST15、新規遺伝子10であった。これらのgene trap sequence-tagを、UCSC Mouse BLAT Searchにかけ、マウスゲノムへのマッピングを行い、それらのゲノム上の位置を同定、各クローンのページからUCSCブラウザのページにリンクを張った形で公開している。
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