2006年度 レポート第3回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2007年 9月06日更新

2006年度 最前線の生命科学C レポ−ト第3回(2006年10月18日実施)回答集

[ テーマ ]「人は誰でも20個以上の遺伝病の保因者であるという事実について」

[ 回答 ](全23人)

・遺伝によってなりやすい病気などがあることは知っていたが、20個以上の病気を潜在的に持っているというのは驚きだった。20個ともなると「祖父も父もガンになったので自分もガンになる」とかいう単純な問題ではないように思う。そうなると、遺伝子を診断することで病気を予見できるPCRの力は重要だと思う。もっとPCRが一般的なものになってもいいのではないだろうか。 (文学部)

・今まで自分の中では遺伝病というのはすごい低い確率でしか起こらないんだろうと考えていました。しかし今回講義で学んだことは自分の考えとは違うものでした。まず前提として人間は20個以上の遺伝病の保有者であるということは知らなかったので、とても驚きでした。遺伝子治療や遺伝子診断など、「遺伝子」という言葉が当たり前に使われている現代では、もっと遺伝子に関して興味を持ち、知識を蓄えていきたいと思います。またメンデルという方は偉大な人なんだなぁということが改めて理解することが出来ました。 (薬学部)

・遺伝病の保因者であることが判れば、その病気になりにくいような生活習慣を心掛けることで病気の発症を抑えることができ、そのひとの遺伝子にあった効果的な治療を行うこともできる。ただ、遺伝子情報は最も重要な個人情報であるから、流出した情報を悪意を持って利用されると大変なことになるだろう。外部から攻撃されて情報を奪われるならともかく、知らないうちに自ら情報をばら撒いているような企業・行政機関があるうちは、私は遺伝子情報を解析されたくないと思う。 (工学部)

・確かにヒトは誰でも何かしらの問題があると思う。それは本人が気付くものあれば、気付かないものもあるのではないだろうか?そういうものを考えればヒトはみな平等なのかもしれない。 (教育学部)

・時々テレビなどで、何百万分の一とかの確率で起こる病気の患者などを見るのだが、私は大きな病気にかかったことはないので、ほとんど他人事のように感じていた。しかしこの講義を受けて、いつか自分の身に降り懸かることかもしれないんだと再認識させられた。私が私と同じ変異遺伝子を持つ女性と結婚し、子供が生まれたら、その子が遺伝性疾患を発症する可能性がないとも言えないので、無関心ではいけないなと思った。また、遺伝子の研究によって生まれる前からその後かかる病気がわかるというのはとても便利なことだと思うが、それで異常が出たら墮ろす、などの倫理的な問題が生まれるのではないかと思った。先週の被爆治療同様、医学の進歩によってメリットとデメリットが生まれ、皮肉なことだと思った。 (教育学部)

↓↓↓↓↓
立派なレポートだと思います。 (コメント by 荒木)

・人は誰でも20個以上の遺伝病の保因者であるという事実について、僕はこのことはとても恐ろしいことだと思う。最近は遺伝子を診断することによって、生れつきかかる可能性のある病気がわかるらしい。ということは、子供ができる前から子供がかかるであろう病気がわかるということだ。となると結婚した時に子供をつくれないとかいうことにもなりうると思う。いままで僕はクローンとかを嫌い、遺伝子を操作するのは危ないことだと考えていたが、このことを学び、遺伝子をも操作するような医学が必要なのかもしれないと思った。 (教育学部)

・自分も遺伝病になる可能性を十分に持っていて、なんだか不安になりました。ゲノム工学が進み遺伝病を防ぐ技術が発達してほしいです。 (教育学部)

・今まで遺伝病とはほんの一部の人だけがかかる病気だと考えていました。しかし、自分でも20個以上の遺伝病の保因者である可能性があるということを知り、驚きました。これからの科学の進歩で自分はどのような遺伝病にかかりやすく、どのようなことに気をつけて生活して行けば良いのかを知りたいと感じた。 (工学部)

・自分は健常者であると考えていたが、自分は20個以上の遺伝病にかかる可能性があるという事実にことに驚かされた。病気が発症するかどうかは分からないが、自分の子供にも伝えられていく。少し不安になるとともに、人に限らず生物と呼べるものは、これを繰り返し今日まで生命を繋げて来たかと思うと感慨深いものである。 (工学部)

・この事実を講議の始めにプリントで見たときには、とても恐ろしく感じた。しかし、人間は今まで長い間この事実を抱えながら生きてきたのだし、科学の進歩によって、その事実が見つかっただけなので、それほど恐れる事実では無いと思う。 (工学部)

・私も親と同じ持病を持っていて、それが遺伝病であるかどうかは分かりませんが、もしかしたら遺伝病の可能性もあるということを知り、人ごとでは無いと思いました。また、生まれてきた子供が遺伝病を発病していた場合、その子供の子供はかなり高い確立で同じ病気を発病してしまうため、そうならないように子供を産もうとしない親が増えてしまい、さらに少子化が深刻化する可能性があるため、遺伝病に対する医療技術をもっと発展させて欲しいと思いました。 (工学部)

