今月のお知らせ
 (平成9年10月 vol.2)

熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
1997年10月 8日 更新

<遺伝子実験施設竣工記念セミナーについて>

  熊本大学遺伝子実験施設は、学内共同教育研究施設として平成6年度に設置が認められ、平成7年度から活動を開始しました。今年(平成9年)4月にアイソトープ総合センターと合築で7階建の建物が完成し、5月から本格的な施設利用を開始しました。また、8月にはアイソトープ総合センターと合同の竣工記念式典を行いました。この度、日本における生命科学研究の中心的存在であり、テレビ・雑誌などでも御活躍されている松原謙一先生と中村桂子先生にお越しいただき、遺伝子実験施設竣工記念セミナーを開催することになりましたので御案内いたします。多数の方のご来聴を歓迎いたします。

***** 竣工記念セミナー *****
日時;1997年10月30日(木)
    午後3時〜6時
場所;熊本大学遺伝子実験施設
    6階 講義室
講師及び講演内容;
「生化学、DNA研究、ゲノムサイエンス」

   奈良先端科学技術大学院大学
   バイオサイエンス研究科、教授

            松原 謙一

  1970〜80年代に殆ど任意の遺伝子を取り出し、調べ、細胞に戻して働かせるDNA研究が生物科学の様相を大きく変えたことは記憶に新しい。そしてその線上に、ヒトを含むいろいろの生き物について各々のゲノムが担っている全遺伝情報を解読する努力が世界中で進められている。その拠って立つところを概観し、それが21世紀に向けてゲノムサイエンスとして発展してゆくありようについて私見をのべる。

「DNAから見えてきた生命像と科学像」

   JT生命誌研究館、副館長

            中村 桂子

  生物の魅力は共通性を持ちながら多様であるところにある。共通性の探究と多様性への関心は学問として別の道を歩いてきたが、近年、DNA(ゲノム)を通してこれがつながってきた。20世紀の生物科学の成果である生命現象のメカニズムの解明を踏まえて、生き物の全体性(個体)、歴史性、関係性などにどのように迫っていくか。生物科学が新しい展開をする時ではないか。また社会の中での(生物)科学のありようも変りつつあるのではないか。生命誌研究館の活動を紹介しながら考えてみたい。

<悪質なルール違反者について>

  遺伝子実験施設の設備・機器は、施設内で使用して下さい。施設外への持ち出しは禁止しています。ミューピッドのゲル板や未使用のディスポ製品、ガラス器具などの消耗品に関しても、スタッフの許可をとらずに施設外に持ち出した場合、窃盗行為とみなします。
 遺伝子実験施設利用申請書を提出していない人が施設を利用していた場合、機械などの扱い方が著しく悪い場合、使用記録ノートへの記入を怠った場合など、他の利用者に迷惑をかける悪質なルール違反者に関しては、次の様な処置をとります。予め御了承下さい。

段階;ルール違反者の時間外及び休日利用者登録の1カ月凍結。
段階;ルール違反者の時間外及び休日利用者登録の抹消。
段階;ルール違反者の遺伝子実験施設利用承認の取り消し。
段階;ルール違反者が所属している講座の方全員の、
        時間外及び休日利用者登録の1カ月凍結。

<指紋照合入退室管理システムについて>

  遺伝子実験施設で利用している指紋照合器は、『本人以外の指紋では絶対に鍵は開かない』、つまり誤認識をしないというのが特徴です。しかしながら、逆に、『本人なのに認めてくれない』というケースがあるのも事実です。原因としては、下記のようなことが考えられます。
 1)パスワードを間違えている。
 2)指の置き方が悪い。下過ぎることが多い。
 3)指が乾燥している。
 4)傷などが入り、指紋の渦の中心が判らなくなっている。
 5)指が細く、指紋が極端に細かい。
  いずれにしても、一人ひとり状況は違いますので、なかなか開かない、何回もトライしてやっと開く、などでお悩みの方は、遠慮なくスタッフに御相談下さい。ちょっとしたコツを覚えるだけで、改善されることが多いですし、他の指に登録し直すことも可能です。

<低温室使用開始のお知らせ>

  5F低温室(516)の使用を開始しました。設定温度は5℃
です。遺伝子実験施設利用登録者であれば誰でも利用できます。
下記ルールをお守り下さい。
1)低温室内に設備・機器を持ち込む場合は、事前にスタッフの
 許可を得て下さい。使用後は元に戻して下さい。また、設備・
 機器 の使用記録ノートの備考(コメント)欄に、『低温室』
 と記入して下さい。
2)低温室内の棚のスペースも、希望する講座に順次割り当てます。
 スタッフに御連絡下さい。段ボール箱による長期保存は、カビが
 発生し易いので御遠慮下さい。
3)低温室内の作業台スペース(1〜4)については、DNA実験
 室やRNA実験室と同様に、使用記録ノートに必要事項を記入
 して自由にお使い下さい。

<これまでのお知らせ>

熊本大学・遺伝子実験施設, E-mail:www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp