優秀作品(1)
熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健
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2008年 2月18日更新
『時間の分子生物学』(医学部)
(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
私の弟は睡眠障害に悩んでいたので、この本を通して少しでも支える力になりたいと思ったからです。
(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
分子生物学研究における最近の発見
生物はピリオド、クロプトクローム、クロック、BMAL1などの転写制御因子に調節される生物時計によって一日の周期を保っている。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるが、オレキシンによって調節される。
(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
生物の一日は多くの物質によって精密に規則正しく作り出されているのだと知って驚きました。テスト勉強で半分徹夜した時に10〜1時で眠たくなり、早朝はすっきりした気持ちで太陽の光をながめていた経験を思い出しました。睡眠時間が不足していても何とか今まで周囲に合わせられたのは生物時計のおかげだったのですね。今ではそのように徹夜する事がなかなかできなくなりましたが、今日もゆっくり眠った後8時間たったらきちんと起きる事ができたのも、私の生物時計が正常に働いているからだと分かり嬉しくなります。
睡眠には夢を見て、脳は起きている(覚醒状態)のに近いけれど体はぐったりしている睡眠=レム睡眠と、脳が眠る=ノンレム睡眠がある。そして生物にはたとえ睡眠時間が短くなってもレム睡眠が不可欠であり、レム睡眠中に起きていた時の経験を再確認している。本書にはこのように書かれていましたが、それならば高度な知能を持ち現状を分析していく人間にとってレム睡眠をとることは自らの能力を高めていく上で大切な事になると感じました。特に私のような医学を志す者にとっては、勉強をテスト直前に詰め込むよりも日を分けて勉強しレム睡眠によって脳内に定着させていくのが良いと思いました。これはわたしの予想ですが、睡眠時間を短くてもレム睡眠を多くの回数とっていれば勉強には支障ないかもしれませんね。
私の弟は高1から高2かけてパソコンにはまり、いつの間にか十分なレム睡眠をとれなくなっていたのかもしれません。現在高校2年生で大学受験のかけ出しの時期にいるにもかかわらず、勉強をするだけでヒステリーを起こしてしまいます。担当医の先生は勉強→ヒステリーという脳内回路ができているとおしゃったと聞きましたが、これからは十分な睡眠をとる習慣をつけ自立した人間になって欲しいものです。
分子遺伝学の研究はまだまだ始まったばかりで、これから多くの発展を期待されているようです。眠れなくなった人に対してオレキシンをもとにした薬が開発される日はいつ訪れるのでしょうか。著者は「患者のための社会活動にまで手を広げる事のできる人は大変に稀である」とおっしゃっています。この本は睡眠の知識の一部を教えてくれただけでなく、研究者としてのあり方の一つも私に呈示してくれました。
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*****2007年度・優秀作品*****
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