・遺伝性疾患についてはすごく確率が低いので自分には関係ない話と思っていたけど、メンデルの法則などを用いて計算すると誰でも20個以上の遺伝病の保因者であると聞いて驚きました。 (工学部)

・自分が20個以上の遺伝病の保因者だと聞き、驚きました。健康な自分からすれば病気は遠いものだと思っていたけど、誰もが発病する可能性があることがわかりました。また、もし自分の子供が生まれてくる前に病気を持って生まれる、発病するということが分かってしまったら、自分はどうするだろう…と真剣に考えさせられました。 (医学部)

・自分が20個以上の遺伝病を持っているという事実には大変驚いた。できれば自分の遺伝情報を知りどんな遺伝病を持っているかも知りたいと思う。 (工学部)

・そんなに遺伝病の因子を持っているとは知らなかった。血の近い者同士の婚姻がそのような理由でいけないのならば、過去の皇室には遺伝病の発病者が多かったのではないかと思う。 (薬学部)

・ヒトは誰でも20個の遺伝病になる劣性遺伝子をもつということを聴き、とても驚きました。ということは、自分自身も保因者で遺伝病に全く関係がないわけではないとわかり、もっと遺伝子やその仕組みについて学ばなければならないなと感じました。 (薬学部)

・今回のテーマについて思ったことは、そんなにあるのならいつか必ず病気になってしまうのではないかということだ。20以上の病気といったら私がぱっと思いつく病気の数よりも多いので恐ろしいと思った。 (教育学部)

・私は今回の講義で初めて遺伝についての法則を詳しく知ったが自分も20コ以上の遺伝病を持っていると考えると優性のものが自分にあったら…と考えてしまい恐くなった。 (工学部)

・今までは「何万人に一人の割合で発症する」とか聞いてもそれほど自分に当てはまることとは思っていなかったが、人は誰でも一人あたり20個もの変異遺伝子の保因者という事実を聞いて、自分とは無関係ではない話だと感じた。自分はどんな病気の保因者であるのか非常に気になる。 (文学部)

・25万人に1人という確率を最初に聞いたときは、自分には関係ないだろうという軽い気持ちでいました。しかし、考察を知ってからこの確率がいかに恐ろしいかを実感しました。自分が保因者だったらどうしようと不安も感じました。また、兄弟同士で結婚することが禁じられているのはこんな理由があったんだと知って驚きました。ただ、従兄弟同士の結婚は法律的に認められていますが大丈夫なんでしょうか?今回の講義で遺伝子のあらゆる側面に触れられた気がします。 (教育学部)

↓↓↓↓↓
 「従兄弟同士では大丈夫なのか?」という質問ですが、是非自分で確率を計算してみて下さい。(コメント by 荒木)

・遺伝病と聞いても自分とはほとんど関係のないものと思っていた。遺伝病の数はほんの少しだと思っていたからだ。しかし、実際は5,000もの発病しうる遺伝性疾患があると聞いて、大変驚くとともに自分の体が少し心配になった。
 ほとんどの遺伝病は劣性であり、環境要因もあるので、自分の生活次第では、病気にかからずに済むのだろうが、20個あれば、どれか1つは発病するような気もする。不安になる。
 また逆に、今回の授業でゲノム科学に希望を見出すことも出来た。最初の授業で学んだように、1人1人のゲノム解析を進めれば、あらかじめ何の病気の保因者かが分かる。それはすごく安心な事だと思う。その病気になりにくい生活習慣を考え、身につけることができるからだ。
 プライバシーの問題など様々な問題があると思うが、病気を発病させにくくするという観点においては全面的に奨励すべきだと私は考える。 (文学部)

↓↓↓↓↓
 立派なレポートだと思います。ところで、世の中にはいろんな考え方の人がいます。いろんな人生があると思います。病気=不幸とは限りません。また、自分の未来を予見出来ることが、その人にとって幸せとも限りません。遺伝子診断や健康データベースの問題は、これから先の講義の中でディベートを行いたいと考えていますが、本人が望んでいるかどうか、ちゃんと納得した上で参加しているかどうかが問題になると思います。そのためにも、遺伝子に関する正しい知識を、一般の方に広く知ってもらうことが重要だと考えています。   (コメント by 荒木)

・高校の頃に生物の時間に遺伝について習って、当時は致死遺伝子とかも組み合わせによっては死ぬということは知っていたけど、それが自分たち人間にも当てはまるとは考えたこともなかった。また、私達はだれでも20個以上の遺伝病の保因者であることについては、もし子供が遺伝病をもって生まれてきたとしても両親が悪いわけでもないし、ゲノム治療で治るのならばゲノム治療を行うべきだと思う。 (教育学部)

・日本でも遺伝子による差別が起こるのは避けられないと思います。 (薬学部)


  目次に戻る
  教育活動
  MASA Home Page
  遺伝子実験施設ホームページ
熊本大学 生命資源研究・支援センター 遺伝子実験施設,
E-mail: www@gtc.gtca.kumamoto-u.ac.jp