熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2000年5月18日 更新
内容:
(1)「第15回遺伝子技術講習会」のお知らせ
(2)「第16回遺伝子技術講習会」のお知らせ
======= 第15回遺伝子技術講習会 =======
「光ピンセットとマイクロダイセクション」
日時:2000年5月23日(火)〜24日(水)
23日(火)14:00〜15:00・・・講習会(第1回)
15:00〜17:00・・・フリーデモ
24日(水)10:00〜11:00・・・講習会(第2回)
11:00〜12:00・・・フリーデモ
場所:熊本大学・遺伝子実験施設・6階・講義室(602)
講師:尾崎 正一 氏 [盟和商事(株)]
使用機器;
レーザーマイクロマニピュレーションシステム・CRI-1000
製造:米国セル・ロボテックス社
販売:盟和商事(株)
内容:
「光ピンセット」という言葉を聞いて、どういう物かイメージが
湧く人は少ないのではないでしょうか? 今回、レーザービームで
対象物をつかんでつまみ上げたり移動させたりする「光ピンセット」
と、パラフィン切片や凍結切片上の細胞をレーザーで切り抜き回収
する「マイクロダイセクション」が出来る機械を講義室に持ち込み、
実演しながら説明してもらうことにしました。同じ内容で2回講習
会を行います。自由に見てもらうためのフリーデモの時間もとって
います。御都合の良い時にご覧下さい。
講習会には、OHP を用いた概要、特徴、構成、利用例の説明、
ビデオを用いたアプリケーションの説明、及びデモ(実演)を予定
しています。
実演内容:
マイクロダイセクション・・・
凍結切片から細胞を切り抜きマイクロチューブに回収するまで
光ピンセット・・・・・・・・イースト菌の捕捉
======= 第16回遺伝子技術講習会 =======
テ−マ;ゲノム科学による複雑なシステムの解析
--- 小脳皮質構築過程の発現プロフィール ---
日 時;平成12年 6月16日(金)16:00〜17:30
場 所;遺伝子実験施設・6階・講義室(602)
講 師;加藤 菊也 博士
奈良先端科学技術大学院大学
大正製薬ゲノム機能解析講座 助教授
講演要旨;
少なくともこれからの10年間は、ゲノム科学を無視した生命
研究はあり得ない。特に、発現プロフィール、多数の遺伝子の発
現状態を記載するアプローチは、これまでの個々の遺伝子を解析
していくアプローチと全く異なるヴィジョンを呈示する点、特に
重要である。
発現プロフィール解析技術としては、マイクロアレイが衆目を
集めているが、我々はマイクロアレイに匹敵する能力を持つ
アダプター付加競合PCR法(Adaptor-tagged competitive
PCR, ATAC-PCR)という技術を開発した。この技術を用いて、
マウス小脳皮質の構築過程の遺伝子発現の動態を1869個につ
いて解析した。その結果、細胞増殖に関係したものは発生の初期
に発現量の多いものに多く、神経細胞の機能に直接関わるものは
分化した時期に高発現することがわかった。これは、それぞれの
ステージの小脳皮質の状況に見事に一致する。
本セミナーでは我々の研究を紹介しながら、発現プロフィール
の実験技術とデータ解析技術について概説するとともに、ゲノム
科学が生命科学と医学全般に与える影響について論じる。