今月のお知らせ(平成10年2月)

熊本大学・遺伝子実験施設
熊本市本荘2−2−1
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
1998年 2月 2日 更新

<遺伝子技術講習会について>

 下記日程で第7回遺伝子技術講習会を開催しますのでお知らせします。

テーマ:『哺乳類全胚培養法の発生学への応用』
日時:平成10年2月13日(金)
  15:30〜17:30
場所:遺伝子実験施設・6階・講義室(602)
講師:大隅 典子 博士

  国立精神神経センター・神経研究所
        ・疾病研究第七部第二室長

内容:
 「全胚培養系」はダイナミックな形態形成が起こる器官形成期哺乳類胚の発生を試験管内で維持できるユニークなシステムである。通常、胎齢9.5日ラット胚(神経板期)ならば約72時間の発生を、子宮内とほぼ同様に進行させることが可能である。全胚培養系はこれまでに発生毒性学の分野で用いられることが多かったが、実験発生学のためのツールとしても非常に強力である。全胚培養系では胚を子宮外に摘出するので、さまざまな実験的操作を顕微鏡下で胚に加えることができる。例えば胚中もしくは羊水中への生理活性物質の投与、細胞の標識、細胞の移植、睫毛などを使った胚への試薬の投与、外科的手術などを行うことが可能である。
 私たちはこれまでに全胚培養法と蛍光色素(DiI/DiO)による標識を組み合わせて、頭部神経堤細胞の発生期における移動を追跡しうる実験系を確立した。この系を用いて、正常発生および形態異常を引き起こすような遺伝的・環境的影響下での頭部神経堤細胞の移動様式を詳細に明らかにする一連の研究を行ってきた。さらに最近では電気穿孔法と組み合わせることにより、哺乳類胚へ外来遺伝子を効率よく導入する技術も確立した。今回の発表ではこのような全胚培養法について紹介し、さまざまな応用の可能性について議論したい。

<JGC−TALKについて>

 全国遺伝子実験施設連絡会議では、実験材料検索など、実験・研究等に関する情報を交換するためのメ−リングリスト;JGC−TALKを開設しました。このアドレスに着信したメ−ルは、連絡会議に参加している各施設に自動転送され、各施設の担当者から関係者へ送られることになります。例えば、ある細胞株のcDNA を使いたいという利用者がこのアドレスにメ−ルを送ると、全国の遺伝子実験施設から情報(回答)が寄せられる訳です。このメ−リングリストのメールアドレス、内容等は公開とします。投稿に関しては、施設利用者などの各個人がこのメーリングリストへ直接行えます。したがって、投稿内容に関しては投稿する方の責任とします。
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メ−リングリスト;JGC−TALK
メ−ルアドレス;jgc-talk@gen-info.osaka-u.ac.jp
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<ニュ−ス配信方法の変更について>

 熊本大学遺伝子実験施設では、施設利用者への連絡手段として、これまでのGTCニュ−ス、WWWホ−ムペ−ジ、施設内掲示に加え、E−mailも活用することにしました。施設利用登録者全員を対象としたお知らせだけではなく、各種機械別に使用者のメ−リングリストを作成し、必要なニュ−スを流す予定です。何か不都合がある場合や御意見御要望などがある場合は、遺伝子実験施設事務室(内線5808またはE−mail: www@gtc.gtca.kumamoto−u.ac.jp)まで御連絡下さい。

<全館放送呼出について>

 遺伝子実験施設及びアイソトープ総合センター全館放送呼出は、内線92番に電話することで行うことが出来ます。92にダイヤルされると、全館放送システムが自動で立ち上がりますので、そのままアナウンスして下さい。遺伝子実験施設内で作業されている利用者に連絡したい時は、事務室に電話するのではなく、全館放送呼出を行って下さい。92番に電話がつながらないなど、何かトラブルがある場合は、事務室(内線5808)まで御連絡下さい。

<指紋照合入退室管理システムについて>

 遺伝子実験施設で利用している指紋照合器は、『本人以外の指紋では絶対に鍵は開かない』、つまり誤認識をしないというのが特徴です。しかしながら、逆に、『本人なのに認めてくれない』というケースがあるのも事実です。原因としては、下記のようなことが考えられます。
 1)パスワードを間違えている。
 2)指の置き方が悪い。下過ぎることが多い。
 3)指が乾燥している。
 4)傷などが入り、指紋の渦の中心が判らなくなっている。
 5)指が細く、指紋が極端に細かい。
 いずれにしても、一人ひとり状況は違いますので、なかなか開かない、何回もトライしてやっと開く、などでお悩みの方は、遠慮なくスタッフに御相談下さい。ちょっとしたコツを覚えるだけで、改善されることが多いですし、他の指に登録し直すことも可能です。

<これまでのお知らせ>

熊本大学・遺伝子実験施設, E-mail:www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp