2007年度 レポート第4回 回答集

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2008年 7月26日更新

2007年度 最前線の生命科学C レポ−ト第4回(2007年10月 25日実施)回答集

[ テーマ ][ テーマ ]中学・高校における組換えDNA実験について

[ 回答 ](全24人)

・ヒトの遺伝子と大腸菌のDNAが制限酵素でつなぐ事が出来るのは意外だった。DNAを切り取ったりつなげたりする事は知っていたがまさか大腸菌のDNAとつながるとは思わなかった。この技術がすでに医療の分野に使われている事はそれだけ確実性があるものだと思った。
中学・高校の実験というものにもさまざまな条件が細かくある事には驚いた。また、P1〜P4までのレベル分けがしてありP1での実験室での実験とP4での実験室での実験にはどのくらいの実験データに差が出るのかが気になった。DNAの組換え実験がコストが下がったり安全が確立出来るなら行ってもよいと思う。
今回の内容から自分として難しくなってきたと感じるようになった。 (工学部)
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 今回の講義では制限酵素しか説明しませんでしたが、実際に「制限酵素」が行うのは切断だけで、結合させるのは「リガーゼ」という別の酵素です。しかしながら、この様な専門用語を覚える必要はありません。種が異なるDNA同士をつなぐことが出来るということだけ分かって頂ければそれで充分です。また、P1〜P4という物理的封じ込めレベルは、実験の正確さには関係ありません。遺伝子組換え生物が自然界に放出されるのを防ぐための拡散防止措置のレベルを示しているものです。(コメントby 荒木)

・中学・高校における組み替えDNA実験は安全面の方も問題はないし、遺伝子に興味を持つよい機会だと思います。でも、中学生や高校生に説明するのは大変なんじゃないかなと思ったりもします。 (医学部)
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 確かに中学生に説明するのは簡単ではありません。でも、遺伝子組換え技術に関する正しい知識 に接することは、これからの人生で役に立つことがあると信じています。(コメントby 荒木)

・「ウイルスが生物であるかどうか」ということ自体考えたこともなかったので、今回の講義には興味を持ちました。法律上はウイルスは生物であると定義されていますが、もしウイルスが生物でないと定義するなら、ウイルスは一体何に分類されるのだろうと思いました。 (工学部)

・私は、中学・高校で組換えDNA実験があることについて、素晴らしいことだと思います。私はこのようなことを中学・高校時代にする機会がなかったので、今、大学に入学して、いろいろな実験をやりながら、やはり実験をやることは、それに対して興味をもついいきっかけになると思うし、普段の聞いているだけの、受動的な授業よりもより積極的に参加できるので、やりながら理解も深まり、いいと思います。 (医学部)
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 確かに、講義だけでは実感が湧かないと思います。本当はこの「最前線の生命科学C」でも実験 を行いたい所なのですが。(コメントby 荒木)

・大腸菌を使わないで遺伝子の組換え実験が出来る。ワクチン開発(PCRの原理)による遺伝子組換え実験とはどんなものか、体験講座で知ることが出来る。中学・高校生でも理解が出来るのでしょうか。参加する予定です。  遺伝子組換えは様々な実験がなされ、応用分野が拡大する。一方では、組換えの定義も国際的な取決め(カルタヘナ議定書)ができ、生物多様性への悪影響の防止がなされている。また実験室でのPIからP4レベルまでの厳格な規制で安全の確保が出来ている。それでもこの規制を破る者が出て、生物の世界に重大な事故を発生させる事がないだろうか。  初回講義で参考文献を案内いただきました「中村桂子著」を2冊読みました。慣れない単語に非常に戸惑っています。年齢のせいでしょう。それでも面白く読みました。生物のミクロな世界がより深く科学的に解明されるほど、その構造に不思議な思いを抱きます。 (生涯学習)
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 参考書2冊読破とのこと、頭が下がります。中村桂子氏は、現在「JT生命誌研究館」の館長 として、非常にユニークな取り組みを続けられています。もしまだご覧になったことが無ければ、 是非ホームページ[http://www.brh.co.jp/hajimeni/]をチェックしてみて下さい。 (コメントby 荒木)

・中学・高校の時に組換えDNA実験をして、遺伝子の仕組みの説明をされたとしたら、私の場合、特に中学生の時なんかにそんな説明をされたとしたら、絶対にわからないだろうという自信があります。トラウマになってその後遺伝子とかDNAとかいうたぐいの話から避けるようになるかもしれません。なので、こういう実験をや るなら、後々の興味まで削がないようにあまり難しい説明にまで及ばないことが大切だと思います。 (工学部)
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 貴重なアドバイス、ありがとうございます。(コメントby 荒木)

・私は中学・高校で組換えDNA実験はやったことはない。しかし、講義を聞き、この実験をやることは人間、自分自身の源を知ることにもつながると考え、中学・高校生にとって大変有意義であると考える。 (医学部)

・「ウイルスが生物か否か」について興味をもった。自分はインフルエンザなどの例から考えて生物だと思っていてが、実際法律上生物だと定められているらしい。反論している科学者はどのように反論しているのかをもっと聞いてみたいと思った。 (工学部)

・中学・高校における組換えDNA実験について考えたことは、中学生や高校生は組換えDNA実験を行う上で、遺伝子組換えについての知識を十分に理解しとく必要があると思う。組換えDNA実験は一歩間違えれば恐ろしい事故を引き起こす可能性を持っているからである。だから中学生や高校生はその危険性を理解し、正しい知識を身に付けとく必要があると思う。 (工学部)

・中学校や高校で遺伝子組み換え実験が出来るというのは非常にいい経験だと思います。DNA実験にはいろいろと条件がいるのは当然だと思うのですが、その実験につく講師は簡単な講習を受けるだけで実験に当たることが出来るというのは大丈夫なのでしょうか? 少し疑問に思いました。 (工学部)

・高校を卒業して数十年たつがそのころ理科の授業ではDNAという言葉じたいは学習したと思うが組みかえDNA実験などということは考えることもできなかった。現在中学、高校でおこなわれていることも知らずにいた。頭が柔軟なうちにこういう学習や実験を経験してワクチンや遺伝子の病気のことに興味を早い時期に引き出すこともできる。それと同時に倫理面での問題も遺伝病というものを知ることにより受け取り方も違ってくると思う。もう数十年生まれてくるのが遅かったら教室の中で実験を目の前で見ることができたかと思うと残念だ。 (生涯学習)
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 体験講座『遺伝子と仲良くなろう』の第1回(11月17日〜18日)については、応募者が定員を超えたため、予定より早く募集を締め切りました。また、お断わりせざるを得なかった方の中で、第2回(1月12日〜13日)参加を希望された方は優先的に予約を入れましたので、16人の定員のうち既に10人が確定しています。第2回の募集は正式には11月19日から開始することにしているのですが、もし希望される場合は御連絡下さい。 http://gtc.egtc.jp/idenshi/view/exp/index (コメントby 荒木)

・生徒たちの興味をかきたてることだし、周りに悪影響を及ぼすような実験は行わないと思うので、中学・高校で実験を行うことには賛成だ。ただ、遺伝子組み換え実験とはどのようなものか、行うことでどのような影響がうまれるか生徒たちがよく考えたり、知ったうえで行うのが望ましいと思う。
   よく聞くのは「遺伝子組み換え実験によってできた植物の種子がもし飛んでしまって自生したら、生態系は壊れてしまう」ということと、「遺伝子組み換えの食品を食べることで数十年後に私たちの体に何らかの影響が出てくるかもしれない。」ということだ。遺伝子組み換えの技術によって助かることもたくさんあるだろうけれど、何もかもそういう技術に頼りすぎるのはあまりよくないことだと思う。 (医学部)
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 立派なレポートだと思います。(コメントby 荒木)

・私は良いことだと思います。遺伝子組み換えというものが一体どんなものなのかということが理解出来きていれば、実際に遺伝子組み換えにおいて、何をしているのか、どのような危険性があるのか、利点は何かということが中学生、高校生といった早い段階で理解することができます。身近な食品問題に関わるものなので、確かな知識を経験的に植え付けることは良いことだと思います。 (医学部)

・今回の講義を受けて、自分が中高生の時は遺伝実験がなかったので、ぜひしてみたいと思った。遺伝子は生命を構成するプログラムなので今後の生命工学の発展にとって最も重要なものだと思う。 (工学部)

・ウイルスは、生物なのかそうでないのかということで自分はウイルスは生物でないと思いました。なぜなら、生物ていうのは生きるために何らかの働き(食事、睡眠、光合成など)をしているものだと思うかです。だけど、ウイルスを生物以外に分類するとしたら何になるのかなと思いました。 (工学部)

・中学・高校で組換えDNA実験を行うのは賛成です。しかし、中学生や高校生に実験をおこうなう上での注意、監視を十分にすることが大切だと思う。特に中学生は精神的に未熟なため、面白半分で実験物を持ち出そうとする可能性もある。バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書などの内容をよく理解させ、生物の多様性の重要性を理解したうえで実験を行うべきだと思う。  また中高生で組換えDNA実験をおこうなうことで理解が深まり、将来研究しようと思う生徒も出てくるかもしれない。そうなれば生命科学の研究もまた進むようになると思います。 (教育学部)
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 アドバイス参考にします。(コメントby 荒木)

・現在DNAに関する研究が進みよりたくさんの内容が解明されてきています。DNAの知識を早めに教えてある程度理解させておき、興味をもった子供が大学生になってより専門性を高めて行くのが理想的だと思います。最先端の医療のほとんども遺伝子を中心としているので、好奇心旺盛な子供の時期にDNA実験を行うのはこれからの医療発展に意味あることだと思います。  ただ、遺伝子は生命の設計図であるためにそれを人工的に操作された新しい生命体が外に繁殖し自然界の食物連鎖が崩れてしまう危険があります。中学・高校でのDNA実験は安全性を重視して奨励すべきだと思います。 (医学部)
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 良く書けていると思います。(コメントby 荒木)

・中学・高校で組換えDNA実験は行ってほしいと思います。進路選択に幅を持たせるためにも、一人でも多くこの分野に興味を持ってもらうためにも必要なのではないかと思いました。身近な問題を取り上げ実験することでこの分野を学ぶ意欲も出てくると思います。 (医学部)

・今まで興味はあっても安全上の問題等で出来なかったという生徒も数多くいたと思います。そのため私はこのような実験を中学生や高校生が行い、学ぶことができるのは良いことだと思います。これから、今以上に安全な実験の環境を整えてあげる事も重要だと思います。 (工学部)

・今回の講義を受けて、自分は中学高校では遺伝子実験をしなかったが、講義を受けて初めて遺伝子実験の存在を知った。自分にはレベルが高すぎる話だったので難しかった。自分は化学科なので将来的にそういった研究をするかもしれないので遺伝子についてもっと知ろうと思った。 (工学部)

・自分自身は今まで遺伝子組み換え実験に触れたことがなく、大腸菌などを使って簡単にDNAの組み換え実験が出来ることは知らなかった。全く専門知識がない人が実験で遺伝子を操作することが出来るまでに生物学が進歩したことはすごいことだと思うが、逆に言えば大腸菌といっても中学や高校の中でそういった『命の操作』を簡単に行えることを素直に喜んでいいのか、と感じる。特に知識も意欲も無い人が遊び半分でやっていいものではないと思う。 (工学部)
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 立派なレポートだと思います。大腸菌1匹1匹の命の重さというのは、今まで考えたことがありませんでした。マウスについてはいつも考えているのですが・・・確かに、たとえ大腸菌であっても『命の操作』を行っているという自覚は必要かも知れません。しかしながら、人が生きていくためには、もっと残酷(?)なことを行っていることも事実だと思います。逆に言うと、そこまで考えていたら、生きていくことが困難になる様な気がします。(コメントby 荒木)

・最近、報道が多いのか、自分の意識志向のためか、、、ゲノム関係の新聞記事が目立ちます。  メタゲノム解析法での腸内細菌ゲノムの研究、ノックアウト解析法での個々の遺伝子の働きの研究、はたまた、遺伝子組み換えの科学は「諦念のサイエンス」論、、、などなど。
 世界中で専門家、科学産業の企業で取り組まれ関心を呼んでいるようです。
 近々一般的な生活の中で活用され、常識化されるのも時間の問題と思われます。
 このような状況の中で、中、高生が本件実験で学ぶことは、科学への興味、想像力を喚起し、研究者の発掘にも寄与するものと思います。
 そこまで到達せずとも、現在「パソコン、IT、」が常識化しつつあるように、DNAの基礎知識が日常生活に不可欠な時代が到来すると思われますので推進か諦念か、いずれの立場に立つかは別にしても、その判断ができて議論に参加できるためにも、基礎知識を、中、高生時代に習得することの時代的意義は大きいと思います。 (生涯学習)
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 立派なレポートだと思います。「推進か諦念か、いずれの立場に立つかは別にしても、その判断ができて議論に参加できるためにも、基礎知識を、中、高生時代に習得することの時代的意義は大きい」というご意見に賛成です。(コメントby 荒木)

・私は中学でも高校でも遺伝子を扱うような実験をしたことはないのですが、それぐらいの年齢から遺伝子の事を実験を通し、よく理解するのはとても良い事だと思います。生物の分野のみでなく、いろんな分野の実験をより多く経験してみたいです。 (工学部)

・私は、中学・高校における組換えDNA実験は、必要でありより推進していくべきであると考えています。DNAというものは未知の世界であり、知識が十分でない中高生にとって身近に感じられるような機会(実験等)を利用することで、興味や関心が高まるのではないかと思うからです。こうした実験をすることで、生物の多様性を知り、私たち人間の存在・命の尊さを学ぶ手立てになるのではと思います。学校教育の中で、授業時間の減少や情報の発生により、実験など必要な授業が行われにくい状況があるのではないかと思います。例えば、カエルの解体実験など以前は中学校の理科の実験で当たり前のように行われてきたものも、カエルも生き物であるから、行うのは不適当だとするような考えから行われなくなってきている。しかし、このことに多くの是非はあるのも、私はこうした実験は必要ではないかと思います。 (工学部)

・私は中学生や高校生がDNA組換え実験をすることはいいことだと思う。若いうちにこのような実験をして、DNAについて理解しておけば後に役立つと思う。とにかく、中学校や高校にDNA組換え実験ができる施設があることには驚いた。 (工学部)

・自分が中学の時は、組換えDNAという言葉は全く知りませんでした。高校で初めて知りました。残念ですが高校の時も実験はやっていません。多分、そういう実験をしたら、もっと興味を持ち勉強できたと思います。 (医学部)

・中学や高校では授業で知識を学ぶだけがほとんどで、実際に実験をする機会はあまりありません。なので自分はいつもいろいろな実験を授業に組み入れて欲しいと思っていました。中学、高校でDNAの組換え実験を行うことは良いことだと思います。 (理学部)

・学校の理科室がP1レベルの実験室とされていたことに驚いた。学校で遺伝子組換え実験が可能ということだが、最先端の技術や考えに触れるという意味では、興味深いことだと思った。また、遺伝子組換えの利点や危険性を知るということにもなると思う。 (工学部)

・早い段階からDNAについて学ぶことができるので組換えDNAを中学・高校において取り入れると良いと思う。興味を持ってくれる人が増えると思うし、良いことだと思う。 (医学部)

・私は中学・高校と生物はあまり好きではなかったのですが組み換え実験があれば、遺伝子に興味を持てたかもしれません。早い段階で実験をやってみることは良いことだと思います。 (工学部)


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