優秀作品(1)

熊本大学
生命資源研究・支援センター
バイオ情報分野
荒木 正健

Tel : (096) 373-6501, FAX : (096)373-6502
2007年 4月30日更新


『時間の分子生物学』(工学部)

(1)この本を選んだ理由を書いて下さい。
 自分の中にある体内時計のしくみや何故眠くなるのか少しでも理由が欲しかったから。

(2)この本で著者が一番伝えたい事は何だと思いますか?
 今遺伝子の研究で何が調べられているのか。

(3)この本を読んで感じた事、考えた事を書いて下さい。
 この本を読んでいて、初めは今まで知らなかった事実を知り、楽しく読み進めていった。生き物が自分の考えていた体内時計よりも、もっと性格な時計を昔から持っている事やその時計のからくりをどのように見付けたかについて書いてある所を読むと自分が少し興奮していることにも気付いた。また、時間をそれぞれ1つの細胞で測り、その細胞がたくさん集まって正確な時間を刻むことも知り、生物の仕組みの巧妙さに驚いた。
 しかし、読み進めていき人間の睡眠の話に気付いていくと、初めに感じた喜びの他に少し恐怖の念を抱いていた。読む前にもこの本で人間について触れられているのは当然知っていたし、それについても自分がこの本に興味を持った原因の1つだった。それにも関わらず、少しでも恐怖を感じたのは、分子生物学によって、人間の行動の一部に科学的な説明が付けられたからだと思う。このまま研究が進めば人間についてすべて解明され、自分の意志で決定したはずの行動も意志が入る隙間の無い科学で説明されてしまうのではないかとSF映画の様な話まで浮かんできた。もちろんまだ人間には説明されていない部分の方が多いし、自分が生きている間にすべて説明がつくと思えない。けれども、この本を読むと自分は人間として行動していると思っているだけで、本当はただの有機物の集合体にすぎないのではないかと思ってしまう。


*****2006年度・優秀作品*****
冬休みの課題レポート・2006
教育活動
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