アクティブボード・12月

熊本大学・遺伝子実験施設
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2002年 1月 6日 更新


アクティブボード・2001年12月

研究発表を行った学会;第74回日本生化学会
   2001年10月25日〜28日(京都)
タイトル;哺乳類hsc70-dj2/dj3-bag1シャペロン系と大腸菌DnaK-DnaJ-GrpEシャペロン系の比較検討
発表者;寺田 和豊
   (医学部 分子遺伝学講座)
Abstract;
 哺乳動物のサイトソルには、分子シャペロンhsc70と協調して働くDnaJホモログdj2/dj3 (DnaJA1/DnaJA2)および機能的GrpEホモログbag1が存在する。我々は、ホタルルシフェラーゼのrefoldingに効率良く働くDnaJホモログはTypeIDnaJホモログdj2/dj3であることを明らかにし、bag1はこの反応を促進することを報告した(1,2)。今回はルシフェラーゼrefolding実験系で、哺乳類hsc70-dj3-bag1シャペロン系と大腸菌DnaK-DnaJ-GrpEシャペロン系の比較検討を行った。hsc70あるいはDnaK単独では、refoldingが観察されなかったが、hsc70にdj3を加えると60分間で50%のrefoldingが観察された。dj3の代わりにDnaJによっても同様のrefoldingが観察された。一方、大腸菌DnaKにdj3あるいはDnaJを加えても同様のrefoldingが観察された。さらに、ATP/ADP交換因子であるGrpEあるいはbag1を加えると、hsc70-dj3、hsc70-DnaJ、DnaK-dj3、DnaK-DnaJに対して異なったrefoldingが観察された。hsc70とDnaKのATPase活性に対して、これらのコシャペロンが及ぼす影響を含めて、hsc70とDnaKに対する特異性を考察する。
   1) JCB 139:1089-1095 (1997).
   2) JBC275:24728-24734 (2000).


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