内容:
(1)第61回遺伝子技術講習会のお知らせ
(2)第62回遺伝子技術講習会のお知らせ
(3)『アクティブボード』 について
下記日程で、第61回遺伝子技術講習会を開催します。今回は2つの話題をご紹介します。
また、関連する顕微鏡のデモも予定しています。多数の方の御来聴を歓迎いたします。
=== 第61回遺伝子技術講習会 ===
主 催:熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設
共 催:拠点形成研究B「新世代生命科学におけるプロテオミクス
研究・教育システムの構築」
テーマ:「新しいプロテオミクス解析から in vivo イメージングまで
〜オリンパス・バイ オ解析システムの最前線」
日 時:11月8日(火) 15:00〜17:00
場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設
6階・講義室(602)
講 師:オリンパス株式会社 バイオ事業推進部 加藤 則子 氏
内 容:
(1)MF20による新しい分子間相互作用解析システムのご紹介
〜生体内に近い環境下による分子間相互作用解析〜
1分子蛍光分析システムMF20の最大の特長は、分子間の相互作用を
生体に近い環境下で計測できるという点にあります。分子が自由に活
動できる溶液中で計測するので、固相化によって分子の活動を妨げる
心配がありません。
(特長)
1.生体に近い環境下で解析:細胞膜貫通型レセプター(GPCR等)も解析可能。
2.高速に多検体処理が可能:1検体あたり0.5秒から30秒で計測完了。
3.固相化不要で前処理が簡単:一方の分子を蛍光ラベルするだけ。
4.低ランニングコスト:消耗品はマイクロプレートのみ。サンプル量は50μL
(主な実験例)
・細胞膜分画を使用するリガンド・レセプターアッセイ(GPCR等)
・ペプチド・タンパク質の相互作用(Grb2のSHドメインとリン酸化
チロシンを含むペプチドなど)
・糖・レクチンの相互作用
・DNAと転写因子の相互作用(細胞核抽出物を使用も可能)
・酵素活性の作用(プロテアーゼによるタンパク質の分解作用など)
・抗原・抗体反応
<ホームページ参照>
(2)世界最小の対物レンズを搭載した小動物の生体内観察用
レーザ走査型顕微鏡「IV100」
〜がんや創薬、脳神経などの研究に向けて〜
IV100InVivoレーザー走査型顕微鏡は、肝臓、腎臓、膵臓を低侵襲
で生体内の観察を行うことができます。例えば、血管造影を行う色素
と蛍光タンパクで染色した腫瘍を光らせることで、細胞レベルで腫瘍
細胞の動きを低侵襲で観察できます。
(特長)
1.世界最小のスティック対物レンズ搭載:生きた小動物を低侵襲に観察。
2.生体への透過性が高い近赤外レーザにも対応:小動物の臓器の深部まで観察可能。
3.蛍光の3チャンネル同時測定が可能。
4.観察する場所にあわせて対物レンズの挿入角度を変更可能。
(主な実験例)
・肝臓、腎臓、膵臓を低侵襲で生体内の観察。
・血管造影を行う色素と蛍光タンパクで染色した腫瘍を光らせ、
細胞レベルで腫瘍細胞の動きを低侵襲で観察。
・薬効、代謝、創薬、脳神経、早期発見につながるがんの研究分野。
<ホームページ参照>
下記日程で、第62回遺伝子技術講習会を開催します。今回は、第25回遺伝子技術講習会(2002年5月9日開催)において、大変ユーモラスで判り易い解説が好評だった三輪佳宏先生をお呼びすることにしました。2部構成になっています。第1部は、初心者を対象とした基礎技術セミナーです。第2部は、三輪先生が開発された『デグラトンプローブ』という最先端の技術をご紹介します。多数の方の御来聴を歓迎いたします。
=== 第62回遺伝子技術講習会 ===
主 催:熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設
共 催:拠点形成研究B「新世代生命科学におけるプロテオミクス
研究・教育システムの構築」
テーマ:「蛍光タンパク質イメージング
〜細胞から個体まで〜」
日 時:11月14日(月) 15:00〜17:00
場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設
6階・講義室(602)
講 師:筑波大学 大学院人間総合科学研究科
分子薬理学 講師 三輪 佳宏 先生
内 容:
第1部 15:00〜15:50 「新しい蛍光タンパク質達を使いこなそう!」
蛍光タンパク質GFPが、汎用されるようになって10年が経過し、すでに100種類を超える蛍光タンパク質が存在する。またそれにともなって、蛍光タンパク質の応用法についても、次々と新しい方法が開発されている。しかしながら新しい蛍光タンパク質を使いこなそうとする時、蛍光を検出するための顕微鏡やフローサイトメーターといった装置には様々な制約があり、部品も高額なものも多く、一般になじみが少ないためにおいそれとは手が出し難い、という研究者も多いのではないかと思われる。そこで、このセミナーでは、「実際に使いこなす」ことに主眼をおいて、蛍光タンパク質にあまり馴染みのない方でもわかるように、技術的な側面を紹介する。
参考) 三輪佳宏, 田中順子, 藤村浩史, 川澄涼子
「蛍光タンパク質を用いたマルチカラーフローサイトメトリー」
生化学, 77, 1204-1208, 2005
第2部 16:00〜17:00「デグラトンプローブを用いたバイオイメージング」
私達はいくつかの結果から、「単独の状態では迅速に分解されるが、特定の分子と相互作用により分解を受けなくなる」という性質を獲得させた変異タンパク質をデグラトンタグ、このデグラトンタグを蛍光タンパク質などと融合させたものをデグラトンプローブと呼ぶことにした。このプローブを用いると、生きたままの細胞中で特定の分子やタンパク質間相互作用を検出することが可能になる。またこの技術は、動物個体にも応用が可能であり、私達は生きたままのトランスジェニックマウスを用いたin vivoバイオイメージングによる解析を進めている。本発表では、デグラトンプローブを実際に使った例を紹介するとともに、in vivoイメージングの将来像について議論を行いたい。
平成17年11月の『アクティブボード』は、市川 靖子氏(熊本大学 大学院医学薬学研究部 腫瘍医学分野)、勝本 恵一氏(熊本大学 発生医学研究センター 幹細胞制御分野)及び荒木 喜美氏(熊本大学 発生医学研究センター 臓器形成分野)の3人にお願いしました。各ポスターのAbstractも『アクティブボード』のページに掲載していますので、是非ご覧下さい。
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