今月のお知らせ
  (平成12年6月)

熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2000年6月4日 更新


今月のお知らせ(6月)

 内容:
  (1)「第16回遺伝子技術講習会」のお知らせ
  (2)利用者登録について


<これまでのお知らせ>


(1)「第16回遺伝子技術講習会」のお知らせ

======= 第16回遺伝子技術講習会 =======

テ−マ;ゲノム科学による複雑なシステムの解析
   --- 小脳皮質構築過程の発現プロフィール ---

日 時;平成12年 6月16日(金)16:00〜17:30
場 所;遺伝子実験施設・6階・講義室(602)

講 師;加藤 菊也 博士
    奈良先端科学技術大学院大学
    大正製薬ゲノム機能解析講座 助教授

講演要旨;
 少なくともこれからの10年間は、ゲノム科学を無視した生命
研究はあり得ない。特に、発現プロフィール、多数の遺伝子の発
現状態を記載するアプローチは、これまでの個々の遺伝子を解析
していくアプローチと全く異なるヴィジョンを呈示する点、特に
重要である。
 発現プロフィール解析技術としては、マイクロアレイが衆目を
集めているが、我々はマイクロアレイに匹敵する能力を持つ
アダプター付加競合PCR法(Adaptor-tagged competitive
PCR, ATAC-PCR)という技術を開発した。この技術を用いて、
マウス小脳皮質の構築過程の遺伝子発現の動態を1869個につ
いて解析した。その結果、細胞増殖に関係したものは発生の初期
に発現量の多いものに多く、神経細胞の機能に直接関わるものは
分化した時期に高発現することがわかった。これは、それぞれの
ステージの小脳皮質の状況に見事に一致する。
 本セミナーでは我々の研究を紹介しながら、発現プロフィール
の実験技術とデータ解析技術について概説するとともに、ゲノム
科学が生命科学と医学全般に与える影響について論じる。

(2)利用者登録について

 遺伝子実験施設を利用するためには、『熊本大学遺伝子実験施
設利用申請書』を提出し、利用者登録を行う必要があります。遺
伝子実験施設利用承認を受けていないのに、スタッフに無断で施
設を利用した者については、悪質な場合『ルール違反者の処置方
法についての申合せ』
を適用します。最近、利用登録を行ってい
ない人物が、登録利用者の名前を使って機器を使用しているケー
スが見受けられます。悪質なルール違反者と考えられます。遺伝
子実験施設では、ほとんどの機器に関して使用記録ノートへの記
入を義務づけていますが、何か問題が起きた場合に、他人の名前
で記帳されていると連絡が取れません。たとえ教授に頼まれて作
業を行う場合でも、実際に使用する人物の名前を書いて下さい。
もし遺伝子実験施設の利用者登録をしていない場合は、スタッフ
に連絡し、利用者登録を行って下さい。


熊本大学・遺伝子実験施設; E-mail:www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp