ベクターに組み込んだ部分をもう少し詳しく説明すると
このような遺伝子工学の技術は、私達の日常生活の様々な面において活躍しています。
Q:遺伝子治療ってな〜に?
A:遺伝子治療とは、遺伝子工学の技術を人間の遺伝子レベルで活用して、病気の治療に応用することです。例としてADA欠損症という病気の治療法を見てみましょう。
ADA欠損症とは、人の全ての細胞に存在するADAという酵素が生まれつき欠けている為に、人の免疫系の細胞がうまく機能せず、健康な人ならめったにかからないような病気にかかってしまうという状態になります。このADAという酵素がないのは、ADAを作る遺伝子を生まれつき欠いているために起こるのです。
そのためにこの病気の治療法の一つとして、レトロウイルスという遺伝子のベクター(運び屋)にADA遺伝子を組み込んで、それを人の免疫系の細胞に運んでもらえば、その細胞でADAが作られることになり、病状が改善されます。
このことを図に示すと下の図のようになります。 Next Page