今月のお知らせ
 (平成10年1月 vol.2)

熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
1998年 1月12日 更新

<遺伝子技術講習会について>

 下記日程で第7回遺伝子技術講習会を開催しますのでお知らせします。

テーマ:『哺乳類全胚培養法の発生学への応用』
日時:平成10年2月13日(金)
  15:30〜17:30
場所:遺伝子実験施設・6階・講義室(602)
講師:大隅 典子 博士

  国立精神神経センター・神経研究所
        ・疾病研究第七部第二室長

内容:
 「全胚培養系」はダイナミックな形態形成が起こる器官形成期哺乳類胚の発生を試験管内で維持できるユニークなシステムである。通常、胎齢9.5日ラット胚(神経板期)ならば約72時間の発生を、子宮内とほぼ同様に進行させることが可能である。全胚培養系はこれまでに発生毒性学の分野で用いられることが多かったが、実験発生学のためのツールとしても非常に強力である。全胚培養系では胚を子宮外に摘出するので、さまざまな実験的操作を顕微鏡下で胚に加えることができる。例えば胚中もしくは羊水中への生理活性物質の投与、細胞の標識、細胞の移植、睫毛などを使った胚への試薬の投与、外科的手術などを行うことが可能である。
 私たちはこれまでに全胚培養法と蛍光色素(DiI/DiO)による標識を組み合わせて、頭部神経堤細胞の発生期における移動を追跡しうる実験系を確立した。この系を用いて、正常発生および形態異常を引き起こすような遺伝的・環境的影響下での頭部神経堤細胞の移動様式を詳細に明らかにする一連の研究を行ってきた。さらに最近では電気穿孔法と組み合わせることにより、哺乳類胚へ外来遺伝子を効率よく導入する技術も確立した。今回の発表ではこのような全胚培養法について紹介し、さまざまな応用の可能性について議論したい。

<悪質なルール違反者について>

 去る12月9日(火)に開催されました第13回遺伝子実験施設運営委員会において、『ルール違反者の処置方法についての申合せ』が決まりましたのでお知らせします。これは、悪質なルール違反者に関する処置について暫定的に第1段階から第4段階まで定め、9月29日付けで施設内に掲示していました[利用者の皆さまへ(警告)]に替わるものです。この申合せは、12月9日から適用を開始しています。
 この申合せは、遺伝子実験施設をより利用しやすい施設にすることを目的としています。運用は弾力的に行う予定ですが、各自『利用の手引き』にもう一度目を通していただき、ルールを守ってご利用下さい。また、他の利用者の使用記録ノートのつけ忘れや、後片付けのし忘れなどに気づかれた場合は、利用者どうし声をかけて注意されるようお願いいたします。悪質と思われる場合はスタッフに御連絡下さい。
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ルール違反者の処置方法についての申合せ
(趣旨)
第1 この申合せは、「熊本大学遺伝子実験施設利用内規」第8条
   に基づき、ルール違反者の処置に必要な事項を定める。
(処置内容)
第2 遺伝子実験施設長が必要と認めた場合、ルール違反者に対し
   次の処置を行うことが出来る。
 第1段階:厳重注意をし、第2段階以降の処置について警告する。
 第2段階:遺伝子実験施設利用の1カ月禁止。氏名公表。
 第3段階:遺伝子実験施設利用承認の取り消し。氏名公表。
(適用範囲)
第3 ここでルール違反者とは、下記項目のいずれかに該当する者
   を示す。
(1)スタッフに無断で、遺伝子実験施設の物品を施設外に持ち
   出した者。
(2)予約及び使用記録ノートへの記入をせずに、機械や実験台を
   頻繁に使用した者。
(3)他の利用者の物品を無断で使用した者。
(4)遺伝子実験施設利用承認を受けていないのに、スタッフに
   無断で施設を利用した者。
(5)その他、他の利用者の迷惑になるような行為を故意に行った者。
(運用指針)
第4 施設長が、利用者の行為をルール違反であると認めた場合、
   初回であれば第1段階を適用し、本人及びその利用責任者に
   その旨を通知する。再度ルール違反が認められた場合は、
   第2段階を適用し、本人及び利用責任者へ通知すると同時に、
   施設1階玄関内の掲示板に氏名及び処置内容を掲示する。
   更に、3度目のルール違反が認められた場合、第3段階を
   適用する。

<これまでのお知らせ>

熊本大学・遺伝子実験施設, E-mail:www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp